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登記原因証明情報が不要な登記とうきげんいんしょうめいじょうほうがふようなとうき

不動産登記 第3章 添付情報と登記原因証明情報 過去問で4肢

権利に関する登記なのに登記原因証明情報の提供を要しない、不動産登記令7条3項に列挙された登記です。所有権保存・買戻特約の10年経過による抹消・仮処分に後れる登記の抹消の3つが柱で、判決や相続の登記には要ります。

登記原因証明情報が不要な登記は、不動産登記法61条が権利に関する登記の全部に登記原因証明情報の提供を求めるなかで、法令に別段の定めがあるとして提供を免除された登記です。不動産登記令7条3項が、買戻しの特約の10年経過による単独抹消、所有権の保存の登記、仮処分の債権者が単独でする処分禁止の登記に後れる登記の抹消を列挙しています。いずれも、証すべき登記原因が存在しないか、登記記録そのものから原因が読める登記です。肢で突かれるのは、この列挙に無い登記を不要に見せかけるすり替えです。

不動産登記法 第61条

(登記原因証明情報の提供)
権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。

登記所の窓口で申請書だけを出す申請人と、契約書を求める札に斜線が入った掲示
所有権保存・買戻特約の10年経過による抹消・仮処分に後れる登記の抹消には登記原因証明情報が要りません
令7条3項の3つ判決による登記は判決書が原因証明情報嘱託でも要る

所有権の保存の登記には原因がないので要りません

所有権の保存の登記は、表題部所有者やその相続人など不動産登記法74条が定める人が最初にする登記で、売買のような登記原因がありません。原因が無いので登記原因証明情報の提供を要せず、申請書の原因欄も空欄です。ただし敷地権付き区分建物について、表題部所有者から所有権を取得した人が74条2項で保存登記を申請する場合は除かれ、取得を証する情報を提供します。

買戻特約の10年経過による単独抹消には要りません

買戻しの期間は10年を超えられないので、契約の日から10年を経過すれば買戻権は消えており、登記権利者が単独で買戻しの特約の登記を抹消できます。抹消の登記原因は登記記録の契約日から明らかなので、「買戻しの特約が付された売買契約の日から 10 年を経過したことにより,Bが単独で当該買戻しの特約の登記の抹消を申請する場合には,登記原因証明情報を提供することを要しない」という肢は正しい肢です。10年経過前に買戻権が消滅した場合の抹消は共同申請で、原因証明情報が要ります。

仮処分に後れる登記の単独抹消にも要りません

処分禁止の仮処分の債権者が債務者を登記義務者とする登記を申請するときは、処分禁止の登記に後れる登記を単独で抹消でき、この抹消には登記原因証明情報が要りません。「当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消の登記を申請する場合には,当該抹消の登記の申請に際して登記原因証明情報の提供を要しない」という肢は正しい肢です。仮処分の決定書の正本を原因証明情報として要求する肢は誤りで、抹消の根拠は登記記録上の処分禁止の登記から読めるからです。

判決による登記や嘱託では判決書などが原因証明情報です

登記手続を命じる確定判決で単独申請するときは、判決書の正本と確定証明書が登記原因証明情報になり、提供が免除されるわけではありません。官公署の嘱託でも同じで、不動産登記令7条2項が嘱託について適用を外しているのは法人の資格証明情報と代理権限証明情報だけです。相続登記では戸籍一式が、合併では登記事項証明書が原因証明情報になり、権利に関する登記で提供を要しないのは、原則として7条3項が列挙する登記です。

不動産登記令 第7条第3項

次に掲げる場合には、第一項第五号ロの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。
一 法第六十九条の二の規定により買戻しの特約に関する登記の抹消を申請する場合
二 所有権の保存の登記を申請する場合(敷地権付き区分建物について法第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記を申請する場合を除く。)
三 法第百十一条第一項の規定により民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(保全仮登記とともにしたものを除く。次号において同じ。)に後れる登記の抹消を申請する場合
四 法第百十一条第二項において準用する同条第一項の規定により処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合
五 法第百十三条の規定により保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合

試験ではこう問われる

  1. 登記原因証明情報の提供を要しない登記は何か(所有権保存、買戻特約の10年経過による抹消、仮処分に後れる登記の抹消)
  2. 敷地権付き区分建物の74条2項の保存登記でも要らないか(要る)
  3. 判決による登記は原因証明情報が不要な登記か(不要ではなく判決書が原因証明情報)
  4. 官公署の嘱託で登記原因証明情報は要るか(要る)

この用語が問われた肢

R6 問16 ウ正しい

売買を原因とするAからBへの所有権の移転の登記と同時にした買戻しの特約の登記がされている甲不動産について、買戻しの特約が付された売買契約の日から 10 年を経過したことにより、Bが単独で当該買戻しの特約の登記の抹消を申請する場合には、登記原因証明情報を提供することを要しない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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