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根抵当権の極度額減額請求の登記ねていとうけんのきょくどがくげんがくせいきゅうのとうき

不動産登記 第7章 抵当権と根抵当権 過去問で1肢

元本の確定後に根抵当権設定者が一方的に極度額を現存債務と以後2年分の利息等の合計額まで減らす請求をしたときの変更の登記です。合意による極度額の変更との違いと、共同根抵当では一個の不動産で足りる点が肢の軸です。

根抵当権の極度額減額請求の登記は、元本の確定後に根抵当権設定者が極度額の減額を請求し、その効果を登記記録に反映する根抵当権の変更の登記です。確定後は新しい債権が担保されないのに極度額だけが大きいままだと、設定者は不動産の担保価値を活かせません。そこで設定者は、現に存する債務の額に以後2年間に生ずべき利息・定期金・遅延損害金を加えた額まで、根抵当権者の同意なく極度額を減らせます。合意による極度額の変更は利害関係人の承諾が効力要件ですが、減額請求は一方的な意思表示で効力が生じます。肢では、時期、請求権者、額の計算、申請人、共同根抵当での扱いが問われます。

民法 第398条の21

(根抵当権の極度額の減額請求)
元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権の極度額の減額については、前項の規定による請求は、そのうちの一個の不動産についてすれば足りる。

家の持ち主が銀行員に大きな枠を小さく縮めるよう求め、横の砂時計は落ちきっている
確定後に設定者は極度額を現存債務と2年分の利息等の合計まで減額請求できます
確定後に設定者が一方的に請求現存債務+2年分共同根抵当は一個で足りる

確定後に設定者が一方的に請求でき、額は現存債務と2年分です

減額請求ができるのは元本の確定後に限られ、請求できるのは根抵当権設定者です。債務者や保証人には請求権がなく、根抵当権者の承諾も要りません。減額後の極度額は、現存する債務の額と、以後2年間に生ずべき利息その他の定期金および債務不履行による損害賠償の額を合計した額です。請求が根抵当権者に到達した時に効力が生じ、登記原因の日付はその到達日です。

登記は根抵当権の変更で設定者が権利者、根抵当権者が義務者です

減額請求の効果を登記するには、「年月日減額請求」を原因とする根抵当権の変更の登記を申請します。極度額が減って利益を受ける設定者が登記権利者、根抵当権者が登記義務者となる共同申請です。添付情報は登記原因証明情報と根抵当権者の登記識別情報で、根抵当権者は所有権の登記名義人ではないので印鑑証明書は要りません。転抵当権者など根抵当権を目的とする権利者は減額で不利益を受けるので登記上の利害関係人となり、その承諾を証する情報を添えて付記登記でされます。根抵当権者が応じなければ、判決を得て設定者が単独で申請します。

共同根抵当では一個の不動産についての請求で足ります

共同担保である旨の登記がされた共同根抵当の極度額を減額請求するときは、そのうちの一個の不動産について請求すれば足り、効果は全物件に及びます。したがって他の物件の変更の登記も、その請求がされた日を原因日付として申請できます。「甲土地についてのみAによる極度額の減額請求がされ、その極度額の減額請求につき登記上の利害関係人が存しないときは、当該極度額の減額請求がされた日を登記原因の日付として、乙土地についての根抵当権の変更の登記の申請をすることができる」という肢は正しい肢です。極度額は全物件で同一でなければならないので、一つだけを減らす形にはなりません。

確定が登記記録上明らかでなければ確定の登記が先です

減額請求は確定後の制度なので、登記記録から元本の確定が読み取れなければ、まず元本の確定の登記をしてから減額請求による変更の登記を申請します。確定期日の到来や相続開始後6か月の経過による確定のように登記記録上明らかな場合は、改めて確定の登記をする必要はありません。合意による極度額の変更は確定の前後を問わずでき、増額も減額もできる点で減額請求と異なります。極度額を増やしたいときは減額請求ではなく合意による変更しかありません。

不動産登記法 第66条

(権利の変更の登記又は更正の登記)
権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。

試験ではこう問われる

  1. 極度額の減額請求はいつ誰ができるか(元本の確定後に設定者が)
  2. 減額後の極度額はいくらか(現存債務と以後2年分の利息・損害金の合計)
  3. 減額請求の登記の申請人は誰か(設定者が権利者、根抵当権者が義務者)
  4. 共同根抵当の減額請求は何個の不動産にすれば足りるか(一個)
  5. 合意による極度額の変更との違いは何か(承諾が効力要件、確定前後を問わない)
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