募集株式の割当決議ぼしゅうかぶしきのわりあてけつぎ
申込者の中から割当てを受ける者と数を定める決定で、募集株式が譲渡制限株式なら株主総会または取締役会の決議が要ります。どの会社でどの機関の議事録が要るか、総数引受契約の承認との関係が肢で突かれます。
募集株式の割当決議は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、その者に割り当てる数を定める決定です。会社法204条が定め、会社は申込者が申し込んだ数より少なく割り当てることもできる、いわゆる割当て自由の原則をとります。募集株式が譲渡制限株式であるときは、誰を株主にするかが会社の閉鎖性に関わるので、株主総会の決議、取締役会設置会社では取締役会の決議によらなければならず、定款で別段の定めができます。総数引受契約を結ぶときも、譲渡制限株式なら同じ機関の承認が要ります。
会社法 第204条第2項募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

譲渡制限株式の割当ては取締役会設置会社なら取締役会です
公開会社でない取締役会設置会社が第三者割当てをするとき、募集事項は株主総会の特別決議で定めますが、割当ての決定と総数引受契約の承認は取締役会の決議です。「取締役会設置会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで募集株式を発行する場合は,定款に別段の定めがあるときを除き,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,株式の割当てを決定し,又は総数引受契約を承認した株主総会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。定款に別段の定めがないのに株主総会で割当てまで同時に決めても、その議事録を割当ての書面として添付できず、割当決議の議事録を株主総会議事録とする肢は誤りです。公開会社が譲渡制限株式である種類株式を募集するときも、割当てを決定した取締役会議事録を添付します。
取締役会設置会社でない会社では株主総会の特別決議です
取締役会設置会社でない会社が譲渡制限株式を第三者に割り当てるときは、定款に別段の定めがなければ、割当ての決定と総数引受契約の承認を株主総会の特別決議で行います。「取締役会設置会社でない会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで譲渡制限株式を発行した場合には,定款に別段の定めがあるときを除き,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,株式の割当てを決定し,又は総数引受契約を承認した株主総会の特別決議に係る議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。募集事項の決定と同じ株主総会で割当てまで決めることもでき、その場合は一つの議事録に両方の決議が載ります。
総数引受契約の承認も割当てと同じ機関です
募集株式を引き受けようとする者が総数の引受けを行う契約を締結するときは、申込みと割当ての規定は適用されません。募集株式が譲渡制限株式なら、その契約の承認を株主総会、取締役会設置会社では取締役会の決議で受けます。「募集株式を引き受けようとする者と総数引受契約を締結した場合には,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,定款に別段の定めがあるときを除き,総数引受契約を承認した株主総会の議事録を添付しなければならない」という肢は、取締役会設置会社の問題なので誤りです。譲渡承認の機関と総数引受契約の承認機関は別の話で、定款の譲渡承認機関の定めに引きずられないことが肝心です。
譲渡制限のない公開会社の割当てには議事録も決定書も要りません
募集株式が譲渡制限株式でなければ、割当ての決定に株主総会や取締役会の決議は要らず、代表取締役が業務執行として決めれば足ります。「種類株式発行会社でない会社法上の公開会社において,代表取締役の決定により募集株式の割当てを行った場合には,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,当該割当てに関する代表取締役の決定を証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。決議を要しない割当てには割当ての書面がなく、割当ての書面を求める肢は、まず募集株式が譲渡制限株式かどうかから確かめるのが先です。
公開会社で支配株主が変わる割当ては株主の反対で株主総会です
公開会社が、引受人とその子会社等の議決権が総株主の議決権の2分の1を超えることになる募集をするときは、払込期日または期間の初日の2週間前までに株主に通知または公告します。親会社等への割当てや株主割当ては除かれます。金融商品取引法の届出をしているときは通知が省かれます。議決権の10分の1以上の株主が2週間以内に反対を通知したときは、払込期日の前日までに株主総会の普通決議で割当てまたは総数引受契約の承認を受けなければなりません。承認を受けたときは株主総会議事録を添付し、財産状況の悪化による緊急の必要で承認を要しないときは、承認を受けなければならない場合に該当しないことを証する書面を添付します。「当該割当ての承認を決議した株主総会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。
会社法 第205条第2項前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
試験ではこう問われる
- 非公開の取締役会設置会社で第三者割当ての割当ては誰が決めるか(取締役会。定款で別段の定め可)
- 取締役会設置会社でない会社で譲渡制限株式の割当ての決議はどれか(株主総会の特別決議)
- 総数引受契約の承認機関は譲渡承認機関と同じか(違う。割当てと同じ機関)
- 譲渡制限のない公開会社の割当てに決定書は要るか(要らない)
- 支配株主の異動で株主の反対があったとき何が要るか(株主総会の普通決議の議事録。緊急の必要があるときを除く)
この用語が問われた肢
取締役会設置会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで募集株式を発行する場合は,定款に別段の定めがあるときを除き,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,株式の割当てを決定し,又は総数引受契約を承認した株主総会の議事録を添付しなければならない。
募集株式の発行による変更の登記の申請書には、株式の割当てを決定し、又は総数引受契約を承認した株主総会議事録を添付しなければならない。
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないでする募集株式の発行の場合において,株主総会の特別決議により募集事項の決定と申込みがされることを条件とする申込者に対する募集株式の割当てに関する事項の決定を同時に行ったときは,当該株主総会の議事録を添付して募集株式の発行による変更の登記を申請することができる。
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