司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

地上権の存続期間・地代ちじょうけんのそんぞくきかんちだい

不動産登記 第8章 用益権・その他の権利 過去問で12肢

地上権の登記事項のうち、定めがあるときだけ登記する任意の事項です。永久や不確定な期日の可否、期間の満了が登記に及ぼす影響、地代や期間の変更・更正で誰が権利者になるかが肢で突かれます。

地上権の存続期間と地代は、地上権の登記事項のうち定めがあるときだけ登記する任意の事項です。民法は地上権の存続期間に上限も下限も置かず、定めがなければ民法268条により放棄や裁判所の決定で処理されます。地代は無償の地上権もあるので任意で、支払時期の定めも同じです。肢で突かれるのは、永久や不確定な期日の定めの可否、期間の満了が登記に及ぼす影響、地代や期間の変更・更正で誰が権利者になるかです。

不動産登記法 第78条第1項第3号

存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め

土地に建てた家の前で所有者に硬貨の袋を渡す地上権者、二人の間に大きなカレンダー
地上権の存続期間と地代は任意の登記事項で、永久の定めも登記できます
永久でも定めなしでも可満了しても登記は残る延長の承諾がなければ主登記

存続期間は永久でも定めなしでもよく、賃借権と違います

地上権には民法上の期間制限がないので、「永久」と定めて登記できます。「地上権の存続期間を「永久」として,地上権の設定の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。定めがない地上権も登記でき、その場合は申請情報に存続期間を書きません。民法604条が適用される賃借権は50年が上限なので、同じ肢の中で地上権と賃借権を入れ替えて期間の可否を問う形が多く出ます。建物所有を目的とする普通の地上権では借地借家法3条により存続期間が30年以上になるため、定期借地権の型を使わない限り、それより短い期間をそのまま登記することはできない扱いです。

地代は任意の登記事項で、単位と期間を付けて記載します

地代の定めがあるときは、「1平方メートル1年金1万円」のように金額と期間を申請情報の内容にし、支払時期の定めがあればそれも記載します。地代の定めがなければ無償の地上権として登記され、後から地代を定めたときは変更の登記をします。登記した地代の額が実際の契約と違っていれば更正の登記で直し、「Aを登記権利者,Bを登記義務者としなければならない」という肢は、地代を増やす更正なので正しい肢です。地代を減らす更正なら地上権者が登記権利者になります。

期間が満了しても登記は残り、抹消と再設定の順序が問われます

存続期間が満了して更新もなければ地上権は消滅しますが、登記は抹消の申請をするまで残ります。「当該登記を抹消することなく,当該土地に,重ねて別個の地上権の設定の登記を申請することができる」という肢は誤りです。抹消には地上権を目的とする抵当権者の承諾が要り、「株式会社D銀行の承諾を証する情報又は株式会社D銀行に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供することを要する」という肢は正しい肢です。登記記録上満了した地上権が区分建物の敷地権であるときも、敷地権の消滅が申請情報や添付情報から明らかでなければ、区分建物の所有権の移転の登記はできます。

期間や地代の変更は承諾の有無で付記か主登記かが決まります

存続期間を延ばす変更では、土地を目的とする後順位の抵当権者が利害関係人で、承諾がなければ主登記でされます。「株式会社D銀行に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなかったときは、当該登記は付記登記によってされる」という肢は誤りです。短縮では地上権を目的とする抵当権者が利害関係人になり、承諾がなければ主登記になります。変更の登記で抹消された地代の定めを回復するときは付記登記で、「地上権の変更の登記により抹消された地代の定めの回復の登記は,付記登記によってされる」という肢は正しい肢です。質権の存続期間は登記事項ですが、抵当権には存続期間の定めがなく、「質権の登記と抵当権の登記のいずれについても登記事項にはなりません」という解答は誤りです。

民法 第268条

(地上権の存続期間)
設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合において、別段の慣習がないときは、地上権者は、いつでもその権利を放棄することができる。ただし、地代を支払うべきときは、一年前に予告をし、又は期限の到来していない一年分の地代を支払わなければならない。
地上権者が前項の規定によりその権利を放棄しないときは、裁判所は、当事者の請求により、二十年以上五十年以下の範囲内において、工作物又は竹木の種類及び状況その他地上権の設定当時の事情を考慮して、その存続期間を定める。

試験ではこう問われる

  1. 地上権の存続期間を永久とする登記はできるか(できる)
  2. 地代を増やす更正の登記で登記権利者は誰か(所有者)
  3. 存続期間が満了した地上権の登記を抹消せずに別の地上権を設定できるか(できない)
  4. 存続期間の延長の変更で後順位抵当権者の承諾がないとどうなるか(主登記)
  5. 抵当権に存続期間の定めは登記事項か(ならない。質権はなる)

この用語が問われた肢

R2 問20 イ誤り

地上権の存続期間を「永久」として,地上権の設定の登記を申請することはできない。

R2 問20 オ誤り

地目が畑である土地の賃借権について,存続期間を 70 年とする賃借権の設定の登記を申請することができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

不動産登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

用益権・その他の権利

地上権の登記

他人の土地で工作物や竹木を所有するために土地を使う権利を乙区に公示する登記で、所有者と地上権者の共同申請です。設定...
抵当権と根抵当権

抵当権の登記事項(債権額・利息・損害金・債務者)

抵当権の登記に記録する事項は、債権額と債務者を必ず書き、利息・損害金・条件などは定めがあれば書きます。どれが必須で...
変更・更正・抹消

更正登記

登記をした時点から登記と実体が一致していなかったとき、錯誤や遺漏のある部分を正しい内容に改める登記です。誰が申請人...
用益権・その他の権利

用益権の変更・抹消

地上権・地役権・賃借権などの登記事項を後から直し、または権利の消滅を登記記録から消す登記です。誰が利害関係人か、存...
用益権・その他の権利

賃借権の登記事項(賃料・敷金・譲渡転貸の許否)

不動産登記法81条が定める賃借権と転貸の登記に固有の事項で、賃料は必ず書き、ほかは定めがあるときに書きます。どの定...