登記識別情報の有効証明とうきしきべつじょうほうのゆうこうしょうめい
登記名義人やその相続人などが、手数料を納めて、手元の登記識別情報が有効であることの証明を登記官に請求する制度です。申請前に登記識別情報が使えるかを確かめる道具で、誰が何を提供して請求するかが問われます。
登記識別情報の有効証明は、登記名義人またはその相続人その他の一般承継人が、登記官に対し、手数料を納付して、通知を受けた登記識別情報が有効であることの証明その他の登記識別情報に関する証明を請求する制度です。不動産登記令が根拠で、請求の方法は不動産登記規則が定めます。売買の前に売主の登記識別情報が本物で失効していないかを確かめたいときに使い、証明はその時点の状態を示すもので、その後の失効までは防げませんが、決済前の確認には十分です。肢としての出題は少ない語ですが、失効の申出と対で理解しておくと、通知・提供・失効・証明という登記識別情報の一生が一本につながります。
不動産登記令 第22条第1項登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、登記識別情報が有効であることの証明その他の登記識別情報に関する証明を請求することができる。

請求できるのは登記名義人とその一般承継人です
有効証明を請求できるのは、その登記識別情報の通知を受けた登記名義人と、その相続人その他の一般承継人です。買主のような第三者が自分の名で請求することはできません。売主から委任を受けた代理人が請求する形が実務では一般的で、そのときは代理権限を証する情報を提供します。登記名義人が法人なら会社法人等番号を提供するか、代表者の資格を証する情報を添えます。相続人が請求するときは相続を証する戸籍や法定相続情報一覧図の写しを添えます。資格者代理人が請求するときは、資格を証する情報を提供すればこれらは省略でき、委任状も要りません。
登記識別情報を提供して請求します
請求には、有効かどうかを確かめたい登記識別情報そのものを提供します。請求情報には請求人の氏名住所、不動産の表示、登記の目的と受付番号などを書き、書面で請求するときは原則として記名押印して印鑑証明書を添えます。資格者代理人による請求では請求人の印鑑証明書は要らず、委任による代理人が署名すれば記名押印も要りません。登記官は、提供された登記識別情報が通知したものと一致し、失効していないかを照合します。証明の内容は、有効か、失効しているか、通知した情報と一致しないか、のいずれかで、理由までは示されません。
失効していれば有効の証明はされません
失効の申出がされた登記識別情報について有効の証明はされず、失効した旨の証明になります。通知書や提出書面が廃棄されても、それだけで登記識別情報が失効するわけではありません。有効でないと分かったときは、申請の段階で登記識別情報を提供できないものとして、事前通知や本人確認情報の経路を準備します。有効証明は登記識別情報を再発行するものではなく、状態を確かめるだけです。
失効の申出とは向きが逆です
失効の申出は登記識別情報を無効にする手続で、有効証明はその状態を確かめる手続です。どちらも登記名義人とその相続人その他の一般承継人ができ、代理人によることもできます。違いは、失効の申出には手数料がかからず、有効証明には手数料がかかることと、失効は一度すると元に戻せないのに対し、有効証明は何度でも請求できることです。紛失の疑いがあるときは、まず有効証明で状態を見てから失効させるかを決めると、無駄に失効させずに済みます。
電子でも書面でも請求できます
請求は電子情報処理組織を使用する方法でも、請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法でもできます。資格者代理人でない代理人が請求するときは委任状を添え、法人が請求するときは会社法人等番号か代表者の資格を証する情報を提供します。証明は請求の方法に応じて電子的に、または書面で交付されます。手数料は登記事項証明書と同じく収入印紙などで納めます。売買の決済当日に請求して結果を待つと時間がかかるので、実務では数日前に請求しておきます。
不動産登記規則 第68条第1項令第二十二条第一項に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一 請求人の氏名又は名称及び住所
二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名
三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
イ 不動産所在事項又は不動産番号
ロ 登記の目的
ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別
六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示
試験ではこう問われる
- 有効証明を請求できるのは誰か(登記名義人とその相続人その他の一般承継人)
- 請求に何を提供するか(登記識別情報そのもの。書面なら原則として印鑑証明書も。資格者代理人なら不要)
- 失効した登記識別情報について有効の証明はされるか(されない)
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