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登記完了証とうきかんりょうしょう

不動産登記 第13章 登記手続の流れと登記官の処分

登記官が登記を完了したときに申請人に交付して、登記が完了した旨を通知する書面です。誰に、どの方法で交付されるか、登記識別情報とどう違うかが肢で突かれます。

登記完了証は、登記官が申請に基づく登記を完了したときに、登記が完了した旨を申請人に知らせるために交付する書面です。不動産登記規則181条が交付と記録事項を、182条が交付の方法を定めています。登記識別情報が次の登記で本人であることを示す鍵であるのに対し、登記完了証はその申請が終わったことの知らせにすぎず、後の登記で提供するものではありません。肢で突かれるのは、交付の相手と方法、そして登記識別情報との役割の違いです。

不動産登記規則 第181条

(登記完了証)
登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。
前項の登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。
一 申請の受付の年月日及び受付番号
二 第百四十七条第二項の符号
三 不動産番号
四 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項
五 共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。)
六 法第二十七条第二号の登記の年月日
七 申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。)

職員がカウンター越しに一枚の書面を司法書士に手渡し、司法書士が夫婦に見せている。隣に封をした別の封筒が一通
登記完了証は登記が完了した旨の知らせで、登記識別情報とは役目が違います
権利者と義務者の各一人に交付電子申請は電子で交付次の登記で提供するものではない

申請人が二人以上なら権利者と義務者の各一人に交付すれば足ります

登記完了証は申請人に交付しますが、申請人が二人以上あるときはその一人に交付すれば足ります。共同申請では登記権利者と登記義務者の各一人に交付します。登記識別情報が申請人のうち自ら登記名義人となる者だけに通知されるのと違い、登記完了証は申請が終わった知らせなので義務者の側にも渡ります。代理人によって申請されたときは代理人に交付され、司法書士が受け取って依頼人に渡すのが通常の流れです。登記権利者と登記義務者が同じ代理人に委任していれば、代理人は双方の分として一通ずつ受け取ることになるでしょう。

電子申請なら電子で、書面申請なら登記所の窓口か送付で交付されます

交付の方法は申請の区分で分かれ、電子申請では法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使って交付するのが原則で、書面申請では登記所で交付します。電子申請でも申出があれば書面で交付を受けられる扱いがあり、法務大臣が別に定める場合として規則182条が留保している部分です。書面申請でも送付による交付を求めることができ、その場合は申請情報に送付を求める旨と送付先の住所を記載します。官庁や公署が送付を求めるときは、嘱託情報の住所に宛てて書留郵便などで送られます。登記識別情報の通知と同じ区分で動くので、二つの書面はたいてい同時に手元に届くことになるでしょう。官庁や公署の嘱託による登記でも、嘱託者に登記完了証が交付されるのは同じです。

受付の年月日と受付番号、不動産番号、登記の目的が記録されます

登記完了証には、申請の受付の年月日と受付番号、不動産番号、不動産の所在や地番などの表示、登記の年月日のほか、申請情報の内容が記録されます。書面申請では申請情報のうち登記の目的だけが載り、電子申請では申請人や代理人の連絡先と住民票コードを除いた申請情報が載ります。完了証を見れば何番で受け付けられた申請がいつ登記されたかが分かるので、後に抹消や変更を申請するときに受付番号を確かめる手がかりになります。登記識別情報通知のように目隠しのシールや折り込みはなく、第三者に見られても権利が危うくなる情報は載っていません。完了した登記の内容そのものを確かめるには、登記事項証明書の交付を受けます。

登記完了証は本人確認の手段ではなく、紛失しても再発行されません

登記完了証は次の登記の添付情報にならず、紛失しても権利を失わず、登記所は再発行もしないのです。登記名義人が次に登記義務者として申請するときに要るのは登記識別情報で、それを提供できなければ事前通知か、資格者代理人の本人確認情報または公証人の認証による手続に進みます。登記済証の制度があった時代の権利証に当たる役目を登記完了証が引き継いだわけではなく、その役目は登記識別情報の側にあるものです。申請人以外の者に登記が完了した旨を通知する場面は、不動産登記規則183条に別に定められています。代位による登記では代位された登記名義人に、職権による表示の登記では所有者に通知される仕組みです。

不動産登記規則 第182条

(登記完了証の交付の方法)
登記完了証の交付は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。
一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記完了証を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
二 書面申請 登記完了証を書面により交付する方法
送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。
第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により登記完了証を交付する場合について準用する。
官庁又は公署が送付の方法により登記完了証の交付を求める場合の登記完了証の送付は、嘱託情報に記載された住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。

試験ではこう問われる

  1. 共同申請で登記完了証は誰に交付されるか(登記権利者と登記義務者の各一人)
  2. 電子申請の登記完了証はどう交付されるか(原則は電子情報処理組織で交付。申出で書面も可)
  3. 登記完了証を次の登記で提供する必要があるか(ない。提供するのは登記識別情報)
  4. 書面申請の登記完了証を送付で受け取るには何を申請情報に書くか(送付を求める旨と送付先の住所)
  5. 登記完了証を紛失したら再発行されるか(されない。権利にも影響しない)
不動産登記を肢別で解く

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