単元株式数の定めたんげんかぶしきすうのさだめ
単元株式数の定めとは、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において1個の議決権を行使することができる1単元の株式とする旨の定款の定めです(会社法188条1項)。単元株式数は1,000と発行済株式の総数の200分の1のいずれも超えることができず、種類株式発行会社では株式の種類ごとに定めます(同条2項・3項)。
1株しか持たない株主が何万人もいると、全員に招集通知を送り議決権を数える手間と費用が膨らみます。そこで「100株で1議決権」のように、一定の数の株式をまとめて1単元とし、単元ごとに1個の議決権を与える仕組みが単元株制度です。少額の出資者の権利を絞って株主管理のコストを減らす制度なので、株主平等原則の例外として会社法が特に認めたものであり、1単元の上限が決められ、新しく定めるときには取締役が理由を説明します。逆に単元を小さくしたり廃止したりすることは株主に有利なだけなので、株主総会の決議なしにできます。

単元株式数は定款で定め、1,000と発行済株式の総数の200分の1のどちらも超えられません
会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において1個の議決権を行使できる1単元の株式とする旨を定款で定めることができます(188条1項)。この定めは、1株1議決権(308条1項)の例外であり、株式の数に応じた平等な取扱いの例外に当たります。単元株式数は法務省令で定める数を超えられず(188条2項)、その上限は1,000と発行済株式の総数の200分の1に当たる数のいずれも超えない数です(会社法施行規則34条)。発行済株式の総数が10万株なら200分の1は500なので500を超えられず、20万株なら1,000を超えられません。単元株式数を定める定款変更をする株主総会では、取締役が単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければなりません(190条)。株式の分割と同時に単元株式数を定め又は増やす場合で、各株主の議決権の数が減らないときは、株主総会の決議によらずに定款を変更できます(191条)。
種類株式発行会社では株式の種類ごとに定め、種類によって違う数にできます
種類株式発行会社では、単元株式数は株式の種類ごとに定めなければなりません(188条3項)。種類ごとに市場価格や権利の内容が違うので、種類ごとに合理的な単元を決められるようにしたもので、同じ数にする必要はありません。A種株式とB種株式を10万株ずつ発行している会社が、A種株式の単元株式数を100株、B種株式を1,000株とすることもできます。どちらも1,000以下で、各種類の発行済株式の総数の200分の1である500以下という条件も満たしているからです。

単元株式数の減少や単元株制度の廃止は、株主総会の決議によらずに取締役の決定でできます
単元株式数を減らすことや単元株式数の定めを廃止することは、議決権の無かった株主に議決権を与える方向の変更で株主に不利益が無いので、会社は466条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社では取締役会の決議)によって定款を変更できます(195条1項)。変更後は遅滞なく株主に通知するか公告します(同条2項・3項)。「取締役会設置会社は、取締役会の決議によって、定款を変更して単元株式数を減少することができる」という肢(R6 問29 オ)は正しいです。取締役会設置会社でない会社でも取締役の決定で足ります。これに対し、単元株式数を新たに定め又は増やす定款変更は、191条の場合を除き株主総会の特別決議が要ります。
単元株式数の定款変更の手続
- 新設・増加: 株主総会の特別決議(466条・309条2項11号)。取締役は理由を説明する(190条)
- 株式の分割と同時の新設・増加で各株主の議決権の数が減らないとき: 株主総会の決議は不要(191条)
- 減少・廃止: 取締役の決定(取締役会設置会社では取締役会の決議)で足りる(195条1項)。株主への通知又は公告
会社法 第188条(単元株式数)
株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。
前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。
種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
会社法 第195条第1項株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。
試験ではこう問われる
- 単元株式数は定款で定め、株主平等原則の例外として認められた制度である(188条1項)
- 上限は1,000かつ発行済株式の総数の200分の1で、種類株式発行会社では種類ごとに定めて種類によって数が違ってよい(188条2項・3項)
- 単元株式数を定める定款変更では取締役が理由を説明し、株式の分割と同時の新設・増加で議決権の数が減らなければ株主総会の決議は要らない(190条・191条)
- 単元株式数の減少・廃止は、取締役の決定(取締役会設置会社では取締役会の決議)でできる(195条1項。R6 問29 オ ○)
- 設立時の定款に単元株式数の定めが無いときに、後から発起人全員の同意で定めて設立の登記を申請することはできない(188条1項・30条2項。R3 午後 問28 エ ×)
- 単元株式数は登記事項である(911条3項8号)

