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供託の種類(弁済・執行・保証・保管・没取)きょうたくのしゅるい

供託 第1章 供託の仕組みと管轄 過去問で8肢

供託は目的によって弁済供託・担保(保証)供託・執行供託・保管供託・没取供託に分かれ、根拠法令・管轄・第三者供託の可否がそれぞれ違います。どの種類の供託かを見抜いたうえで、その種類に固有の扱いを答えられるかが肢で突かれます。

供託の種類は、供託によって達しようとする目的で分けた区分で、弁済供託・担保(保証)供託・執行供託・保管供託・没取供託の五つが基本です。弁済供託は債務を消滅させるため、担保供託は相手方の損害を担保するため、執行供託は差押えを受けた債権などの処理を裁判所に委ねるためにします。保管供託は供託物そのものの保全を目的とし、没取供託は選挙供託のように一定の事由で供託物を国や地方公共団体が没取するためのものです。種類が違えば根拠法令も管轄も第三者が供託できるかも変わるので、問題文の供託がどの種類かを最初に見抜く必要があります。

民法 第494条

(供託)
弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。
一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。
二 債権者が弁済を受領することができないとき。
弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。

窓口の職員の前に、袋・証書・鍵・投票箱・封印箱をそれぞれ持った五人が並ぶ
供託は弁済・担保・執行・保管・没取の五種類に分かれ、根拠法令と管轄と第三者供託の可否が違います
弁済供託は民法494条営業保証供託は第三者不可仮差押解放金は本人のみ選挙供託はどこでも

弁済供託は債務を消すための供託です

弁済供託は民法494条を根拠に、受領拒絶・受領不能・債権者不確知のときに債務者が弁済の目的物を供託するものです。供託をした時に債権が消滅し、債務者は債務から解放されます。管轄は債務の履行地の供託所で、第三者も弁済できる範囲で供託できます。「契約の当事者以外の第三者は,当事者がその弁済について反対の意思を表示した場合には,自ら弁済供託をすることができない」という肢は正しい肢で、第三者弁済が禁止される場面では第三者の弁済供託もできません。

担保供託は裁判上のものと営業上のもので扱いが違います

担保供託には、民事訴訟法や民事保全法に基づく裁判上の担保供託と、宅地建物取引業者の営業保証金のような営業保証供託があります。裁判上の担保供託は第三者もでき、「当事者以外の第三者は,相手方の同意がない場合には,裁判上の保証供託をすることができない」という肢は誤りです。営業保証供託は営業主自身がすべきものとされ、「営業主以外の第三者が営業保証供託をすることは,できない」という肢は正しい肢にあたります。営業保証供託では供託金の差替えや保管替えという固有の手続があり、「営業保証供託に係る供託金の差替えは,供託金の取戻請求権が差し押さえられているときは,することができない」という肢も正しい肢です。

執行供託は差押えを受けた第三債務者がする供託です

執行供託の中心は、民事執行法156条を根拠に、金銭債権を差し押さえられた第三債務者が債務の履行地の供託所にする供託です。裁判所書記官が配当額を供託する場合なども執行供託に含まれますが、出題の軸は第三債務者の供託です。供託の後は執行裁判所が配当などを実施し、払渡しは裁判所の支払委託によります。「第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託するときは,執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない」という肢は誤りで、管轄は債務の履行地です。一部差押えで債権全額を供託したときは、差押金額を超える部分は弁済供託の性質を持ちます。「執行債務者は,供託金のうち,差押金額を超える部分の払渡しを受けることができる」という肢は正しい肢です。

仮差押解放金は債務者本人しか供託できません

仮差押解放金の供託は、仮差押えの執行の停止や取消しを得るために債務者がするもので、民事保全法22条を根拠とします。債務者に代わって第三者が供託することは認められず、「仮差押債務者以外の第三者は,仮差押債権者の同意がある場合には,仮差押解放金の供託をすることができる」という肢は誤りです。仮差押解放金は仮差押えの目的物に代わるもので、債務者の財産でなければ意味がありません。管轄は仮差押命令を発した裁判所または保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所です。

没取供託の典型は選挙供託で、どこの供託所でもできます

没取供託の典型は、候補者が一定の得票に達しないときに供託物を国や地方公共団体が没取する選挙供託にあたります。選挙供託には管轄の定めが無く、「選挙供託は,全国いずれの供託所にもすることができる」という肢は正しい肢です。保管供託は、事業者の財産を保全するために監督官庁の命令でする供託などで、供託物自体を守ることが目的です。没取供託と保管供託は出題が少ないものの、管轄や第三者供託の可否を他の種類と並べて問う肢の中に紛れ込みます。

民事保全法 第22条

(仮差押解放金)
仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 営業保証供託を営業主以外の第三者ができるか(できない。担保官庁の承認があっても不可)
  2. 裁判上の担保供託を第三者がするのに相手方の同意は要るか(要らない)
  3. 仮差押解放金を第三者が供託できるか(できない。債権者の同意があっても不可)
  4. 第三債務者の執行供託の管轄はどこか(債務の履行地の供託所)
  5. 選挙供託の管轄はどこか(全国どこの供託所でもよい)
供託を肢別で解く

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