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本店移転の決議機関(定款変更の要否)ほんてんいてんのけつぎきかん

商業登記 第10章 本店・商号・目的の変更 過去問で6肢

本店を移すときに、株主総会の定款変更が要るか、取締役会の決議だけで足りるかを、定款の本店所在地の定め方で分ける考え方です。どの機関の議事録を添付するかと、持分会社で社員が法人のときの同意の形で肢が作られます。

本店移転の決議機関は、本店移転に株主総会の決議が要るのか、取締役会の決議で足りるのかという区分で、定款に本店の所在地をどこまで書いているかで決まります。定款の本店所在地は最小行政区画まで定めれば足り、その範囲内の移転は定款変更に当たらないので業務執行の決定として取締役会で決めます。範囲の外へ出る移転や、定款に番地まで書いてある会社の移転は、株主総会の特別決議による定款変更が先に要ります。肢で突かれるのは、どの決議の議事録を添付するかと、株主総会が具体的な場所まで決めたときの扱いです。

会社法 第27条第1項第3号

本店の所在地

地図の上に区の境界線が引かれ、内側で取締役だけが円卓で看板の移動先を指し、外側では株主の長机が開かれて手が挙がる
本店移転の決議機関は定款の本店所在地の定め方で決まり、範囲内なら取締役会、範囲外なら株主総会と取締役会です
最小行政区画の中は取締役会番地まで定めた定款は常に定款変更株主総会が場所まで決めれば取締役会不要法人社員の同意は法人自身

定款の最小行政区画の中なら取締役会、外なら株主総会と取締役会です

定款に「当会社は、本店を東京都千代田区に置く」とだけ定めた会社が千代田区内で移転するときは、定款変更は要らず、取締役会が移転先の所在場所と移転の時期を決めます。千代田区の外へ移すときは、株主総会の特別決議で定款の本店所在地を変更し、具体的な所在場所と時期は取締役会が決めます。取締役会設置会社でない会社では、取締役会の決議の代わりに取締役の過半数の一致です。定款に番地まで書いてある会社は、同じ区の中の移転でも定款変更から始めます。

株主総会が場所まで決めても取締役会議事録を添付するのが原則です

取締役会設置会社では、具体的な所在場所と移転の時期の決定は業務執行の決定なので、定款変更の株主総会がそこまで決議していても、取締役会の決議をして議事録を添付するのが原則です。取締役会設置会社でない会社で添付するのは取締役の過半数の一致を証する書面で、株主総会が所在場所まで決めていればその議事録だけで十分です。申請書に添付する議事録は、決議の内容に合わせて株主総会議事録と株主リストだけ、取締役会議事録だけ、または両方のどれかになります。定款の定め方が分からなければ議事録の組合せも決まらないので、肢を読むときは定款の記載を最初に確かめます。

移転の日は決議と現実の移転の先後で決まります

取締役会が定めた移転日に現実に移転すればその日が移転日で、登記実務では、定めた日より早く移転していれば定めた日、遅く移転すれば現実の移転の日と扱われています。定款変更を伴う移転では、定款変更の効力発生前に移転することはできないので、株主総会の決議の日より前の日を移転日にはできません。定款変更不要の移転で現実に移転した後に取締役会が承認したときは、承認の日が移転日です。登記期間はこうして決まった移転日から2週間です。

持分会社は総社員の同意で変え、法人社員の同意は法人自身がします

持分会社の定款変更は、定款に別段の定めがない限り総社員の同意によります。社員が法人であるときの同意は、その法人の代表者がする法人自身の意思表示で、業務執行社員の職務を行う者として選任された職務執行者の意思表示では足りません。「唯一の社員が法人である合同会社が定款を変更して他の登記所の管轄区域内への本店移転をした場合における当該本店移転の登記の申請書には、当該法人の同意があったことを証する書面として、当該法人の選任した職務執行者の意思表示に係る書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。具体的な所在場所は業務執行社員の過半数で決め、業務執行社員が法人なら職務執行者が決定に加わります。

会社法 第466条

株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。

試験ではこう問われる

  1. 定款の最小行政区画の範囲内の本店移転に株主総会決議は要るか(要らない。取締役会で決める)
  2. 定款に番地まで書いてある会社が同じ区内で移転するとき定款変更は要るか(要る)
  3. 株主総会が具体的な所在場所まで決めたとき取締役会議事録は要るか(取締役会設置会社では添付するのが原則。非設置会社なら不要)
  4. 定款変更を伴う移転で株主総会決議より前の日を移転日にできるか(できない)
  5. 法人社員の同意を職務執行者の意思表示で証明できるか(できない。法人自身の意思表示)

この用語が問われた肢

R8 問30 エ誤り

唯一の社員が法人である合同会社が定款を変更して他の登記所の管轄区域内への本店移転をした場合における当該本店移転の登記の申請書には、当該法人の同意があったことを証する書面として、当該法人の選任した職務執行者の意思表示に係る書面を添付しなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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