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添付情報の電子化(電子署名)てんぷじょうほうのでんしか

不動産登記 第3章 添付情報と登記原因証明情報 過去問で9肢

電子申請では申請情報に申請人または代理人が電子署名をし、添付情報にはその作成者の電子署名が要ります。誰が電子署名をするのか、電子証明書で何を代えられるかが肢で突かれます。

添付情報の電子化は、電子情報処理組織を使用する電子申請で、申請情報と添付情報を誰の電子署名付きの電子データとして送るかという論点です。不動産登記令12条1項は申請情報に申請人またはその代表者・代理人の電子署名を求め、2項は添付情報に作成者の電子署名を求めています。電子署名には電子証明書を併せて送信し、その電子証明書が会社法人等番号や住所証明情報の代わりになる場面があります。肢で突かれるのは、電子署名をする人のすり替えと、電子証明書で代替できる範囲です。

不動産登記令 第12条

(電子署名)
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

司法書士が端末で申請情報に電子署名し、書類の作成者が別の端末で自分の書類に電子署名する場面
電子申請では申請情報に代理人が、添付情報に作成者が電子署名をします
令12条電子証明書で会社法人等番号に代替署名用電子証明書で住所証明情報に代替

申請情報の電子署名は本人申請なら本人、代理なら代理人です

登記権利者と登記義務者が代理人によらずに共同で電子申請をするときは、双方が申請情報に電子署名をします。「代理人によらず登記権利者と登記義務者とが共同して自ら電子申請をする場合には,登記権利者及び登記義務者の双方が申請情報に電子署名を行わなければならない」という肢は正しい肢です。司法書士に委任したときは代理人が電子署名をすれば足り、「申請人から委任を受けた司法書士が代理人として申請する場合であっても,当該申請人が電子署名を行わなければならない」という肢と、「委任による代理人によってする場合であっても,申請人は,申請情報に電子署名を行わなければならない」という肢は、どちらも誤りです。本人が署名するのは委任状で、委任状は代理権限証明情報として本人の電子署名付きで送ります。

添付情報の電子署名は作成者がします

権利に関する登記の権利に関する登記の添付情報は作成者による電子署名が行われたものでなければならず、第三者が作った書面を代理人が電子データにして自分の電子署名を付けても添付情報になりません。「当該電子申請の添付情報が,当該代理人以外の第三者が作成した書面に記載されているときは,当該書面に記載された情報を電磁的記録に記録したものに,当該代理人が電子署名を行ったものを添付情報として提供して申請することができる」という肢は誤りです。登記実務では、不動産登記令附則5条の特例方式により、登記原因証明情報などを書面のまま登記所に持参・送付する方法が認められています。肢はこの特例を考慮しない前提で作られることが多いので、問題文の注記が読み落とせない条件です。

法人の電子証明書は会社法人等番号の代わりになります

法人の代表者が申請情報に電子署名をし、電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を提供したときは、その電子証明書の提供で会社法人等番号の提供に代えられます。「当該電子証明書の提供をもって,当該法人の会社法人等番号の提供に代えることができる」という肢は正しい肢として繰り返し出ています。電子証明書に法人を特定する情報が含まれ、登記官が法人登記を確認できるからです。

署名用電子証明書は住所証明情報の代わりになります

自然人がマイナンバーカードの署名用電子証明書を提供して申請情報に電子署名をしたときは、その電子証明書の提供で現在の住所を証する情報の提供に代えられます。「当該署名用電子証明書の提供をもって,当該登記権利者の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる」という肢は正しい肢で、不動産登記規則44条が根拠です。電子証明書には現在の住所が記録されているので、住民票の写しを重ねて出す必要がありません。

官公署の電子嘱託にも電子証明書が要り、補正にも電子署名が要ります

官公署が電子情報処理組織を使用して嘱託するときも、官公署が作成した電子証明書で電子署名をした者を確認できるものを送信します。「官庁又は公署が作成した電子証明書であって,登記官が電子署名を行った者を確認することができるものの送信をすることを要しない」という肢は誤りです。申請情報に誤りがあって補正するときは、補正情報を作成して電子署名をし、電子証明書と併せて送信するので、「申請人は,補正情報を作成した上でこれに電子署名し,当該申請人の電子証明書とともに送信しなければならない」という肢は正しい肢です。

不動産登記規則 第44条

(住所証明情報の省略等)
電子申請の申請人がその者の前条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる。
電子申請の申請人がその者の前条第一項第二号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができる。
前項の規定は、同項の電子証明書によって登記官が確認することができる代理権限を証する情報について準用する。

試験ではこう問われる

  1. 代理人による電子申請で申請人本人の電子署名は要るか(要らない。代理人が署名する)
  2. 権利に関する登記で、権利に関する登記で、第三者が作成した書面を代理人が電子化して電子署名すれば添付情報になるか(ならない)
  3. 法人の電子証明書で会社法人等番号の提供に代えられるか(代えられる)
  4. 署名用電子証明書で住所証明情報の提供に代えられるか(代えられる)
  5. 官公署の電子嘱託に電子証明書の送信は要るか(要る)

この用語が問われた肢

R8 問12 ア誤り

所有権の移転の登記の電子申請をする場合における申請情報には、申請人から委任を受けた司法書士が代理人として申請する場合であっても、当該申請人が電子署名を行わなければならない。

R5 問13 ア誤り

自然人が申請人である所有権の移転の登記の電子申請を、委任による代理人によってする場合であっても、申請人は、申請情報に電子署名を行わなければならない。

R5 問13 ウ誤り

委任による代理人によって権利に関する登記の電子申請をする場合において、当該電子申請の添付情報が、当該代理人以外の第三者が作成した書面に記載されているときは、当該書面に記載された情報を電磁的記録に記録したものに、当該代理人が電子署名を行ったものを添付情報として提供して申請することができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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