不動産番号ふどうさんばんごう
登記官が一筆の土地または一個の建物ごとに記録する、不動産を識別するための13桁の番号です。申請情報に書けば不動産の表示を省略できますが、添付情報の省略や敷地権の種類と割合の省略はできないという線引きが肢で突かれます。
不動産番号は、不動産登記法27条4号の不動産を識別するために必要な事項として、不動産登記規則90条により登記官が一筆の土地または一個の建物ごとに記録する番号です。土地や建物の表題部に13桁の数字で記録され、所在や地番が変わっても同じ不動産を追えるようにする識別子の役目を持ちます。不動産登記令6条と規則34条2項により、不動産番号を申請情報の内容にすると、土地や建物の表示の記載を省略できます。省略できるのは申請情報の土地や建物の表示だけで、添付情報や敷地権の種類と割合には及びません。肢で突かれるのは、この省略の範囲です。
不動産登記規則 第90条(不動産番号)
登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。

登記官が一筆・一個ごとに記録する識別子です
不動産番号は申請人が付けるものではなく、登記官が表題部に記録します。土地は一筆ごと、建物は一個ごとに付けられ、分筆や区分で新しい登記記録ができればその不動産に新しい番号が記録され、合筆や合併では存続する登記記録の番号が引き継がれます。登記事項証明書の表題部の右上に印字され、オンラインの登記情報を引くときの検索キーにもなります。所在や地番は行政区画の変更や地番の変更で変わりえますが、不動産番号は同じ不動産である限り変わらないので、識別に向いた仕組みです。土地の分筆後や建物の増築後も、登記事項証明書の表題部で番号を確かめれば同じ不動産かどうかが分かる仕組みです。
申請情報に書けば不動産の表示を省略できます
不動産登記令6条1項は、不動産識別事項を申請情報の内容としたときは、令3条7号と8号の土地や建物の表示を申請情報の内容とすることを要しないと定めます。規則34条2項がその識別事項を不動産番号と定めているので、申請書の不動産の表示欄に不動産番号を記載すれば所在や地番、地目や地積の記載を省けます。他の登記所の管轄にある不動産については、規則34条3項により不動産番号と併せてその登記所の表示を記載したときに限り省略できます。実務では不動産番号を記載したうえで所在や地番も併記するのが通例で、省略できることと省略すべきことは別です。
敷地権の表示と添付情報は省略できません
敷地権付き区分建物の移転の登記で「当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは,敷地権の目的となる土地の所在する市,区,郡,町,村及び字並びに当該土地の地番,地目,地積,敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない」という肢は誤りです。敷地権の目的である土地の表示は省略できても、敷地権の種類と割合は申請情報に記載します。共同担保の追加設定で前の登記に関する登記事項証明書を提供すべきときに「当該不動産に係る不動産番号を申請情報の内容としたときは,当該登記事項証明書の提供を省略することができる」という肢も誤りで、不動産番号が代わりになるのは申請情報の記載だけです。省略の相手が申請情報の表示なのか、添付情報なのかを読み分けます。
番号がまだない不動産では表示を記載します
表題登記の申請や、表題登記がない不動産への処分の制限の登記の嘱託では、不動産番号がまだ存在しません。表題登記がない不動産について判決で所有権を確認された者や収用で取得した者が申請する所有権の保存の登記も同じです。規則34条4項により、これらの場合は令3条7号や8号の土地や建物の表示を申請情報の内容にしなければなりません。表題登記で初めて不動産番号が記録され、その後は表示に関する登記でも権利に関する登記でも省略が使えるようになる流れです。番号が何を前提に生まれるかを押さえると、省略できない場面も自然に導けます。
不動産登記令 第6条(申請情報の一部の省略)
次の各号に掲げる規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産を識別するために必要な事項として法第二十七条第四号の法務省令で定めるもの(次項において「不動産識別事項」という。)を申請情報の内容としたときは、当該各号に定める事項を申請情報の内容とすることを要しない。
一 第三条第七号 同号に掲げる事項
二 第三条第八号 同号に掲げる事項
三 第三条第十一号ヘ(1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積
第三条第十三号の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産識別事項を申請情報の内容としたときは、次に掲げる事項を申請情報の内容とすることを要しない。
一 別表の十三の項申請情報欄ロに掲げる当該所有権の登記がある建物の家屋番号
二 別表の十三の項申請情報欄ハ(1)に掲げる当該合体前の建物の家屋番号
三 別表の十八の項申請情報欄に掲げる当該区分所有者が所有する建物の家屋番号
四 別表の十九の項申請情報欄イに掲げる当該建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに当該建物の家屋番号
五 別表の三十五の項申請情報欄又は同表の三十六の項申請情報欄に掲げる当該要役地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該要役地の地番、地目及び地積
六 別表の四十二の項申請情報欄イ、同表の四十六の項申請情報欄イ、同表の四十九の項申請情報欄イ、同表の五十の項申請情報欄ロ、同表の五十五の項申請情報欄イ、同表の五十八の項申請情報欄イ又は同表の五十九の項申請情報欄ロに掲げる他の登記所の管轄区域内にある不動産についての第三条第七号及び第八号に掲げる事項
七 別表の四十二の項申請情報欄ロ(1)、同表の四十六の項申請情報欄ハ(1)、同表の四十七の項申請情報欄ホ(1)、同表の四十九の項申請情報欄ハ(1)若しくはヘ(1)、同表の五十五の項申請情報欄ハ(1)、同表の五十六の項申請情報欄ニ(1)又は同表の五十八の項申請情報欄ハ(1)若しくはヘ(1)に掲げる当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番
八 別表の四十二の項申請情報欄ロ(2)、同表の四十六の項申請情報欄ハ(2)、同表の四十七の項申請情報欄ホ(2)、同表の四十九の項申請情報欄ハ(2)若しくはヘ(2)、同表の五十五の項申請情報欄ハ(2)、同表の五十六の項申請情報欄ニ(2)又は同表の五十八の項申請情報欄ハ(2)若しくはヘ(2)に掲げる当該建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに当該建物の家屋番号
試験ではこう問われる
- 不動産番号は誰が、何ごとに記録するか(登記官が一筆の土地・一個の建物ごとに)
- 不動産番号を申請情報に書くと何を省略できるか(土地や建物の表示。他管轄ならその登記所の表示も併記)
- 敷地権の種類と割合は省略できるか(できない。省略できるのは敷地権の目的である土地の表示まで)
- 添付情報の登記事項証明書は省略できるか(できない。省略は申請情報の記載に限る)
この用語が問われた肢
敷地権付き区分建物について所有権の移転の登記を申請する場合において、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは、敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積、敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない。
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