公告方法の変更と電子公告こうこくほうほうのへんこうとでんしこうこく
定款を変更して公告方法を官報・日刊新聞紙・電子公告の間で変え、公告方法の変更の登記を申請することと、電子公告を選んだときに登記に現れる事項です。登記すべき事項の範囲と、添付書面、職権で抹消される登記で肢が作られます。
公告方法の変更は、会社が定款で定める公告方法を官報、日刊新聞紙、電子公告の間で改める定款変更です。公告方法は会社法911条3項27号から29号までの登記事項なので、変更の登記を申請します。電子公告は、自社のウェブページなどで公告する方法で、これを選ぶと公告すべき内容の情報を受け取るために必要な事項、すなわちアドレスも登記します。定款に公告方法の定めがない会社は官報で公告する旨を登記しているので、定めを設けるときも変更の登記です。肢で突かれるのは、電子公告に変えたときに何が登記され、何が添付され、何が職権で消えるかです。
会社法 第911条第3項第28号前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

定款変更の特別決議で変え、アドレスは取締役会などで決めます
公告方法は定款の相対的記載事項で、変更には株主総会の特別決議が要ります。電子公告を公告方法とする定款の定めは電子公告とする旨だけで足り、アドレスまで定款に書く必要はありません。アドレスは業務執行の決定として取締役会または取締役が決め、その決定を証する書面を申請書に添付する扱いはありません。「定款に公告方法を電子公告とする旨の定めがあるが、当該電子公告に用いるウェブサイトのアドレスに関する定めがなく、後にこれを定めたときは、設立の登記の申請書には、これを定めるにつき発起人の過半数の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。
電子公告の登記事項はアドレスと予備的公告方法です
電子公告を公告方法とする会社は、アドレスを登記し、事故その他やむを得ない事由で電子公告ができない場合の公告方法を定款で定めたときはその定めも登記します。「公告方法を電子公告とする変更の登記を申請する場合において、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の予備的公告方法を定めたときは、その登記の申請もしなければならない」という肢は正しい肢です。予備的公告方法として定められるのは官報か日刊新聞紙だけで、「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法を登記することはできない」という一般社団法人の肢は正しい肢です。定款の定めがない会社は、官報に掲載する方法を公告方法とする旨を登記します。
電子公告に変えると貸借対照表のアドレスの登記は職権で抹消されます
官報や日刊新聞紙で公告する会社は、貸借対照表の内容をウェブページで開示するときにそのアドレスを登記できます。電子公告を公告方法とする変更の登記をしたときは、登記官が職権でそのアドレスの登記を抹消する記号を記録します。「その公告方法を電子公告に変更し,公告方法の変更の登記がされたときは,登記官の職権により,貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの登記を抹消する記号が記録される」という肢は正しい肢です。電子公告の会社は決算公告も電子公告でするので、別のアドレスを登記する余地がないためです。
日刊新聞紙の特定を変える定款変更も変更の登記をします
公告方法を日刊新聞紙とする会社は、どの新聞かを特定して定款に定め、その特定が登記事項です。発行地を加えて新聞を特定し直す定款変更も公告方法の内容の変更なので、変更の登記を申請できますし、申請しなければなりません。「公告方法を「B市において発行するA新聞に掲載してする。」とする定款の変更をしても,当該公告方法の変更の登記の申請をすることができない」という肢は誤りです。登録免許税はどの変更も登記事項の変更として3万円です。
商業登記規則 第71条(電子公告に関する登記)
電子公告を公告方法としたことによる変更の登記をしたときは、会社法第九百十一条第三項第二十六号及び銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第五十七条の四各号(株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)第十条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項並びに株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第六十四条に規定する事項の登記を抹消する記号を記録しなければならない。
試験ではこう問われる
- 電子公告のアドレスは定款に書くか(書かなくてよい。取締役会などが決める)
- アドレスの決定を証する書面は添付するか(しない)
- 予備的公告方法を定めたとき登記するか(する。官報か日刊新聞紙に限る)
- 電子公告に変えると貸借対照表のアドレスの登記はどうなるか(職権で抹消)
- 新聞の特定を変える定款変更は登記するか(する)
この用語が問われた肢
当該設立が発起設立である場合において、定款に公告方法を電子公告とする旨の定めがあるが、当該電子公告に用いるウェブサイトのアドレスに関する定めがなく、後にこれを定めたときは、設立の登記の申請書には、これを定めるにつき発起人の過半数の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
公告方法を電子公告としたときは、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法を登記することはできない。
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