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公証人の認証こうしょうにんのにんしょう

不動産登記 第2章 登記識別情報と本人確認 過去問で2肢

申請書や委任状に、申請人が登記義務者本人であることを確認する公証人の認証を受け、登記官が相当と認めれば事前通知が省かれる経路です。何に認証を受けるか、前住所通知まで省けるか、が肢で突かれます。

公証人の認証は、登記識別情報を提供できない場合に、申請情報を記載した書面や、委任による代理人が申請するときはその権限を証する書面について、公証人が申請人本人であることを確認して認証する経路です。公証人法に基づく認証で、その情報を登記官に提供し、登記官が相当と認めたときは事前通知をしません。資格者代理人の本人確認情報と並ぶ、専門家が確認を引き受ける方法です。認証は本人が受けるもので、代理人が嘱託した認証では足りません。肢では、認証の対象、条件、そして省略できる手続の範囲が問われます。

不動産登記法 第23条第4項第2号

当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。

公証役場で委任状に大きな印章を押す公証人と、本人を示す人物
公証人の認証は、委任状などに本人確認の認証を受けて事前通知を省く経路です
代理人申請なら委任状に認証登記官が相当と認めることが条件前住所通知は省かれない

代理人申請なら委任状に認証を受けます

本人が自分で申請するなら申請書に、委任による代理人が申請するなら委任状に、登記義務者本人であることを確認する認証を受けます。委任状に認証があれば、申請書にも認証があることは要りません。「その権限を証する情報を記載した書面に申請人が本件登記の登記義務者であることを確認するために必要な公証人による認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めたときは、本件登記の申請情報を記載した書面に同内容の公証人による認証がされていなかったとしても、登記官は、当該登記義務者に対して事前通知をすることを要しない」という肢は正しい肢です。

登記官が相当と認めることが条件です

認証があるだけで自動的に事前通知が省かれるのではなく、登記官がその内容を相当と認めたときに省かれます。認証は本人の面前でされたものである必要があり、代理人が嘱託した認証では本人確認になりません。相当と認められなければ事前通知の手続に移ります。認証文に本人確認の方法が書かれているか、認証を受けた書面が申請書または委任状そのものかを登記官が見ます。本人確認情報と同じく、事前通知を省くための材料です。ただし、記名押印した申請書や委任状に公証人の認証を受けた場合は、規則により登記義務者の印鑑証明書の添付を省略できます。

前住所通知は省かれません

所有権に関する登記で登記義務者の住所変更登記がされているときの前住所通知は、資格者代理人の本人確認情報で確実と認められる場合には省かれますが、公証人の認証の場合には省かれません。事前通知を省く効果と前住所通知を省く効果は別だと整理します。前住所通知が省かれるのは、住所変更登記の受付日から3か月を経過した場合、変更の原因が行政区画や字の名称変更または錯誤・遺漏である場合、登記義務者が法人の場合、本人確認情報で確実と認められた場合の四つで、公証人の認証はこの中に入っていません。

認証を受けた委任状の原本還付は請求できません

認証を受けた委任状は、その申請のためにだけ作成された書面であれば、原本の還付を請求することはできません。印鑑証明書と同じ扱いです。外国に居住する登記義務者が資格者代理人に委任する旨だけを書いた委任状に日本の公証人の認証を受けて添付したときも、原本の還付は請求できないという肢が正しい肢として出ています。認証文を残したいときは、あらかじめ写しを取っておきます。原本還付ができないのは、その書面が登記所に保管されて後の紛争で証拠になるからです。登記識別情報を記載した提出書面も還付されませんが、こちらは規則により登記完了後に速やかに廃棄されます。

外国の公証人による署名証明は印鑑証明書の代わりです

外国に住む日本人が印鑑証明書を提供できないとき、委任状に外国の公証人が署名の真正を証明した認証を付けて印鑑証明書に代えることができます。「Aの印鑑に関する証明書を添付情報として提供することができないときは、Aが署名した委任状自体に、外国の公証人が委任事項及びAの署名が真正である旨を証明し、その認証のための印章を押なつしたものを提供することができる」という肢は正しい肢です。これは印鑑証明書の代替であって、登記識別情報を提供できない場合の経路とは別の話です。

試験ではこう問われる

  1. 代理人申請のとき認証を受けるのは申請書か委任状か(委任状で足りる)
  2. 認証があれば必ず事前通知が省かれるか(登記官が相当と認めたときに省かれる)
  3. 公証人の認証で前住所通知は省かれるか(省かれない)
  4. 外国の公証人による署名証明は何の代わりか(印鑑証明書の代わり)

この用語が問われた肢

R4 問17 イ正しい

委任による代理人によって本件登記の申請をする場合において、その権限を証する情報を記載した書面に申請人が本件登記の登記義務者であることを確認するために必要な公証人による認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めたときは、本件登記の申請情報を記載した書面に同内容の公証人による認証がされていなかったとしても、登記官は、当該登記義務者に対して事前通知をすることを要しない。

R7 問15 イ正しい

外国に住所を有する日本人であるAが日本国内に所在する甲不動産を売却し、委任による代理人によって売買を登記原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において、Aの印鑑に関する証明書を添付情報として提供することができないときは、Aが署名した委任状自体に、外国の公証人が委任事項及びAの署名が真正である旨を証明し、その認証のための印章を押なつしたものを提供することができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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