払込期日・払込期間はらいこみきじつはらいこみきかん
募集株式と引換えにする金銭の払込みまたは現物出資財産の給付をする期日、またはその期間で、募集事項の一つです。引受人が株主になる日と登記期間の起算日がここで決まるので、期日か期間かの違いが肢になります。
払込期日・払込期間は、募集株式と引換えにする金銭の払込みまたは現物出資財産の給付をすべき期日、またはその期間です。会社法199条1項4号の募集事項で、期日を定めれば引受人はその期日に、期間を定めれば出資の履行をした日に株主になります。株主になる日が発行済株式の総数と資本金の額の変更日になるので、登記期間の起算日もここから決まります。肢は、期日と期間のどちらを定めたかで登記の時期と記載が変わる点を突く形です。
会社法 第199条第1項第4号募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間

期日ならその日に、期間なら履行した日に株主になります
払込期日を定めた場合、引受人は期日に出資の履行をした募集株式の株主になります。払込期間を定めた場合は、期間内に出資の履行をした日に株主になるので、引受人ごとに株主になる日が異なることがあります。期日より前に払い込んでも株主になる日は期日のままですが、登記の申請はできます。「募集株式と引換えにする金銭の払込みが当該払込みの期日に先立ってされたことが明らかなときであっても,募集株式の発行による変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。株主総会の開催日を払込期日とし、同じ日のうちに総数引受契約の承認と締結と払込みを済ませた場合も登記できます。
払込期間を定めたときは末日現在で末日から2週間以内に申請します
変更の登記は原則として変更から2週間以内ですが、払込期間を定めた場合は期間の末日現在により、末日から2週間以内にすれば足ります。全員が初日に払い込んでも起算日は末日で、「募集株式の発行による変更の登記の申請は,当該払込期間の末日から 2 週間以内にすれば足りる」という肢は正しい肢です。末日を待たずに申請することもでき、期間中に全員の履行が終われば満了前でも申請できます。末日までに履行をしなかった引受人は失権するので、末日後の申請は履行のあった分の数で登記します。末日前に申請するときは出資の履行をした日ごとに株主が増えているので、登記実務では払込みのあった日ごとの発行済株式の総数と資本金の額を登記すべき事項に書く扱いです。「各々の払込みごとの発行済株式の総数及び資本金の額を記載することを要しない」という肢は誤りです。
期日を延期するには取締役会の決議と申込者全員の同意が要ります
いったん定めた払込期日を経過前に延期することは、募集事項の変更に当たります。登記実務では、取締役会で定めた期日なら延期を決議した取締役会議事録のほかに、決議前に申込みをした者全員が延期に同意したことを証する書面を添付します。「払込期日の延期を決議した取締役会の議事録及び当該決議前に募集株式の引受けの申込みをした者全員が当該延期につき同意したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。申込者は元の期日を前提に申し込んでいるので、会社だけの判断で期日を動かせない仕組みです。期日を経過した後に延期することはできず、改めて募集事項を定め直すことになります。
委任に基づく発行は期日が委任の決議から1年以内に限られます
株主総会が募集事項の決定を取締役会に委任した場合、その決議は払込期日または払込期間の末日が決議の日から1年以内の募集についてだけ効力を持ちます。取締役会の決定が1年以内でも、期日や末日が1年を越えていれば委任の効力は及びません。「その決定の日が当該委任の決議の日から1年以内であるときは,払込期日又は払込期間の末日が当該委任の決議の日から1年を経過しているときであっても,募集株式の発行による変更の登記の申請をすることができる」という肢は誤りです。
会社法 第915条第2項前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。
試験ではこう問われる
- 払込期日より前に払い込まれたことが書面から明らかなとき登記できるか(できる)
- 払込期間を定めたとき登記期間はいつから起算するか(期間の末日。満了前でも全員の履行が終われば申請できる)
- 払込期間の末日前に申請するとき払込みごとの数を登記すべき事項に書くか(書く扱い)
- 払込期日の延期に申込者全員の同意書は要るか(要る)
- 委任の決議から1年を超える払込期日を定めた募集を登記できるか(できない)
この用語が問われた肢
取締役会設置会社でない会社が,株主総会の決議によって,株主総会の開催日を募集株式と引換えにする金銭の払込期日として募集事項を決定した上で総数引受契約を承認した場合において,当該承認後,当該株主総会の開催日当日中に,当該契約の締結及び募集株式と引換えにする金銭の全額の払込みが行われたときは,募集株式の発行による変更の登記を申請することができる。
募集株式と引換えにする金銭の払込期間を定めて募集株式を発行する場合において,株式引受人全員が当該払込期間の初日にその金銭の全額の払込みをしたとしても,募集株式の発行による変更の登記の申請は,当該払込期間の末日から 2 週間以内にすれば足りる。
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