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仮登記の移転・変更かりとうきのいてんへんこう

不動産登記 第9章 仮登記と処分制限 過去問で14肢

仮登記で登記された権利や請求権を第三者に移したり内容を変えたりする登記で、1号仮登記の移転は仮登記、2号仮登記の請求権の移転は付記の本登記でします。登記の形と原因が肢で突かれます。

仮登記の移転・変更は、仮登記で登記された権利や請求権を第三者に移したり、その内容を変えたりするときの登記です。1号仮登記では権利そのものが仮登記名義人に移っているので、さらに譲渡したときの移転の登記は仮登記でします。2号仮登記の請求権は債権なので、譲渡したときの移転の登記は仮登記に付記する本登記です。肢では、移転の登記が仮登記か本登記か、放棄や錯誤のときにどんな原因を使えるか、請求権の一部が移転した後の本登記は誰が申請するかが突かれます。

不動産登記法 第105条

(仮登記)
仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。
一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。
二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

仮の印が付いた帳簿の行の脇に矢印で別の人物へ線が引かれ、買主が契約の書面を別の人物に手渡し、売主は家の模型を抱えたまま見ている
1号仮登記の移転は主登記の仮登記、2号の請求権の移転は付記の本登記でします
1号の移転は仮登記2号の請求権の移転は付記登記一部移転後の本登記は全員で

1号仮登記の移転は仮登記、2号の請求権の移転は本登記です

所有権移転仮登記の名義人がその所有権を譲渡したときは、譲受人も本登記ができない状態を引き継ぐので、移転の登記は「○番仮登記所有権の移転の仮登記」としてします。所有権の移転なので独立の順位番号を持つ主登記の仮登記で、本登記はそれぞれの仮登記の順位番号によるのが原則です。所有権移転請求権仮登記の名義人が請求権を譲渡したときは、請求権という債権の譲渡が完結しているので、「○番所有権移転請求権の移転」の本登記を仮登記に付記してします。付記登記なので元の仮登記の順位をそのまま引き継ぎ、本登記は元の仮登記の順位番号でされます。

共同の仮登記権利者の一人が放棄すれば移転の登記です

二人を仮登記権利者とする所有権移転請求権の仮登記で、一人が請求権を放棄したときは、その持分は他の権利者に帰属します。登記は放棄した者から他の権利者への請求権の移転の登記で、原因は「放棄」です。「Bがその所有権移転請求権を放棄したときは,放棄を登記原因として,BからCへの当該所有権移転請求権の移転の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。

条件付仮登記の名義人の誤りは真正な登記名義の回復で直せません

真正な登記名義の回復は、現在の所有者に登記を合わせるための所有権移転の原因です。停止条件付所有権移転仮登記の名義人は条件が成就するまで所有権を取得していないので、回復すべき所有権の登記がなく、この原因は使えません。「停止条件付所有権の移転の仮登記がされた土地につき,当該仮登記の登記名義人に錯誤があるときは,真正な登記名義の回復を登記原因として,当該仮登記の移転の登記を申請することができる」という肢は誤りです。名義人を間違えたときは、仮登記の更正や抹消で直します。

仮登記された根抵当権の移転の仮登記に設定者の承諾は要りません

根抵当権の設定の仮登記がされた段階で根抵当権者が根抵当権を譲渡したときは、移転の登記も仮登記でします。元本確定前の根抵当権の譲渡には設定者の承諾が要るのが民法の原則ですが、仮登記された根抵当権の移転の仮登記では、登記実務上、設定者の承諾を証する情報は求められていません。「BとCとが共同して譲渡を登記原因とする当該根抵当権の移転の仮登記を申請するときは,Aの承諾を証する情報を提供しなければならない」という肢は誤りです。仮登記された根抵当権の元本確定の登記のように、変更にあたる登記も仮登記に付記してすることができます。

請求権の一部が移転した後の本登記は全員で申請します

所有権移転請求権の一部が第三者に移転すると、請求権は元の権利者と譲受人の準共有になります。本登記は、仮登記のときの登記義務者を相手に、準共有者の全員が登記権利者として申請します。「所有権移転請求権保全の仮登記のされた請求権の一部が移転した場合において,当該仮登記に基づく本登記は,仮登記の登記権利者のうちの一人から申請することができる」という肢は誤りです。譲受人だけが義務者と共同して申請することもできず、「BからCへの当該請求権の一部の移転の登記がされた場合には,当該仮登記に基づく本登記は,A及びCが共同して申請することができる」という肢も誤りです。

不動産登記法 第106条

(仮登記に基づく本登記の順位)
仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。

試験ではこう問われる

  1. 2号仮登記の請求権を譲渡したときの登記は仮登記か本登記か(付記の本登記)
  2. 共同の仮登記権利者の一人の放棄はどんな登記か(放棄を原因とする請求権の移転の登記)
  3. 条件付仮登記の名義人の錯誤を真正な登記名義の回復で直せるか(直せない)
  4. 仮登記された根抵当権の移転の仮登記に設定者の承諾が要るか(要らない)
  5. 請求権の一部移転の後の本登記は誰が申請するか(準共有者の全員が権利者)
不動産登記を肢別で解く

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