司法書士試験AIブートラボ 司法書士試験AIブートラボ

創立総会そうりつそうかい

会社法・商法 第2章 設立 過去問で2肢

創立総会とは、募集設立において、発起人と設立時募集株式の引受人からなる設立時株主が集まって開く、設立中の会社の意思決定機関です(会社法65条)。設立時取締役の選任や定款の変更、設立の廃止などを決議し、発起設立では開かれません。

募集設立では、発起人のほかに募集に応じた人たちも出資しています。その人たちは定款を作る場にはいなかったので、会社ができる前に一度集まって、設立の手続が正しく進んだかの報告を受け、取締役を選び、必要なら定款を直す機会が要ります。この集まりが創立総会です。株主総会の設立版だと考えればよく、決議の要件は株主総会の特別決議よりも重くなっています。発起人だけで作る発起設立では、発起人全員が最初から関わっているので創立総会は開きません。

会議室の場面。先生が議長役(札「発起人・議長」)で演台に立ち、席に男性たち(札「設立時株主:発起人と設立時募集株式の引受人」)が座っている。演台の横の掲示板に議題「1 設立時取締役の選任 2 設立の手続の調査の報告 3 定款の変更」。掲示板

創立総会は募集設立だけで開かれ、設立時取締役は創立総会の決議で選任します

募集設立では、発起人は、払込期日又は払込期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主の総会である創立総会を招集しなければなりません(65条1項)。発起設立には創立総会はありません。新設分割によって設立される会社にも、設立に関する規定が原則として適用されないので(814条1項)、創立総会はありません。募集設立では、設立時取締役・設立時会計参与・設立時監査役・設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければなりません(88条1項)。発起設立で発起人が選任するのとは違います。指名委員会等設置会社の設立時執行役は、創立総会ではなく設立時取締役が選任します(48条1項2号)。設立時取締役は、設立の手続を調査してその結果を創立総会に報告します(93条)。違反がないと認めた場合も報告は要るので、「設立時取締役は、その選任後遅滞なく自ら行った調査により株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないものと認めた場合であっても、その調査結果を創立総会に報告しなければならない」という肢(R8 問27 エ)は正しいです。

教室の場面。先生が教壇に立ち、黒板を左右に割る。左の見出し「発起設立」の下に、発起人3人の絵と「発起人の議決権の過半数で設立時取締役を選任(40条1項)」、創立総会の文字に黒の×印。右の見出し「募集設立」の下に、会議室の絵と深紅の文字「創立

決議は、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上で行います

創立総会の決議は、その創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行います(73条1項)。株主総会の特別決議(出席した株主の議決権の3分の2以上)に、議決権全体の過半数という要件を上乗せした形です。設立の段階では会社の基礎を固める決定ばかりなので、重くしてあります。議決権の3分の2を有する設立時株主が出席し、その3分の2の賛成で可決しても、賛成は議決権全体の9分の4にとどまり過半数に届きません。「議決権を行使することができる設立時株主の議決権の 3 分の 2 を有する設立時株主が出席し、出席した当該設立時株主の議決権の 3 分の 2 に当たる多数をもって商号を変更する旨の定款変更の創立総会の決議をしたときは、設立の登記の申請書に、当該創立総会の議事録を添付して、変更後の商号による設立の登記の申請をすることができる」という肢(R5 午後 問29 ウ)は誤りです。全部の株式に譲渡制限を設ける定款の変更は、議決権を行使できる設立時株主の半数以上であって、その議決権の3分の2以上で行い(同条2項)、全部の株式を取得条項付株式にする定款の変更には設立時株主全員の同意が要ります(同条3項)。

  • 通常の決議(73条1項)議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数、かつ出席した設立時株主の議決権の3分の2以上
  • 全部の株式に譲渡制限を設ける定款の変更(73条2項)議決権を行使できる設立時株主の半数以上、かつその議決権の3分の2以上
  • 全部の株式を取得条項付株式にする定款の変更(73条3項)設立時株主全員の同意

招集時の目的事項以外でも、定款の変更と設立の廃止は決議でき、創立総会で定款を変更しても再認証は要りません

創立総会は、会社法に規定する事項と、設立の廃止、創立総会の終結その他設立に関する事項に限って決議できます(66条)。また、招集の際に創立総会の目的である事項として定めた事項(67条1項2号)以外の事項は、原則として決議できません(73条4項本文)。ただし、定款の変更と株式会社の設立の廃止は、目的事項として定められていなくても決議できます(同項ただし書)。「株式会社の設立の廃止については、創立総会の招集に際して当該創立総会の目的である事項として定められていなければ、当該創立総会において決議をすることができない」という肢(R8 問27 ア)は誤りです。公証人の認証を受けた定款は成立前は原則として変更できませんが(30条2項)、創立総会は、その決議によって定款を変更することができます(96条)。設立時株主の総会が決めるので、改めて公証人の認証を受ける必要はありません。創立総会で変態設立事項を変更する定款の変更の決議をしたときは、反対した設立時株主は決議後2週間以内に限り引受けを取り消すことができます(97条)。発行可能株式総数を定款で定めていないときは、成立の時までに創立総会の決議で定めます(98条)。

会社法 第73条第1項

創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。

会社法 第73条第4項

創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。

会社法 第88条第1項

第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 創立総会は募集設立だけで開かれ、発起設立と新設分割による設立には無い(65条1項・814条1項)
  2. 募集設立の設立時取締役は創立総会の決議で選任し、設立時取締役は違反がないと認めた場合も調査の結果を創立総会に報告する(88条1項・93条2項。R8 問27 エ ○)
  3. 決議要件は、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数かつ出席した設立時株主の議決権の3分の2以上で、3分の2の出席で3分の2の賛成では足りない(73条1項。R5 午後 問29 ウ ×)
  4. 設立の廃止と定款の変更は招集の際の目的事項でなくても決議でき、創立総会で定款を変更しても再度の認証は要らない(73条4項ただし書・96条。R8 問27 ア ×)
  5. 設立時株主の全員が書面で同意して決議があったものとみなされたときは、その事項を内容とする創立総会の議事録を添付して設立の登記を申請できる(82条1項。R4 午後 問28 ア ○)
  6. 創立総会で変態設立事項を変更する定款変更を決議したときは、決議の日から2週間を経過した日から2週間以内に設立の登記をする(911条2項3号。R4 午後 問28 イ ×)
  7. 定款に本店の具体的な所在場所の定めがないときは、それを定めた創立総会の議事録を添付して設立の登記を申請できる(R8 午後 問29 ア ○)

司法書士試験AIブートラボ

司法書士試験の対策を、
スマホひとつで。

過去問の肢別演習、記述式と雛形ドリル、先例と条文、用語集。司法書士試験の勉強に使う教材をひとつのアプリにまとめました。

関連する用語

設立

定款の作成と認証(絶対的記載事項・成立前の変更)

定款とは、発起人が作成して全員が署名又は記名押印する会社の根本規則で(会社法26条1項)、公証人の認証を受けて効力...
設立

発行可能株式総数(設立時の定めと4倍規制)

発行可能株式総数とは、株式会社が発行することができる株式の総数として定款で定める上限の数です(会社法37条1項)。...
組織再編・事業譲渡

会社分割(吸収分割・新設分割)

会社分割とは、株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を、分割後に他の会社に承継させる吸...
設立

設立時募集株式の引受けと払込金保管証明

設立時募集株式の引受けとは、募集設立において、発起人が引き受けた分以外の設立時発行株式について、発起人が引受人を募...
設立

設立時取締役(選任・解任・設立手続の調査)

設立時取締役とは、株式会社の設立に際して取締役となる者です(会社法38条1項)。発起設立では出資の履行が完了した後...
株主総会

株主総会の決議要件(普通決議・特別決議・特殊の決議と定足数)

株主総会の決議要件とは、決議が成立するために必要な出席(定足数)と賛成の数のことです。普通決議は、定款に別段の定め...