採石権さいせきけん
他人の土地で岩石や砂利を採取する、採石法が定める物権です。存続期間が必要的な登記事項であることと上限20年、採石料が任意の事項であることが肢で突かれます。
採石権は、他人の土地で岩石や砂利を採取する権利で、採石法が定める物権です。設定行為で存続期間を定め、採石料を支払うのが通常で、採石法に別段の定めがない限り地上権の規定が準用されます。不動産登記法82条は、存続期間を必ず書き、採石権の内容や採石料・支払時期の定めがあればその定めを登記事項にしています。肢に出るときは、地上権・永小作権・賃借権と登記事項を横並びにして必要的な事項を入れ替える形です。
不動産登記法 第82条(採石権の登記の登記事項)
採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 存続期間
二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め

存続期間は必要的な登記事項で、20年を超えられません
採石法は採石権の存続期間を20年以内と定め、設定行為でこれより長い期間を定めても20年に縮まります。更新はできますが、更新後の期間も20年を超えられません。設定は契約によるのが原則で、所有者が応じないときに裁定で設定する仕組みも採石法にあります。期間が権利の要素なので、不動産登記法82条1号は存続期間を必ず登記する事項にしており、定めのない採石権は登記できません。地上権の存続期間が任意の事項で永久も認められるのと対照的です。
採石料や権利の内容は定めがあるときに登記します
採石権の内容とは、採取する岩石の種類や採取の方法など、設定行為で決めた権利の範囲です。採石料とその支払時期も含めて、定めがあるときはその定めが登記事項になり、定めがなければ書きません。地上権の地代や賃借権の支払時期と同じく任意の事項で、永小作権の小作料のように必ず書く事項ではありません。登記事項の比較では、必ず書く事項が「賃料」「小作料」「存続期間」のどれに当たるかで権利を見分けます。
設定は所有者との共同申請で、地上権と同じ添付情報です
契約による採石権の設定の登記は、土地の所有権の登記名義人を登記義務者、採石権者を登記権利者とする共同申請です。添付情報は登記原因証明情報、登記義務者の登記識別情報と印鑑証明書、代理人によるなら代理権限証明情報で、地上権の設定と変わりません。裁定による設定には採石法に別の申請手続の定めがあります。設定の登記の申請情報には、存続期間に加えて、採石権の内容を定めたときはその内容も記載します。登録免許税は設定が不動産の価額の1000分の10で、地上権・永小作権・賃借権と同じ区分です。
四つの用益権は必要的な登記事項と期間の枠で見分けます
地上権は設定の目的が必要的で、地代と存続期間は任意、期間に法律上の上限はありません。永小作権は小作料が必要的で、期間は20年以上50年以下、定めがなければ30年です。賃借権は賃料が必要的で、民法上の上限は50年、建物所有を目的とする普通借地権なら借地借家法で30年以上になります。採石権は存続期間が必要的で、上限は20年です。肢は四つの行を縦に入れ替えて作られるので、権利ごとに必ず書く事項と期間の枠を対にして覚えるのが近道です。
地上権の規定が準用され、譲渡や抵当権の設定ができます
採石権は物権なので、所有者の承諾なしに譲渡でき、採石権を目的とする抵当権も設定できます。移転の登記は譲渡人と譲受人の共同申請で、所有権以外の権利の移転として付記登記でされます。地上権と同じく、存続期間が満了しても登記は当然には消えず、抹消の登記を申請します。抹消の登記義務者は採石権者で、所有権の登記名義人ではないので印鑑証明書は原則として要りません。
民法 第265条(地上権の内容)
地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。
試験ではこう問われる
- 採石権の登記で必ず書く事項は何か(存続期間。地上権の存続期間は任意)
- 採石権の存続期間の上限は何年か(20年。更新できる)
- 採石料は必要的な登記事項か(定めがあるときだけ)
- 採石権の設定の申請人と印鑑証明書はどうなるか(所有者との共同申請。所有者の印鑑証明書が要る)
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