受付と受付番号うけつけとうけつけばんごう
申請情報が登記所に提供されたときに登記官が行う手続で、受付帳に記録して申請ごとに受付番号を付します。受付の日がどの基準日になるか、同時に申請があったときに番号がどう付くかが肢で突かれます。
受付は、不動産登記法18条の方法で申請情報が登記所に提供されたときに、登記官が受付帳に登記の目的・受付の年月日・不動産所在事項を記録し、受付番号を付す手続です。不動産登記法19条が受付そのものを、不動産登記規則56条が記録する事項と番号の付け方を定めています。受付は申請の到達を登記所の側で確定させる行為なので、ここで付いた年月日と番号が以後の審査・実行・通知の基準になります。肢で突かれるのは、受付の日を動かそうとするすり替えと、同時に出た申請の番号の付き方です。
不動産登記法 第19条(受付)
登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。
同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。
登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。

受付番号は提供の時に付き、年ごとに更新されます
登記官は、申請情報が提供されたときは受付帳に登記の目的・申請の受付の年月日・受付番号・不動産所在事項を記録します。書面申請なら申請書にも受付の年月日と受付番号を記載し、受付番号は1年ごとに1番から振り直されます。受付の日は申請情報が登記所に到達した日であり、その後に手続が足されても動きません。「登記官が本件登記の登記義務者に対して事前通知をする場合には、法令で定める期間内に当該登記義務者から本件登記の申請内容が真実である旨の申出がされた日が、本件登記の申請の受付日として記録される」という肢は誤りです。事前通知は受付の後に行う本人確認の手続で、申出の日は受付日になりません。
同時に出た申請には同一の受付番号が付きます
同一の不動産について二以上の申請があり、その前後が明らかでないときは、不動産登記法19条2項により同時にされたものとみなされます。同時にされた申請には同一の受付番号が付き、権利に関する登記は受付番号の順序で実行されるので、同時申請どうしは前後を付けられません。「同一の不動産について,同時に二件(各登記権利者を異にする。)の所有権の移転請求権を保全するための仮登記の申請があった場合には,これらの申請は同一の受付番号を付して受け付けられるとともに,いずれの申請も同時に却下される」という肢は正しい肢です。両立しない権利の申請が同じ番号で並ぶと、どちらを先に登記するかを決められないため、登記実務ではどちらも却下する扱いです。
受付の日は前の住所地への通知の要否を分けます
所有権に関する登記の申請で事前通知をするとき、登記義務者の住所の変更の登記がされていれば、登記官は前の住所にも申請があった旨を通知します。ただし、その変更の登記の申請の受付の日から3か月を経過しているときなどは通知しません。3か月を数える起点は住所の変更の登記の申請の受付の日で、申請書の日付や変更の原因日付ではなく、最後の変更の登記が職権によるものならその登記の日から数えます。「債権譲渡を登記原因とする抵当権の移転の登記の申請につき事前通知がされる場合においては,当該移転の登記の申請が登記義務者の住所についてされた最後の変更の登記の申請に係る受付の日から 3 か月以内にされているときであっても,前の住所地への通知はされない」という肢は正しい肢です。前の住所地への通知は所有権に関する登記に限られるので、抵当権の移転の登記では3か月以内でも通知されません。
受付の年月日と番号は登記を見分ける印です
受付の年月日と受付番号は登記記録に記録され、ある登記を他の登記から見分ける印として使われます。区分建物とその敷地に別々に抵当権の設定の登記がされた後で、敷地権である旨の登記をする場面があります。両方の抵当権の登記の目的・受付の年月日・受付番号・登記原因とその日付が同一であれば、土地の持分の抵当権の登記は建物の登記と一体のものとして登記官が職権で抹消します。「これらの抵当権の登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であるときは,当該土地の所有権の共有持分についてされた抵当権の登記は,登記官が職権で抹消しなければならない」という肢は正しい肢です。代位の原因が登記記録から明らかな場合は、その登記の受付の年月日と受付番号を示して代位原因を証する情報を省略する扱いがあります。競売の申立てのように登記記録に表れない事実が代位の原因であるときは、受付番号を示しても省略できません。
原本の還付は受付の直後ではなく調査の後です
受付がされると登記官は申請情報と添付情報を調査し、不備がなければ登記を実行します。書面申請の添付書面について原本の還付を請求していたときは、不動産登記規則55条により登記官は調査完了後に原本を還付し、謄本と照合して還付の旨を記載します。「申請人が登記の申請をするとともに添付書面について原本の還付を請求した場合において、当該請求に係る添付書面の原本の還付を請求することができるときは、登記官は、当該申請の受付後、直ちに原本の還付をしなければならない」という肢は誤りです。受付は到達を確定させる手続で、書面の中身を確かめる前に原本を手放すことはありません。
不動産登記規則 第56条(申請の受付)
登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。
登記官は、書面申請の受付にあっては、前項の規定により受付をする際、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。
受付番号は、一年ごとに更新するものとする。
第一項及び第二項の規定は、次に掲げる場合について準用する。
一 法第六十七条第二項の許可があった場合
二 法第七十一条の規定により登記の抹消をしようとする場合
三 法第百五十七条第三項又は第四項の命令があった場合
四 第百十条第三項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)、第百十九条第二項、第百二十四条第八項(第百二十条第七項、第百二十六条第三項、第百三十四条第三項及び第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)、第百五十八条の四十三、第百五十八条の四十五第六項(第百五十八条の四十六第二項において準用する場合を含む。)、第百五十九条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)又は第百六十八条第五項(第百七十条第三項において準用する場合を含む。)の通知があった場合
五 第百五十八条の四十四第一項第二号の確認をした場合
試験ではこう問われる
- 事前通知の申出がされた日が受付日になるか(ならない。申請情報が提供された日が受付日)
- 同時にされた二以上の申請に別々の受付番号が付くか(付かない。同一の受付番号)
- 前の住所地への通知の3か月は何を起点に数えるか(住所の変更の登記の申請の受付の日。職権による登記ならその登記の日。所有権に関する登記に限る)
- 敷地権の登記のときに土地の抵当権を職権で抹消する要件に受付の年月日と受付番号は含まれるか(含まれる)
- 原本の還付は受付の直後にされるか(されない。調査完了後)
この用語が問われた肢
登記官が本件登記の登記義務者に対して事前通知をする場合には、法令で定める期間内に当該登記義務者から本件登記の申請内容が真実である旨の申出がされた日が、本件登記の申請の受付日として記録される。
同一の不動産について,同時に二件(各登記権利者を異にする。)の所有権の移転請求権を保全するための仮登記の申請があった場合には,これらの申請は同一の受付番号を付して受け付けられるとともに,いずれの申請も同時に却下される。
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