司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

社員総会・評議員会しゃいんそうかいひょうぎいんかい

商業登記 第13章 一般社団・財団法人と特例有限会社 過去問で10肢

一般社団法人の最高機関である社員総会と、一般財団法人でそれに当たる評議員会です。特別決議の要件、添付する議事録、株主リストがないことが肢で突かれます。

社員総会・評議員会は、一般社団法人では社員で構成される社員総会が、一般財団法人では評議員で構成される評議員会が、定款の変更や役員の選任などの基本事項を決める機関です。普通決議は総社員の議決権の過半数を有する社員が出席してその過半数で、特別決議は総社員の半数以上であって総社員の議決権の3分の2以上の多数で決めます。評議員会の特別決議も議決権を行使できる評議員の3分の2以上です。登記には議事録を添付しますが、株式会社の株主リストに当たる書面はありません。肢で突かれるのは、決議要件の数字、議事録が要らない登記、みなし決議の扱いです。

商業登記法 第46条

(添付書面の通則)
登記すべき事項につき株主全員若しくは種類株主全員の同意又はある取締役若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)又は第三百七十条(同法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議があつたものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
監査等委員会設置会社における登記すべき事項につき、会社法第三百九十九条の十三第五項又は第六項の取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。
指名委員会等設置会社における登記すべき事項につき、会社法第四百十六条第四項の取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。

長机の社員たちが挙手し議長が数える。隣の部屋で評議員たちも挙手し、職員が議事録を受け取る
社員総会と評議員会の特別決議は半数以上かつ3分の2以上で、株主リストに当たる書面はありません
特別決議は半数以上かつ2/3以上理事の解任は普通決議公益認定の名称変更に議事録不要解散法人は存続合併不可

特別決議は総社員の半数以上かつ議決権の3分の2以上です

定款の変更、事業の全部の譲渡、解散、合併契約の承認などの特別決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数で決めます。名称の変更も定款の変更なので同じ要件で、「総社員の半数以上であって、総社員の議決権の 4 分の 3 以上に当たる多数をもって可決された社員総会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。休眠一般社団法人の継続も特別決議で、「総社員の半数以上であって,総社員の議決権の 3 分の 2 以上に当たる多数をもって決議した社員総会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。定款でこの要件を加重することはできますが、緩めることはできません。評議員会の特別決議は議決権を行使できる評議員の3分の2以上で、定款で加重できる点は同じです。

理事の解任は普通決議で、全員の書面同意でみなし決議になります

理事の選任と解任は普通決議で足り、特別決議が要るのは監事の解任に限られます。「出席した当該社員の議決権の過半数をもって理事を解任する決議をしたとする社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。社員が提案した事項に社員全員が書面または電磁的記録で同意すれば決議があったものとみなされ、「決議があったものとみなされた事項の内容が記載された社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。みなし決議のときは議事録に代えてその場合に該当することを証する書面を添付します。

公益認定による名称変更には議事録ではなく認定書を添付します

一般財団法人が公益認定を受けると、名称中の一般財団法人の文字を公益財団法人に変更する定款の変更をしたものとみなされます。評議員会の決議は要らないので、「当該一般財団法人の名称の変更を決議した評議員会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。添付するのは公益認定を受けたことを証する行政庁の書面です。貸借対照表の電磁的開示のためのアドレスを登記するときも決議の議事録は要らず、「当該事項について決議した社員総会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。

解散した法人は存続法人としての合併を決められません

解散した一般社団法人や一般財団法人は、清算の目的の範囲でしか行為できず、存続法人となる合併はできません。「社員総会の決議により解散した一般社団法人を合併後存続する一般社団法人とする合併による変更の登記の申請は,することができる」という肢は誤りです。評議員会で清算人を選任した一般財団法人の解散と清算人の登記には定款の添付が要り、「定款を添付することを要しない」という肢は誤りです。一般社団法人の継続は社員総会の特別決議によりますが、定款で定めた解散事由で解散した一般財団法人には継続の制度がありません。

商業登記規則 第61条

(添付書面)
定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。
一 株主 株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数
二 種類株主 当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数
登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。
一 十名
二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数
設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。
取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。
資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 一般社団法人の特別決議の要件は何か(総社員の半数以上かつ議決権の3分の2以上)
  2. 理事の解任は何決議か(普通決議)
  3. 公益認定による名称変更の登記に評議員会議事録は要るか(要らない。認定を証する書面を添付)
  4. 一般社団法人の登記に株主リストに当たる書面はあるか(ない)

この用語が問われた肢

R7 問35 ウ誤り

名称変更の登記の申請をする場合には、当該名称変更が、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の 4 分の 3 以上に当たる多数をもって可決された社員総会の議事録を添付しなければならない。

R8 問33 ウ正しい

休眠一般社団法人が、解散したものとみなされた後 3 年以内に一般社団法人を継続する場合には、継続の登記の申請書には、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の 3 分の 2 以上に当たる多数をもって決議した社員総会の議事録を添付しなければならない。

R5 問35 オ誤り

理事の変更の登記の申請書に、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって理事を解任する決議をしたとする社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない。

R5 問35 エ誤り

社員が社員総会の目的である事項として理事の選任について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、理事の変更の登記の申請書に、当該提案を可決する旨の決議があったものとみなされた事項の内容が記載された社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

商業登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

一般社団・財団法人と特例有限会社

一般社団法人

人の集まりを基礎にして、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律により設立される非営利の法人です。設立の要件と添付...
一般社団・財団法人と特例有限会社

一般財団法人

設立者が拠出した財産を基礎にして設立される非営利の法人で、評議員・評議員会・理事・理事会・監事が必置です。財産の拠...
一般社団・財団法人と特例有限会社

理事・監事・代表理事

一般社団法人・一般財団法人の業務執行と監査を担う役員と、法人を代表する理事です。就任・辞任の添付書面、印鑑証明書の...
商業登記の骨格と申請書

株主総会議事録

株主総会の議事について法務省令の定めに従って作成する記録で、株主総会の決議を要する登記事項の添付書面です。決議機関...
一般社団・財団法人と特例有限会社

公益社団・財団法人の認定

一般社団法人・一般財団法人が行政庁の公益認定を受けて公益社団法人・公益財団法人になる制度です。別の法人になるのでは...