登録免許税の納付方法(印紙・電子納付)とうろくめんきょぜいののうふほうほう
登録免許税を現金で納めて領収証書を申請書に貼る方法、3万円以下なら印紙を貼る方法、電子申請での電子納付と納付用紙の提出の仕組みです。電子申請で領収証書や印紙を使えるか、取り下げたときの再使用証明がどう働くかが肢で突かれます。
登録免許税の納付は、登記の申請のときに税額を国に納める手続で、登録免許税法21条以下が方法を定めています。原則は現金で納付してその領収証書を申請書に貼る方法で、税額が3万円以下のときは収入印紙を申請書に貼って納めることも可能です。電子申請では、電子納付の方法のほか、申請をした登記所に領収証書や印紙を貼った登録免許税納付用紙を提出する方法も認められています。申請を取り下げたときや却下されたときは、納めた税の還付を受けるか、再使用証明を受けて同じ登記所への別の申請に使えます。肢で突かれるのは、電子申請で紙の納付ができるかと、再使用証明の使い道です。
不動産登記規則 第189条第5項前項の場合において、その申請が電子申請であるときは登録免許税額等を一の申請の申請情報の内容とした旨を他の申請情報の内容とし、その申請が書面申請であるときは登録免許税額等を記載した申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、登記所の定める書類)に登録免許税の領収証書又は登録免許税額相当の印紙をはり付けて他の申請書にはその旨を記録しなければならない。

領収証書を申請書に貼るのが原則で、3万円以下は印紙も可です
登録免許税は、日本銀行や郵便局などで現金で納付し、その領収証書を申請書に貼り付けて提出するのが原則です。税額が3万円以下のときは、登録免許税法22条により現金納付に代えて収入印紙を申請書に貼って納められます。登記実務では3万円を超える場合でも印紙による納付が受け付けられていますが、条文上の原則は現金納付です。共同担保の追加設定のように登録免許税法13条1項で一つの抵当権の設定の登記とみなされる登記を複数の申請情報で申請するときは、不動産登記規則189条5項の定めがあります。書面申請なら税額を記載した一つの申請書に領収証書か印紙を貼って他の申請書にその旨を記載し、電子申請なら一つの申請情報に税額を記載した旨を他の申請情報の内容にする決まりです。
電子申請でも納付用紙を登記所に提出して納められます
電子申請では、登記所から通知される納付情報を使ってインターネットバンキングやATMから電子納付する方法が用意されています。領収証書や印紙を貼り付けた登録免許税納付用紙を電子申請をした登記所に提出する方法も、併せて認められています。「登記の電子申請をした場合においても,登録免許税を納付するときは,当該電子申請をした登記所に,登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によって納付することができる」という肢は正しい肢です。同じ趣旨で「電子申請における登録免許税の納付については、これを現金で納付した上で、当該電子申請をした登記所に、その納付に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によることができる」という肢も正しい肢で、できないとする肢は誤りです。
取り下げたときは還付か再使用証明を選べます
登記の申請を取り下げたときや却下されたときは、納めた登録免許税は目的を失うので、登録免許税法31条により還付を受けられます。書面申請で領収証書や印紙を貼っていたときは、還付の代わりに登記官から再使用証明を受けることができ、同じ登記所に対する1年以内の別の申請に、その領収証書や印紙を使えます。登記実務では、再使用証明を受けた印紙は最初の申請と申請人が違う申請にも使えると扱われています。「当該申請の申請人以外の者を申請人とする甲土地と同一の登記所の管轄区域内にある乙土地の所有権の移転の登記の申請のために,当該印紙を使用することはできない」という肢は誤りです。
再使用証明は重ねて受けられ、差額は還付を受けられます
再使用証明を受けた印紙を使って申請した登記をまた取り下げるときは、その印紙について重ねて再使用証明の申出ができます。「再使用証明を受けた印紙を使用して登記の申請をした場合において,その後,当該登記の申請を取り下げるときは,当該印紙について重ねて再使用したい旨の申出をすることができる」という肢は正しい肢です。再使用した印紙の額が新しい登記の税額より多いときは、登記の完了後に差額の還付を受けられ、「当該登記の完了後にその差額について還付を受けることができる」という肢も正しい肢です。再使用証明を受けた後に使わないことにしたときは、証明を受けた日から1年以内であれば還付の請求が可能です。
納付がなければ却下事由で、補正で足りなければ却下されます
登録免許税を納付しないまま申請すると、不動産登記法25条12号の却下事由になります。税額が不足しているときも同じで、登記官は補正を命じ、期限内に不足分が納められなければ却下します。登記官が課税標準を申請人の記載より高く認定したときは、不動産登記規則189条6項により差額として納付する旨を申請情報に追加して納めます。納付の漏れは申請の形式の瑕疵として扱われ、登記の効力の問題にはなりません。
不動産登記法 第25条第1項第12号登録免許税を納付しないとき。
試験ではこう問われる
- 登録免許税の原則の納付方法は何か(現金納付の領収証書を申請書に貼る。3万円以下は印紙も可)
- 電子申請で領収証書を貼った納付用紙を登記所に提出して納められるか(できる)
- 再使用証明を受けた印紙は申請人が違う申請にも使えるか(使える。同じ登記所・1年以内)
- 再使用証明を受けた印紙で申請した登記をまた取り下げたら重ねて再使用できるか(できる。差額は還付)
- 登録免許税を納付しないとどうなるか(却下事由。補正で足りなければ却下)
この用語が問われた肢
登記の電子申請をした場合においても、登録免許税を納付するときは、当該電子申請をした登記所に、登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によって納付することができる。
電子申請における登録免許税の納付については、これを現金で納付した上で、当該電子申請をした登記所に、その納付に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によることができる。
申請代理人が甲土地の所有権の移転の登記の申請を取り下げて、当該申請の際に納付した印紙の再使用証明を受けた場合には、当該申請代理人は、当該申請の申請人以外の者を申請人とする甲土地と同一の登記所の管轄区域内にある乙土地の所有権の移転の登記の申請のために、当該印紙を使用することはできない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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