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立木・鉱業権と登記りゅうぼくこうぎょうけんととうき

不動産登記 第12章 信託・その他の登記

土地に生えている樹木の集団である立木を、立木法の登記によって土地から独立した不動産として扱う仕組みと、鉱業権が不動産登記ではなく鉱業原簿への登録で公示される仕組みです。不動産登記法で登記できる権利の範囲との対比が肢で突かれます。

立木は、一筆の土地またはその一部に生えている樹木の集団で、立木ニ関スル法律により所有権の保存の登記をしたものです。登記をした立木は土地とは別の不動産とみなされ、土地と切り離して所有権を譲渡し、抵当権の目的にできるものです。鉱業権は、登録を受けた一定の土地の区域で鉱物を掘り採り取得する権利で、鉱業法により物権とみなされますが、公示は不動産登記ではなく鉱業原簿への登録によります。立木は土地・建物とは別の登記簿で所有権や抵当権を公示する客体で、鉱業権は不動産登記法3条の登記できる権利に入らない権利です。採石権が不動産登記法で登記できることと比べて位置づけを問われるのが試験の形です。

不動産登記法 第3条

(登記することができる権利等)
登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。
一 所有権
二 地上権
三 永小作権
四 地役権
五 先取特権
六 質権
七 抵当権
八 賃借権
九 配偶者居住権
十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。)

木の集団に札が掛かり、職員が土地とは別の台帳に書き込み、奥の採掘者は別の役所へ向かう
登記した立木は土地から独立した不動産で、鉱業権は鉱業原簿に登録されます
立木登記簿登記のない立木は明認方法鉱業権は不動産登記できない・採石権はできる

登記した立木は土地から独立した不動産になります

樹木は本来は土地の定着物で、土地の所有権の一部として扱われます。立木ニ関スル法律は、土地に生えている樹木の集団について所有者が所有権の保存の登記をすると、その立木を土地とは別の独立した不動産とみなします。登記した立木は、土地の所有権や地上権から切り離して譲渡でき、立木だけを目的とする抵当権の設定もできます。土地を処分しても立木は当然には移らず、立木を処分しても土地は動かないという分離が、登記によって生まれるのです。

立木の登記は立木登記簿にされ、不動産登記簿とは別です

立木の登記は、不動産登記法の登記記録ではなく、立木ニ関スル法律が定める立木登記簿にされます。立木の所有権の保存の登記は、立木の所有者が申請します。登記記録の仕組みや権利に関する登記の手続は不動産登記法を準用する部分が多いものの、土地の登記記録に立木の権利が記録されるわけではありません。立木登記簿には立木の所有権・先取特権・抵当権が記録され、土地の登記記録とは別の登記簿で立木についての権利を公示する制度です。

登記していない立木は明認方法で公示します

立木の登記をしていない樹木の集団は、原則として土地の一部として扱われますが、取引上は独立した所有権の対象になり得ます。判例は、登記のない立木を土地から独立して取引の対象にできるとし、立札や木の皮を削って所有者名を書くなどの明認方法を対抗要件として認めています。明認方法は第三者が利害関係を持つ時点まで続いていなければ対抗できず、消えてしまえば対抗力も失われます。立木の登記は、この不安定な明認方法に代わる恒久的な公示方法だという位置づけです。

鉱業権は鉱業原簿に登録され、不動産登記法では登記できません

鉱業権は、鉱業法により物権とみなされ、鉱業法に別段の定めがある場合を除いて不動産に関する規定が準用されるものです。しかし公示は不動産登記ではなく、経済産業局が備える鉱業原簿への登録によります。鉱業権の設定や譲渡による移転、採掘権を目的とする抵当権の設定は、鉱業原簿への登録が効力要件で、相続などの一般承継には例外があります。抵当権の目的になるのは採掘権で、試掘権は目的になりません。不動産登記法3条に鉱業権は挙げられていないので、鉱業権の登記を不動産の登記所に申請することはできません。

採石権は不動産登記法で登記でき、鉱業権と区別します

他人の土地で岩石や砂利を採取する採石権は、採石法で設定される物権で、不動産登記法3条10号により登記できる権利に入っています。採石権は土地の登記記録の乙区に設定の登記がされ、存続期間や採石料などが登記事項です。鉱業権が鉱業原簿、立木が立木登記簿、採石権が不動産登記簿と、似た名前の権利で公示の場所が三つに分かれます。試験では、どの権利がどの登記簿または原簿で公示されるかを入れ替えて正誤を問う形が考えられます。

民法 第86条

(不動産及び動産)
土地及びその定着物は、不動産とする。
不動産以外の物は、すべて動産とする。

試験ではこう問われる

  1. 登記した立木は土地とどういう関係になるか(土地から独立した不動産。別に譲渡や抵当権の目的にできる)
  2. 立木の登記はどの登記簿にされるか(立木登記簿。不動産登記簿ではない)
  3. 登記のない立木の公示方法は何か(明認方法。独立の所有権の対象にはなるが、明認方法が消えれば対抗力も失う)
  4. 鉱業権は不動産登記法で登記できるか(できない。鉱業原簿に登録する)
  5. 採石権は不動産登記法で登記できるか(できる。3条10号)
不動産登記を肢別で解く

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