公益社団・財団法人の認定こうえきしゃだんざいだんほうじんのにんてい
一般社団法人・一般財団法人が行政庁の公益認定を受けて公益社団法人・公益財団法人になる制度です。別の法人になるのではなく名称の変更の登記で処理し、取消しの登記が嘱託であることが肢で突かれます。
公益社団・財団法人の認定は、一般社団法人または一般財団法人が公益目的事業を主な目的とするなどの基準を満たすと、行政庁に認定される制度です。行政庁は内閣総理大臣または都道府県知事です。平成20年12月1日に施行された公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律が根拠で、認定を受けた法人は名称中に公益社団法人または公益財団法人という文字を使います。認定は法人格に影響せず、同じ法人が名称を変えて続くので、登記は名称の変更の登記です。肢で突かれるのは、設立や解散の登記ではないこと、添付書面が議事録ではなく認定書であること、取消しの登記の申請人です。
商業登記法 第46条(添付書面の通則)
登記すべき事項につき株主全員若しくは種類株主全員の同意又はある取締役若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)又は第三百七十条(同法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議があつたものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
監査等委員会設置会社における登記すべき事項につき、会社法第三百九十九条の十三第五項又は第六項の取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。
指名委員会等設置会社における登記すべき事項につき、会社法第四百十六条第四項の取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。

認定を受けても法人は同じで、名称の変更の登記をします
公益認定を受けた一般社団法人は、名称中の一般社団法人という文字を公益社団法人に変更する定款の変更をしたものとみなされ、同じ法人として続きます。登記は名称の変更の登記で、「公益認定を受けた一般社団法人は、公益社団法人についての設立の登記及び一般社団法人についての解散の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。名称の変更は認定の日から2週間以内に主たる事務所の所在地で申請します。公益法人も一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の法人なので、機関や登記の仕組みは認定の前後で変わりません。
添付書面は認定を証する書面で、議事録は要りません
名称の変更は法律上みなされる定款の変更なので、社員総会や評議員会の決議は要りません。「名称の変更の登記の申請書には,当該一般財団法人の名称の変更を決議した評議員会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。添付するのは行政庁の公益認定を受けたことを証する書面です。公益認定を受けた法人が公益目的事業以外の名称の変更をするときは通常の定款変更なので、特別決議の議事録を添付します。
認定の取消しによる名称変更の登記は行政庁の嘱託です
公益認定が取り消されると、名称中の公益社団法人の文字を一般社団法人に変更する定款の変更をしたものとみなされます。取消しによる名称の変更の登記は法人が申請するのではなく、行政庁が登記所に嘱託します。「当該公益社団法人は,遅滞なく,当該公益社団法人の主たる事務所及び従たる事務所を管轄する登記所に当該公益社団法人の名称の変更の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。令和4年9月1日からは従たる事務所の所在地での登記の制度自体がなくなり、登記は主たる事務所の所在地だけです。
認定基準は公益目的事業が主目的であることが柱です
公益認定の基準は、公益目的事業を行うことを主な目的とすることと、公益目的事業の比率が50パーセント以上であることが柱です。収支については令和7年4月1日以降に始まる事業年度から中期的な収支の均衡が求められ、剰余が出ても一定期間内に解消すればよく、使途の定まらない財産の保有にも上限があります。理事や監事の構成にも制限があり、同一の親族が理事の3分の1を超えてはならず、認定を受けた法人は税制上の優遇を受ける代わりに公益目的事業財産を公益目的に使い続ける義務を負います。登記の試験では認定の基準そのものより、認定と取消しが登記にどう現れるかが論点です。認定を受けた法人は、解散したときの残余財産を類似の公益法人や国などに帰属させる旨を定款に定めます。認定が取り消されたときは公益目的取得財産の残額に相当する財産を同様の相手に贈与するので、清算や取消しの場面でも認定の効果が残ります。
会社法 第331条(取締役の資格等)
次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条第一項第一号から第四号の二まで、第五号若しくは第六号若しくは第二項、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。
監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。
取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。
監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。
試験ではこう問われる
- 公益認定を受けた一般社団法人はどんな登記をするか(名称の変更の登記。設立や解散ではない)
- 公益認定による名称変更の登記に議事録は要るか(要らない。認定を証する書面)
- 認定の取消しによる名称変更の登記は誰がするか(行政庁の嘱託)
- 公益法人は一般法人と別の法人か(同じ法人。認定で名称が変わる)
この用語が問われた肢
公益認定を受けた一般社団法人は、公益社団法人についての設立の登記及び一般社団法人についての解散の登記を申請しなければならない。
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