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権利消滅の定め(死亡・解散による消滅)けんりしょうめつのさだめ

不動産登記 第6章 変更・更正・抹消 過去問で11肢

登記の目的である権利が権利者の死亡や法人の解散などで消滅する旨の定めで、不動産登記法59条5号の登記事項として付記登記でされます。主登記か付記登記か、定めがあるときの抹消が単独申請になることが肢で突かれます。

権利消滅の定めは、登記の目的である地上権や賃借権、抵当権などの権利が、権利者の死亡や法人の解散などによって消滅する旨の約定です。不動産登記法59条5号により権利に関する登記の登記事項とされています。定めを登記しておけば、権利が消滅したときに不動産登記法69条により登記権利者が単独で抹消を申請でき、相続人や清算人の協力は要りません。定めの登記は不動産登記規則3条7号により付記登記でされ、所有権の移転の登記にも受贈者の死亡で移転が失効する旨の定めが登記実務で認められています。肢では、登記の形式と、定めの有無で抹消の申請人がどう変わるかが突かれるところです。

不動産登記法 第59条第1項第5号

登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め

職員が台帳の一行の脇に砂時計と遺影の絵の付箋を貼り、地主と借り手が契約書を一緒に出す
権利が死亡や解散で消滅する旨の定めは付記登記で記録され、消滅後の抹消は登記権利者の単独申請です
59条5号の登記事項付記登記消滅後は69条で単独抹消買戻特約は別の付記

権利消滅の定めの登記は付記登記です

権利の消滅に関する定めの登記は、既にされた権利の登記と一体として公示する必要があるので、不動産登記規則3条7号により付記登記でされます。「登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記は、主登記によってされる」という肢は誤りです。権利の設定の登記と同時に申請するときはその申請情報に定めを記載し、後から追加するときは権利の変更の登記として申請します。付記登記の順位は主登記の順位によるので、定めを後から加えても権利の順位は変わりません。

定めは設定と同時でも後からでも登記できます

地上権の設定契約で地上権者の死亡により地上権が消滅すると定めたときは、設定の登記の申請情報に定めを記載し、登記原因証明情報の設定契約書にも定めが現れます。設定の後で定めを追加したときは、地上権者を登記義務者、設定者を登記権利者とする権利の変更の登記です。抵当権についても、債務者や抵当権者の死亡で消滅する定めを置くことができ、登記実務では買戻しの特約のように期間の定めと組み合わせる例もあります。定めの内容は申請情報のとおりに記録され、どの事由で消滅するのかが登記記録から読み取れるようになります。消滅の事由を曖昧に書くと登記官が登記事項として扱えないので、死亡や解散のように客観的に確認できる事由で書くのが通常です。

定めがあると消滅後の抹消は単独申請です

定めが登記されている権利が、実際に死亡や解散によって消滅したときは、不動産登記法69条により、登記権利者が単独でその権利の登記の抹消を申請できます。定めが登記されていなければ、同じ事由で権利が消滅しても通常の共同申請で、相続人や清算人を登記義務者として協力を求めるか、判決を得なければなりません。単独申請のときの登記原因証明情報は、死亡を証する戸籍や解散を証する登記事項証明書で、登記識別情報は要りません。定めの有無で申請人の形が変わるので、登記記録の付記を確認してから申請書を組みます。抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円、一の申請で20個を超えるときは2万円で、定めの有無で変わりません。

消滅の定めと似た制度を区別します

買戻しの特約は所有権の移転の登記に付記される定めですが、権利の消滅ではなく買戻権の行使による再移転を予定するもので、不動産登記規則3条10号の別の付記登記です。買戻しの期間が満了したときの抹消は、令和5年4月1日施行の不動産登記法69条の2により契約の日から10年を経過していれば登記権利者の単独申請でできます。抵当権の被担保債権が弁済で消えたときは消滅の定めとは無関係で、通常の共同申請による抹消です。権利の消滅に関する定めは当事者の約定による消滅事由を公示するもので、法律上当然に生じる消滅とは区別して覚えます。定めの文言は登記記録にそのまま載るので、申請書の記載がそのまま公示される形です。権利が人の死亡で消滅する定めは、配偶者居住権のように存続期間が終身とされる権利とも似ていますが、配偶者居住権の存続期間は登記事項として別に記録されます。

不動産登記法 第69条

(死亡又は解散による登記の抹消)
権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。

試験ではこう問われる

  1. 権利消滅の定めの登記の形式(付記登記)
  2. 定めを登記する時期(設定と同時、または後から変更の登記で)
  3. 定めがある権利が消滅したときの抹消(登記権利者の単独申請)
  4. 似た定めとの区別(買戻特約は別の付記登記。10年経過の単独抹消は69条の2)

この用語が問われた肢

R4 問12 ア誤り

登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記は、主登記によってされる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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