供託物(金銭・有価証券・振替国債)きょうたくぶつ
供託の目的物で、供託規則が手続を定めるのは金銭・有価証券・振替国債の三つです。有価証券に固有の手続と、電子申請で扱える供託物の範囲が肢で突かれます。
供託物は供託の目的物で、供託法1条は金銭と有価証券を供託所が保管すると定め、供託規則1条はこれに振替国債を加えて手続を定めています。金銭と有価証券以外の物品は、法務大臣が指定した倉庫営業者や銀行が保管します。供託物が何かによって供託書の様式、納入の方法、払渡請求書の通数、電子申請の可否が変わる仕組みです。有価証券には記名式の裏書、代供託・附属供託、保管替えの可否といった固有の論点があります。肢で突かれるのは、金銭ならできて有価証券ならできないことの線引きです。
供託規則 第1条(趣旨)
金銭、有価証券及び振替国債(その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる国債をいう。以下同じ。)の供託に関する手続は、別に定める場合のほか、この省令の定めるところによる。

電子申請ができるのは金銭と振替国債の供託です
供託規則38条1項は、電子情報処理組織を使用してできる供託を金銭または振替国債の供託に限り、供託金・供託金利息・供託振替国債の払渡請求もできるとしています。「有価証券の供託は,電子情報処理組織を使用してすることができる」という肢は誤りです。有価証券は現物を日本銀行に寄託する必要があるからです。「供託金,供託金利息又は供託振替国債の払渡しの請求は電子情報処理組織を使用してすることはできない」という肢も誤りで、払渡請求は電子申請の対象です。
電子申請の払渡しは振込みか国庫金振替に限られます
供託規則43条1項により、電子申請で供託金や利息の払渡しを請求するときは、預貯金振込みの方法または国庫金振替の方法によらなければなりません。「日本銀行宛ての記名式持参人払の小切手の交付を受ける方法,預貯金振込みの方法又は国庫金振替の方法のいずれの方法によっても,払渡しを受けることができる」という肢は誤りです。小切手の交付は窓口で受領を証させる手続なので、電子申請とは噛み合いません。書面の払渡請求なら、小切手・振込み・国庫金振替のいずれかを請求書で選びます。
有価証券の払渡請求書は2通で、株券以外の記名式には裏書が要ります
供託規則22条1項は、供託物が有価証券または振替国債のときは供託物払渡請求書を2通提出させます。「供託物の払渡請求をする者は,供託物が有価証券である場合には,供託物払渡請求書2通を提出しなければならない」という肢は正しい肢です。株券を除く記名式有価証券を供託するときは、還付を受けた者が直ちに権利を取得できるように裏書するか譲渡証書を添付し、その旨を供託書に記載します。供託した有価証券の償還金や利息・配当金は、供託物を受け取るべき者の請求により、供託所が償還金は代供託、利息や配当金は附属供託として受け取って保管します。保証金に代えて有価証券を供託したときは、供託者が利息や配当金の払渡しを請求できる点が例外です。
供託金額と有価証券の枚数は訂正できず、払渡請求金額は訂正できます
供託書や払渡請求書に書く供託金額、有価証券の枚数と総額面は、供託規則により訂正・加入・削除をしてはならないとされています。「供託書に記載した有価証券の枚数については、訂正、加入又は削除をしてはならない」という肢は正しい肢です。他方で、払渡請求書に書く払渡しを請求する金額は訂正できます。「供託物払渡請求書に記載した払渡請求金額については,訂正をすることができる」という肢は正しい肢で、「払渡しを請求する供託金の額については、訂正、加入又は削除をしてはならない」という肢は誤りです。
保管替えは金銭の営業保証供託に限られます
営業保証供託をした事業者が主たる事務所を移転して最寄りの供託所が変わったとき、供託金を移転後の供託所に移す手続が保管替えです。供託実務では、保管替えは金銭を供託している場合にしか認められず、有価証券の供託では新たに供託し直して従前の供託物を取り戻します。「有価証券を供託している事業者がその主たる事務所を移転した…ときは,当該事業者は,移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への供託物の保管替えを請求することができる」という肢は誤りです。保管替えが認められる場合でも、供託金の取戻請求権が差し押さえられているときは保管替えを請求できません。
供託規則 第38条第1項次に掲げる供託又は請求(以下「供託等」という。)は、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号。以下「情報通信技術活用法」という。)第六条第一項の規定により、同項に規定する電子情報処理組織を使用してすることができる。ただし、当該供託等は、法務大臣が定める条件に適合するものでなければならない。
一 金銭又は振替国債の供託(これと同時にする第四十二条第一項の書面の交付又は送付の請求を含む。)
二 供託金、供託金利息又は供託振替国債の払渡しの請求
試験ではこう問われる
- 有価証券の供託を電子申請でできるか(できない。金銭と振替国債だけ)
- 電子申請の払渡しで小切手の交付を受けられるか(受けられない。振込みか国庫金振替)
- 有価証券の払渡請求書は何通か(2通。株券以外の記名式有価証券の供託には裏書か譲渡証書)
- 払渡請求書の払渡請求金額は訂正できるか(できる。供託金額や有価証券の枚数は訂正不可)
- 有価証券の営業保証供託で保管替えを請求できるか(できない。金銭の供託に限る)
この用語が問われた肢
有価証券の供託は,電子情報処理組織を使用してすることができる。
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