理事・監事・代表理事りじかんじだいひょうりじ
一般社団法人・一般財団法人の業務執行と監査を担う役員と、法人を代表する理事です。就任・辞任の添付書面、印鑑証明書の要否、理事会議事録の署名者が肢で突かれます。
理事・監事・代表理事は、一般社団法人と一般財団法人の役員です。理事会を置かない一般社団法人では理事が業務を執行し、別に代表理事を定めなければ各理事が代表します。理事会設置法人では理事会が代表理事を選定し、代表理事と理事会が選定した業務執行理事が業務を執行する仕組みです。監事は理事の職務執行を監査し、一般財団法人と理事会設置一般社団法人では必置で、役員の変更の登記は株式会社の役員と同じ型です。肢で突かれるのは、添付書面の要否の区別と、社員総会や理事会の決議の型です。
商業登記法 第54条(取締役等の変更の登記)
取締役、監査役、代表取締役又は特別取締役(監査等委員会設置会社にあつては監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役、代表取締役又は特別取締役、指名委員会等設置会社にあつては取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役)の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
会計参与又は会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
一 就任を承諾したことを証する書面
二 これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
三 これらの者が法人でないときは、会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
会計参与又は会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。
第一項又は第二項に規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。

代表理事の就任承諾書には印鑑証明書が要ります
理事会設置一般社団法人で新たに代表理事が就任したときは、就任承諾書に押した印鑑の印鑑証明書を添付します。「理事会設置一般社団法人における新たな代表理事の就任による変更の登記の申請書には,代表理事の就任承諾書の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢として出ています。理事会を置かない一般社団法人では理事の就任承諾書が対象で、再任なら要りません。印鑑証明書を付けない理事と監事の就任には本人確認証明書を添付し、再任のときは要りません。理事の任期は選任後2年以内、監事は4年以内に終了する事業年度に関する定時社員総会(一般財団法人では定時評議員会)の終結時までです。定款で短縮はできても伸長はできず、監事の短縮は選任後2年以内に終了する事業年度の定時総会の終結時までが限度です。
登記所に印鑑を提出した代表理事の辞任届には印鑑証明書が要ります
登記所に印鑑を提出している代表理事が辞任するときは、辞任届に押した印鑑が届出印と同じ場合を除いて、辞任届の印鑑について印鑑証明書を添付します。「当該代表理事が辞任したことを証する書面に押印した印鑑と登記所に提出している印鑑とが同一である場合を除き、当該代表理事が辞任したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。令和3年2月15日の押印見直し後も、代表者の辞任届の印鑑証明書は残った規定です。監事や代表権のない理事の辞任届には印鑑証明書は要りません。
理事会議事録の署名者を定款で限定したときは定款を添付します
代表理事を理事会で選定したときは理事会議事録を添付し、出席した理事と監事が議事録に押した印鑑の印鑑証明書を添付しますが、変更前の代表理事が届出印を押していれば要りません。定款で議事録に署名または記名押印する者を出席した代表理事に限る旨を定めているときは、他の理事が押印していなくてよい根拠として定款を添付します。「代表理事を選定する理事会に出席した代表権を有しない理事が当該理事会の議事録に署名又は押印していないときは、代表理事の変更の登記の申請書には、当該定款を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。初めて就任した監事の旧氏の記録を申し出ることもでき、「当該監事の旧氏である「司法」も登記簿に記録するよう申し出ることができる」という肢は正しい肢です。
理事の解任は普通決議で、書面同意によるみなし決議も使えます
一般社団法人の理事の解任は社員総会の普通決議で足り、監事の解任だけが特別決議になります。「総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって理事を解任する決議をしたとする社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。社員全員が書面または電磁的記録で同意すれば社員総会の決議があったものとみなされ、その内容を記載した議事録を添付して登記できます。「当該提案を可決する旨の決議があったものとみなされた事項の内容が記載された社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。
医療法人など他の法人では資格を証する書面が問われます
一般社団法人・一般財団法人以外の法人でも役員の登記の型は同じですが、資格の制限がある法人では資格を証する書面が加わります。医療法人の理事長は原則として医師または歯科医師でなければならず、重任の登記でも医師であることを証する書面を添付します。「当該理事長の重任による変更の登記の申請書には,当該理事長が医師であることを証する書面を添付することを要しない」という肢は誤りです。一般社団法人の理事には医師のような資格の制限はなく、社員でない者も理事になれますが、法人や一定の刑に処せられた者などの欠格事由はあります。
商業登記規則 第61条(添付書面)
定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。
一 株主 株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数
二 種類株主 当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数
登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。
一 十名
二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数
設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。
取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。
資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
試験ではこう問われる
- 理事会設置一般社団法人の代表理事の就任承諾書に印鑑証明書は要るか(要る)
- 印鑑を提出した代表理事の辞任届に印鑑証明書は要るか(要る。届出印と同じなら不要)
- 理事会議事録の署名者を代表理事に限る定款があるとき何を添付するか(定款)
- 一般社団法人の理事の解任は何決議か(普通決議。監事の解任は特別決議)
- 医療法人の理事長の重任に医師であることを証する書面は要るか(要る)
この用語が問われた肢
登記所に印鑑を提出している代表理事が代表理事を辞任した場合における代表理事の変更の登記の申請書には、当該代表理事が辞任したことを証する書面に押印した印鑑と登記所に提出している印鑑とが同一である場合を除き、当該代表理事が辞任したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
理事会の議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を理事会に出席した代表理事とする旨の定款の定めがある場合において、代表理事を選定する理事会に出席した代表権を有しない理事が当該理事会の議事録に署名又は押印していないときは、代表理事の変更の登記の申請書には、当該定款を添付しなければならない。
監事設置一般社団法人において、初めて監事に就任した「法務太郎」が婚姻前の氏「司法」から婚姻により「法務」を称することになったものであるときは、当該一般社団法人の代表者は、当該監事の旧氏である「司法」も登記簿に記録するよう申し出ることができる。
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