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司法書士となる資格しほうしょしとなるしかく

司法書士法 第1章 司法書士の資格・登録・業務 過去問で9肢

司法書士となる資格は、司法書士試験に合格した者と、裁判所事務官・法務事務官などとして通算10年以上職務に従事し法務大臣の認定を受けた者が有します(4条)。試験では、資格を有していても欠格事由(5条)に当たれば資格を有しないこと、資格があるだけでは司法書士にならず登録が要ることが問われています。

司法書士となる資格の取得には二つの道があります。一つは司法書士試験に合格することです(4条1号)。もう一つは、裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官又は検察事務官として職務に従事した期間が通算10年以上になる者、又はこれと同等以上の法律に関する知識と実務の経験を有する者で、3条1項1号から5号までの業務を行うのに必要な知識と能力を有すると法務大臣が認めたものです(4条2号)。2号の認定で得られるのは1号から5号までの業務を行う資格で、簡裁訴訟代理等関係業務には別に3条2項の認定が要ります。

17歳の合格者が合格証書と登録申請書を差し出し、登録申請書に×印
未成年者は、司法書士試験に合格しても、成年に達するまで司法書士となる資格を有しません
未成年は資格なし合格の事実は残る成年は18歳
司法書士法 第4条

(資格)
次の各号のいずれかに該当する者は、司法書士となる資格を有する。
一 司法書士試験に合格した者
二 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して十年以上になる者又はこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者であつて、法務大臣が前条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの

4条2号の認定は、所属庁の長と法務局を通じて法務大臣に申請します

4条2号の認定を受けようとする者は、申請書を所属庁の長(退職している場合は退職時の所属庁の長)を通じて、事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の長に提出します(施行規則7条1項)。所属庁の長は要件の存否と認定の可否についての意見を添えて法務局又は地方法務局の長に送り、法務局又は地方法務局の長はこれを法務大臣に送ります(同条3項・4項)。法務大臣は、認定したときは認定証書を交付し、認定しないときはその旨を通知します(同条5項)。試験の合格者には合格証書が交付され、氏名が官報で公告されます(施行規則4条)。不正の手段で試験を受けた者には、受験の禁止や合格の決定の取消しがされることがあります(施行規則5条)。

司法書士となる資格への二本の道を描き、試験合格と10年勤務後の法務大臣の認定を示す黒板
司法書士となる資格は、試験の合格か、裁判所事務官などとして通算10年以上の職務と法務大臣の認定で得られます
試験に合格通算10年以上の職務法務大臣の認定所属庁の長を通じて申請

司法書士試験は、筆記と口述で毎年1回以上行われます

法務大臣は、毎年1回以上司法書士試験を行わなければなりません(6条1項)。試験の事項は、憲法・民法・商法・刑法に関する知識、登記・供託・訴訟に関する知識、その他3条1項1号から5号までの業務を行うのに必要な知識と能力で、筆記と口述の方法により行います。口述試験は筆記試験に合格した者について行います(6条2項)。筆記試験に合格した者は、申請により次回の筆記試験を免除されます(6条3項)。問題の作成と採点は、法務大臣が試験ごとに任命する司法書士試験委員が行います(7条)。

司法書士法 第6条第3項

筆記試験に合格した者に対しては、その申請により、次回の司法書士試験の筆記試験を免除する。

資格があっても、欠格事由に当たる者は司法書士となる資格を有しません

5条は「次に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない」と定め、その2号に未成年者を挙げています。試験に合格した未成年者も、成年に達するまでは資格を有しないので、登録を受けて業務を行うことはできません。「未成年者は、司法書士試験に合格したときであっても、司法書士となる資格を有しない」という肢(R7 午後 問8 イ)は正しい記述です。5条は4条の資格を打ち消す規定なので、合格の事実はそのまま残り、成年に達すれば改めて試験を受けなくても登録を申請できます。拘禁刑・破産・懲戒免職などの他の欠格事由も、同じように4条の資格を打ち消します。

司法書士法 第5条第1項第2号

未成年者

成年の基準は18歳で、令和4年4月1日に20歳から引き下げられました

5条2号の未成年者に当たるかは、民法4条で決まります。民法4条は年齢18歳をもって成年とすると定めており、令和4年4月1日からこの年齢になりました。それまでは20歳でした。令和2年の「司法書士試験に合格した者が未成年である場合であっても,成年に達する前に司法書士の登録を受け,業務を行うことができる」という肢(R2 午後 問8 イ)は、成年年齢が20歳だった当時の出題で、誤りとされています。年齢の基準が18歳に下がっても、成年に達する前に登録を受けて業務を行えないという結論は変わりません。

民法 第4条第1項

年齢十八歳をもって、成年とする。

資格を有する者も、司法書士名簿に登録を受けなければ司法書士になれません

司法書士となる資格を有する者が司法書士となるには、日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名・生年月日・事務所の所在地・所属する司法書士会などの登録を受けなければなりません(8条1項)。登録申請書には、司法書士となる資格を有することを証する書類を添付します(9条2項)。資格を有しない者が資格について虚偽の申請をして名簿に登録させたときは、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます(74条)。登録を受けた後に資格を有しないことが判明したときは、連合会は登録を取り消さなければなりません(15条1項3号)。

司法書士法 第8条第1項

司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 未成年者は、司法書士試験に合格しても司法書士となる資格を有しない(5条2号。R7 午後 問8 イ ○)
  2. 試験に合格した未成年者は、成年に達する前に登録を受けて業務を行うことはできない(5条2号・8条1項。R2 午後 問8 イ ×)
  3. 資格を有する者が司法書士となるには、日本司法書士会連合会の司法書士名簿に登録を受けなければならない(8条1項)
  4. 裁判所事務官・法務事務官などとして通算10年以上職務に従事した者も、法務大臣の認定を受ければ資格を有する(4条2号)
  5. 4条2号の認定の申請は、所属庁の長を通じて、事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の長に提出する(施行規則7条1項)
  6. 筆記試験の合格者は、申請により次回の筆記試験を免除される(6条3項)
  7. 資格について虚偽の申請をして登録させた者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(74条)

この用語が問われた肢

R7 問8 イ正しい

未成年者は、司法書士試験に合格したときであっても、司法書士となる資格を有しない。

R2 問8 イ誤り

司法書士試験に合格した者が未成年である場合であっても,成年に達する前に司法書士の登録を受け,業務を行うことができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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