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供託金の配当と執行裁判所きょうたくきんのはいとうとしっこうさいばんしょ

供託 第3章 執行供託と保証供託 過去問で12肢

執行供託された金銭を執行裁判所が配当等で分け、供託規則30条の支払委託書と証明書によって供託所が払い渡す流れです。差押債権者が直接還付請求できないこと、証明書の添付が要る場合、差押えの取下げ後の払渡しが肢で突かれます。

供託金の配当と執行裁判所は、執行供託された金銭の払渡しが、供託所ではなく執行裁判所の配当等を通じて決まる仕組みを指します。民事執行法166条1項は、156条の供託があった場合に執行裁判所が配当等を実施しなければならないと定めます。配当が決まると、供託規則30条により裁判所が供託所に支払委託書を送付し、払渡しを受ける者に証明書を交付します。肢で突かれるのは、差押債権者が供託所に直接還付請求できないこと、証明書の添付がいつ要るか、差押えが取り下げられたときに誰が払渡しを受けるかです。

民事執行法 第166条第1項

執行裁判所は、第百六十一条第七項において準用する第百九条に規定する場合のほか、次に掲げる場合には、配当等を実施しなければならない。
一 第百五十六条第一項から第三項まで又は第百五十七条第五項の規定による供託がされた場合
二 売却命令による売却がされた場合
三 第百六十三条第二項の規定により売得金が提出された場合

裁判所の職員が天秤で硬貨を二人の債権者に分け、供託所の職員が金庫から袋を取り出して裁判所の職員に渡している
執行供託の払渡しは、執行裁判所の配当と支払委託書によって供託所が払い渡します
差押債権者は直接還付できない支払委託書と証明書取下げ後は債務者が直接払渡し

執行供託の払渡しは執行裁判所の支払委託によります

執行供託では供託の時点で誰がいくら受け取るかが決まっていないので、第三債務者の事情届を受けた執行裁判所が配当等を実施します。配当が確定すると、裁判所が供託所に支払委託書を送り、受取人に証明書を交付するのが供託規則30条1項の流れです。差押債権者は取立権を持っていても、供託所に直接還付請求をすることはできません。「金銭債権が差し押さえられた場合において,第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託したときは,差押債権者は,その取立権に基づき供託所に直接還付請求をすることができる」という肢は誤りです。執行裁判所を通す点が、被供託者が直接還付請求する弁済供託や保証供託との違いです。

支払委託書で受取人が分からないときは証明書を添付します

支払委託を受けた供託所は、支払委託書の記載から払渡しを受けるべき者が明らかであれば、裁判所の証明書なしで払い渡します。印鑑証明書や代理人の権限を証する書面の要否は別に判断します。記載から明らかにならないときは、供託規則30条2項により請求者が裁判所の交付した証明書を払渡請求書に添付します。「執行供託における供託金の払渡しをすべき場合において、裁判所から供託所に送付された支払委託書の記載から供託金の払渡しを受けるべき者であることが明らかとならないときは、供託金の払渡しを受けるべき者は、供託物払渡請求書に裁判所から交付された証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。配当を受ける執行債権者が還付請求するときに証明書を添付しなければならないとする肢も正しい肢として出題されています。供託書には差押命令の謄本を添付する必要はなく、「金銭債権が差し押さえられた場合において、第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託するときは、供託書に、執行裁判所の差押命令の謄本を添付しなければならない」という肢は誤りです。

差押えが取り下げられると債務者が直接払渡しを受けられます

供託の後に差押命令の申立てが取り下げられると、配当を実施する前提が消え、供託金は執行債務者に帰属します。供託実務では債務者が支払委託によらずに供託所へ直接払渡しを請求できる扱いで、第三債務者が取り戻すのではありません。「金銭債権が差し押さえられ、第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託した後、その差押命令の申立てが取り下げられた場合には、債務者は、執行裁判所の支払委託に基づかずに直接供託金の払渡しの請求をすることができる」という肢は正しい肢です。「金銭債権が差し押さえられ,第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託した後,その差押命令の申立てが取り下げられた場合には,第三債務者は,供託原因が消滅したことを払渡請求事由として,供託金を取り戻すことができる」という肢は誤りです。第三債務者は供託によって債務を免れており、取下げで債務が復活するわけではありません。

一部差押えで全額を供託したときの超過部分は債務者が還付を受けます

債権の一部だけが差し押さえられた債権の全額を供託したときは、差押えを超える部分は執行債務者への弁済供託です。だから超過部分は配当の対象にならず、執行債務者が供託を受諾して供託所に直接還付請求をします。「金銭債権の一部が差し押さえられた場合において,第三債務者が差押えに係る債権の全額に相当する金銭を供託したときは,執行債務者は,供託金のうち,差押金額を超える部分の払渡しを受けることができる」という肢は正しい肢です。差押金額の部分だけが執行裁判所の配当に回り、支払委託で払い渡されます。

配当実施後の利息は配当金の割合に応じて払い渡されます

供託金の利息は元金と同時に払い渡すのが原則ですが、執行供託では配当の実施時点までの利息が配当の対象になります。配当実施後に生じた利息は、配当実施以後払渡しの前月までの分が配当金の割合に応じて各受取人に払い渡されます。「執行供託における供託金の払渡しの場合には,執行裁判所の配当の実施後に生じた利息については,配当実施以後払渡しの前月までの利息が配当金の割合に応じて払い渡される」という肢は正しい肢です。供託規則33条により受入れの月と払渡しの月の利息は付かないので、前月までという区切りになります。

供託規則 第30条第1項

配当その他官庁又は公署の決定によつて供託物の払渡しをすべき場合には、当該官庁又は公署は、供託物の種類に従い、供託所に第二十七号から第二十八号の二までの書式の支払委託書を送付し、払渡しを受けるべき者に第二十九号書式の証明書を交付しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 差押債権者が供託所に直接還付請求できるかのように書く肢
  2. 支払委託書と裁判所の証明書のどちらがいつ要るかを問う肢
  3. 差押えの取下げ後に第三債務者が取り戻せるとする肢
  4. 一部差押えで全額を供託したときの超過部分を誰が受け取るかを問う肢
  5. 配当実施後の利息の払渡しの期間と割合を問う肢

この用語が問われた肢

R5 問9 エ正しい

執行供託における供託金の払渡しをすべき場合において、裁判所から供託所に送付された支払委託書の記載から供託金の払渡しを受けるべき者であることが明らかとならないときは、供託金の払渡しを受けるべき者は、供託物払渡請求書に裁判所から交付された証明書を添付しなければならない。

R7 問10 ウ誤り

金銭債権が差し押さえられた場合において、第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託するときは、供託書に、執行裁判所の差押命令の謄本を添付しなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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