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資格者代理人による本人確認情報しかくしゃだいりにんによるほんにんかくにんじょうほう

不動産登記 第2章 登記識別情報と本人確認 過去問で4肢

司法書士などの資格者代理人が、申請人が登記義務者本人であることを面談と書類で確認した結果をまとめた情報です。登記官が相当と認めれば事前通知が省かれ、前住所通知も省かれ得る点が肢で突かれます。

資格者代理人による本人確認情報は、登記の申請の代理を業とすることができる代理人が、申請人が登記義務者であることを確認するために必要な情報として登記官に提供するものです。登記識別情報を提供できない場合の三つの経路のうち、専門家が確認を引き受ける経路にあたります。資格者代理人は司法書士、弁護士、土地家屋調査士などで、面談の日時と場所、確認に用いた書類、その人を登記義務者と認めた理由を記載します。専門家が本人と会って確かめた記録に登記官が信頼を置く仕組みで、内容を相当と認めたときは事前通知をしません。肢では、何を添えるか、認められなかったときどうなるか、が問われます。

不動産登記法 第23条第4項第1号

当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。

机をはさんで身分証を見比べ、職印を押す司法書士と依頼人
本人確認情報は、資格者代理人が面談と書類で本人を確認した記録です
資格を証する情報を併せて提供職印証明書は3か月以内相当と認められれば事前通知なし

資格者であることを証する情報を併せて提供します

本人確認情報を提供するときは、その資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供します。司法書士なら司法書士会が発行する職印に関する証明書がこれにあたり、「当該司法書士が所属する司法書士会が発行した職印に関する証明書は、発行後3か月以内のものであることを要する」という肢は正しい肢です。この証明書について原本の還付を請求することはできます。「当該本人確認情報に添付する資格者代理人であることを証する書面について原本の還付を請求することができる」という肢は正しい肢です。本人確認情報そのものは申請ごとに作成する書面なので、原本還付の対象として問われることはありません。

面談と身分証明書で確認します

確認は、申請人と面談し、規則が列挙する書類の提示を受けて行います。運転免許証やマイナンバーカードのような写真付きの公的な証明書なら1点以上、健康保険証や年金手帳のような写真のない書類なら2点以上、または写真のない書類1点と官公署発行の書類など規則の定める書類1点の組合せです。資格者代理人が申請人を以前から知っている場合は、その旨と経緯を書きます。確認の対象は申請人となる人で、成年被後見人に代わって成年後見人が申請するときは、成年後見人について確認した本人確認情報を提供します。法人が登記義務者なら、その代表者について確認します。面談は資格者代理人自身が行い、事務員に任せた確認では本人確認情報になりません。

相当と認められれば事前通知が省かれます

登記官が本人確認情報の内容を相当と認めたときは事前通知をしません。所有権に関する登記で登記義務者の住所変更の登記がある場合の前住所通知も、本人確認情報の内容により申請人が登記義務者であることが確実と認められるときは省かれます。逆に相当と認められないときは事前通知の手続に移るのであって、申請が却下されるわけではありません。

印鑑証明書の代わりにはなりません

本人確認情報が代わりになるのは登記識別情報だけです。登記義務者が申請書や委任状に押した印鑑についての印鑑証明書は、本人確認情報を提供しても省略の理由にはならず、省略できるのは公証人の認証を受けた場合など規則の定める例外に限られます。「地上権の設定の登記の抹消を申請する場合において、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときは、申請情報を記載した書面に当該登記義務者の印鑑に関する証明書を添付することを要する」という肢は正しい肢です。登記識別情報は名義人であることの担保、印鑑証明書は申請意思の担保という別々の役割だからです。

記載する事項は法務省令で決まっています

本人確認情報には、資格者代理人が申請人と面談した日時と場所、その状況、申請人が登記義務者であることを確認した理由を書きます。氏名や住所の確認に使った書類の種類と番号、有効期間も書きます。資格者代理人が申請人を以前から知っているときは、その旨と知るに至った経緯を書けば、書類の提示に代えられます。作成した資格者代理人は職印を押し、登記官はこれらの記載から確認の確かさを判断します。

不動産登記規則 第72条第1項

法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。
一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況
二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯
三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由

試験ではこう問われる

  1. 本人確認情報と一緒に何を提供するか(資格者であることを証する情報。職印証明書は3か月以内)
  2. 登記官が相当と認めたときの効果は何か(事前通知が省かれる)
  3. 相当と認められないときはどうなるか(事前通知に移る)
  4. 本人確認情報で前住所通知は省けるか(確実と認められるときは省ける)

この用語が問われた肢

R8 問13 ア正しい

登記義務者の登記識別情報を提供することができないため、申請代理人である司法書士が作成した本人確認情報を提供するときは、当該本人確認情報に添付する当該司法書士が所属する司法書士会が発行した職印に関する証明書は、発行後 3 か月以内のものであることを要する。

R5 問26 イ正しい

売買を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において、登記義務者が登記識別情報を提供することができないため資格者代理人が作成した本人確認情報を添付したときは、当該本人確認情報に添付する資格者代理人であることを証する書面について原本の還付を請求することができる。

R4 問17 ウ誤り

本件登記の申請代理人である司法書士から本人確認情報の提供がされたが、登記官が当該情報の内容を相当と認めないときは、登記官は、本件登記の登記義務者に対して事前通知をすることなく、本件登記の申請を却下しなければならない。

R8 問13 エ正しい

地上権の設定の登記の抹消を申請する場合において、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときは、申請情報を記載した書面に当該登記義務者の印鑑に関する証明書を添付することを要する。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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