供託所きょうたくしょ
供託物を受け入れて保管し、払渡しをする国の機関で、金銭と有価証券は法務局・地方法務局・その支局・指定された出張所が担います。金銭や有価証券以外の物をどこに供託するか、どの供託所に出すかが肢で突かれます。
供託所は、供託物を受け入れて保管し、権利者に払い渡す国の機関です。供託法1条により、金銭と有価証券の供託所は法務局・地方法務局・その支局と、法務大臣が指定する出張所です。振替国債も供託規則の定めにより同じ供託所が扱い、金銭と有価証券以外の物品は、供託法5条により法務大臣が指定する倉庫営業者または銀行が保管します。法令に特別の定めが無いときは、民法495条2項により裁判所が供託所を指定して保管者を選任します。肢で突かれるのは、どの機関が供託所になるかと、供託所に対する手続の作法です。
供託法 第1条法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭及ヒ有価証券ハ法務局若ハ地方法務局若ハ此等ノ支局又ハ法務大臣ノ指定スル此等ノ出張所カ供託所トシテ之ヲ保管ス

金銭と有価証券は法務局系の供託所、物品は指定倉庫や銀行です
供託所という名前の独立した役所があるわけではなく、法務局や地方法務局の中に供託の窓口が置かれています。すべての出張所が供託所になるわけではなく、法務大臣が指定した出張所だけです。金銭と有価証券以外の物品を供託するときは、法務大臣が指定した倉庫営業者や銀行が供託所の役割を担います。倉庫営業者や銀行は、営業の部類に属する物で保管できる数量に限って保管の義務を負い、一般の保管料を請求できます。
履行地に供託所が無ければ最寄りの供託所で足ります
弁済供託は債務の履行地の供託所にします。「弁済供託は,債務の履行地の供託所にしなければならないが,債務の履行地の属する行政区画内に供託所がない場合には,その地を包括する行政区画内における最寄りの供託所にすれば足りる」という肢は正しい肢です。市町村に供託所が無ければ、その市町村を含む都道府県の中で最寄りの供託所を選ぶことになります。供託所の表示は供託書の記載事項で、管轄を誤ると本来は無効です。ただし被供託者が受諾や還付をすれば、有効な供託として扱われます。
同じ供託所に同時に出す供託の添付書類は一通で足ります
供託規則15条は、同一の供託所に同時に数個の供託をする場合に、添付書類に内容の同一のものがあれば一個の供託書に一通を添付すれば足りるとします。他の供託書には、その旨を記載します。「同一の供託所に対して同時に数個の供託をするときは,各供託書に添付すべき書類が同一であっても,各供託書ごとに当該書類を添付しなければならない」という肢は誤りです。払渡しの側でも、同一人が数個の供託について同時に払渡しを請求し事由が同じなら一括して請求できます。
供託金の受入れを扱う供託所では供託書とともに供託金を出します
供託金の受入れを取り扱う供託所に金銭の供託をするときは、供託規則20条により供託書とともに供託金を提出します。日本銀行に納入する方式ではなく、供託官が受理したときに供託書正本に受領した旨を記載して交付します。「供託金の受入れを取り扱う供託所に対して供託書を送付して金銭の供託をする場合には、供託所から送付を受けた供託書正本と保管金払込書を日本銀行の本店、支店又は代理店に提出して供託金の納入をすることができる」という肢は誤りです。郵送で供託するときは、供託書とともに供託金を現金書留で送付するか、金融機関の口座への振込みや供託官が告知する納付情報による納付を申し出ます。
供託所への還付請求は権利者が自ら行い、配当手続とは別です
供託所は、還付を受ける権利を証する書面を添えた払渡請求に応じて払い渡します。「民事訴訟における被告が訴訟費用の担保として供託された供託金の払渡しを受けようとする場合には、裁判所の配当手続によらず、供託所に対して還付を請求する方法によらなければならない」という肢は正しい肢です。他方で、金銭債権の差押えを受けた第三債務者が供託した金銭を処理するのは執行裁判所です。「差押債権者は,その取立権に基づき供託所に直接還付請求をすることができる」という肢は誤りで、執行裁判所の支払委託を経て払渡しを受けます。
供託法 第5条第1項法務大臣ハ法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭又ハ有価証券ニ非サル物品ヲ保管スヘキ倉庫営業者又ハ銀行ヲ指定スルコトヲ得
試験ではこう問われる
- 金銭以外の物品の供託所はどこか(法務大臣が指定する倉庫営業者や銀行。指定が無ければ裁判所が指定)
- 履行地に供託所が無いときはどうするか(包括する行政区画内の最寄りの供託所で足りる)
- 同一供託所に同時に数個の供託をするとき添付書類は供託書ごとに要るか(一通で足りる。他の供託書にその旨を記載)
- 供託金の受入れを扱う供託所に郵送で供託するとき日本銀行に納入できるか(できない。現金書留・振込み・納付情報による)
- 訴訟費用の担保供託の還付は配当手続によるか(よらない。供託所に還付請求する)
この用語が問われた肢
同一の供託所に対して同時に数個の供託をする場合には、供託書の添付書類に内容が同一のものがあるときであっても、供託書ごとに当該添付書類を添付しなければならない。
供託金の受入れを取り扱う供託所に対して供託書を送付して金銭の供託をする場合には、供託所から送付を受けた供託書正本と保管金払込書を日本銀行の本店、支店又は代理店に提出して供託金の納入をすることができる。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。