社外取締役・社外監査役の登記しゃがいとりしまりやくしゃがいかんさやくのとうき
社外取締役である旨や社外監査役である旨が登記事項になるのは、会社法911条3項が定める機関設計の会社に限られます。どの会社で登記するか、社外性を証する書面が要るか、機関設計の廃止で抹消を申請するかが肢で突かれます。
社外取締役・社外監査役の登記は、会社法2条15号と16号の社外性を満たす役員について「社外取締役である旨」「社外監査役である旨」を登記することです。社外取締役である旨は、会社法911条3項21号の特別取締役の議決の定めがある会社、22号の監査等委員会設置会社、23号の指名委員会等設置会社で登記事項になります。社外監査役である旨は18号の監査役会設置会社で登記事項です。上の4つに当たらない機関設計の会社では、社外性を備えていても登記しません。肢で突かれるのは、どの会社で登記するか、社外性を証する書面の要否、そして機関設計を変えたときの登記です。
会社法 第911条第3項第18号監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨

社外の旨を登記する会社は機関設計で決まります
社外取締役である旨は、特別取締役による議決の定めがある会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社の3つで登記します。社外監査役である旨は監査役会設置会社だけで登記します。「設立しようとする会社が監査等委員会設置会社である会社の場合において,監査等委員ではない設立時取締役が社外取締役であるときは,設立の登記の申請書には,登記すべき事項として当該設立時取締役が社外取締役である旨を記載しなければならない」という肢は正しい肢です。監査等委員会設置会社では監査等委員である取締役だけでなく、それ以外の取締役についても社外である旨を登記します。平成27年5月1日施行の会社法改正の前は責任限定契約の定款の定めがある会社でも社外の旨を登記しましたが、現在はこの場合の登記はありません。
社外性を証する書面は添付しません
社外取締役や社外監査役の就任の登記に添付するのは、通常の就任の登記と同じ議事録・株主リスト・就任承諾書と、再任でなければ本人確認証明書です。「委員会設置会社が社外取締役の就任による変更の登記の申請をする場合には,当該社外取締役が社外取締役であることを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。社外性の要件は過去10年の業務執行への関与など登記官が書面で確かめようのない事実なので、会社の申請を信頼して登記する仕組みです。社外性を失ったときは、社外である旨の抹消を会社が申請します。
機関設計の設定や廃止と同時に社外の旨の登記をします
監査役会設置会社でなかった会社が監査役会を置くと、社外監査役である旨が新たに登記事項になります。指名委員会等設置会社になるときも同じ扱いを受けます。「取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに指名委員会等設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて社外取締役である取締役につき、社外取締役である旨の登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。反対に監査役会を廃止すると社外監査役である旨は登記事項でなくなり、「監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合において、当該定めの廃止の登記を申請するときは、当該申請と同時に、社外監査役である旨の登記がされている監査役について、社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。職権で抹消されるのではなく、会社の申請による抹消です。
選任決議が覆ると社外の旨の登記は職権で抹消されます
商業登記規則67条1項は、取締役の選任決議の不存在・無効・取消しや判決による解任の登記をした場面を扱います。抹消された取締役が社外取締役なら、社外取締役に関する登記にも登記官が抹消する記号を記録します。同条2項は社外監査役について同じ扱いを準用する規定です。会社が申請する抹消と、裁判に伴う嘱託の登記で登記官が職権で行う抹消を区別して覚えます。
商業登記規則 第67条(代表取締役等の登記)
取締役の選任の決議の不存在、無効若しくは取消し又は判決による解任の登記をした場合において、その取締役が代表取締役、特別取締役、委員又は社外取締役であるときは、当該代表取締役、特別取締役、委員又は社外取締役に関する登記を抹消する記号をも記録しなければならない。
前項の規定は、監査役の選任の決議の不存在、無効若しくは取消し又は判決による解任の登記をした場合において、その監査役が社外監査役であるときにおける当該社外監査役に関する登記について準用する。
第一項の規定は、執行役の選任の決議の不存在、無効若しくは取消し又は判決による解任の登記をした場合において、その執行役が代表執行役であるときにおける当該代表執行役に関する登記について準用する。
試験ではこう問われる
- 社外取締役である旨をどの機関設計の会社で登記するかを問う肢(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社・特別取締役)
- 社外取締役や社外監査役であることを証する書面を添付させる肢
- 監査役会や委員会の設定・廃止のときに社外の旨の登記や抹消を同時に申請するかを問う肢
- 選任決議が覆ったときに社外の旨の登記が職権で抹消されるかを問う肢
この用語が問われた肢
設立しようとする会社が監査等委員会設置会社である会社の場合において,監査等委員ではない設立時取締役が社外取締役であるときは,設立の登記の申請書には,登記すべき事項として当該設立時取締役が社外取締役である旨を記載しなければならない。
取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに指名委員会等設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて社外取締役である取締役につき、社外取締役である旨の登記の申請をしなければならない。
監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合において、当該定めの廃止の登記を申請するときは、当該申請と同時に、社外監査役である旨の登記がされている監査役について、社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
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