合筆の制限ごうひつのせいげん
不動産登記法41条が列挙する、合筆の登記をすることができない土地の組合せです。どの組合せなら合筆でき、所有権以外の権利の登記があるときの例外は何かが肢で突かれます。
合筆の制限は、不動産登記法41条が列挙する、合筆の登記をすることができない6つの場合です。相互に接続していない土地、地目や地番区域が違う土地、表題部所有者や所有権の登記名義人が違う土地が前半の三つです。持分が違う土地、所有権の登記の有無が違う土地、所有権以外の権利の登記がある土地が後半の三つです。一筆の土地の登記記録は一つの地目、一組の所有者、一つの権利関係を前提に作られているので、それが揃わない土地を一つにはできません。肢で突かれるのは、6つの制限の中身と、所有権以外の権利の登記があっても合筆できる例外です。
不動産登記法 第41条第1項次に掲げる合筆の登記は、することができない。
一 相互に接続していない土地の合筆の登記
二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記
四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記
五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記
六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記

接続していない土地や地目・地番区域が違う土地は合筆できません
合筆後の土地は一筆として地図に描けなければならないので、相互に接続していない土地は合筆できません。角だけが接している土地も接続しているとはいえないと扱われています。地目が違う土地も合筆できず、畑と宅地を一筆にしたければ先に地目の変更の登記をします。地番区域が違う土地も合筆できないので、字をまたぐ二筆は通常は地番区域が違って一つにできません。地番区域は市区町村や字を単位に登記所が定めるので、字が違えば別の地番区域かを確かめます。接続と地目と地番区域の三つは、所有者が同じでも土地の側の事情で止まる制限です。
所有者・持分・所有権の登記の有無が違う土地も合筆できません
表題部所有者または所有権の登記名義人が相互に異なる土地は合筆できず、共有地では持分が相互に異なる土地も合筆できません。AB各2分の1の土地とAB3分の2・3分の1の土地は、所有者が同じでも持分が違うので合筆の対象外です。持分を揃える持分の移転の登記を先にすれば合筆できます。所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地の組合せも合筆できないので、一方に所有権の保存の登記を入れて揃えます。表題部所有者同士の土地なら、所有権の登記がなくても同一人であれば合筆できます。登記名義人の住所や氏名の表記が違っていれば、同一人であることが登記記録から読めるように変更の登記を先にするのが実務の扱いです。
所有権以外の権利の登記があると原則合筆できません
所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地は原則として合筆できません。例外として不動産登記規則105条が列挙するのは、承役地についてする地役権の登記と、登記の目的・受付年月日・受付番号・登記原因と日付が同一の担保権の登記です。登記事項が同一の信託の登記と登録番号が同一の鉱害賠償登録に関する登記も加わります。承役地の地役権は土地の一部にしか及ばないことがあり、合筆後も範囲を記録して存続させられるので例外に入っているわけです。同じ抵当権者の抵当権でも受付番号が違えば合筆できず、同日に一の申請情報で設定した共同抵当なら合筆できます。所有権の移転の仮登記や買戻しの特約の登記、差押えの登記がある土地も、所有権の登記そのものではないので合筆できないと扱われています。
建物の合併にも同じ型の制限があり、特例は担保権と信託だけです
建物の合併の登記にも不動産登記法56条が同じ型の制限を置いています。共用部分である旨の登記がある建物、所有者や持分が違う建物、所有権の登記の有無が違う建物、所有権等の登記以外の権利の登記がある建物は合併できません。例外は不動産登記規則131条の、受付番号などが同一の担保権の登記と登記事項が同一の信託の登記の2つで、建物には地役権がないので地役権の例外はありません。土地の41条と建物の56条を並べて覚えると、肢の入れ替えに気づけるはずです。
不動産登記規則 第105条第1項法第四十一条第六号の合筆後の土地の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。
一 承役地についてする地役権の登記
二 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの
三 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの
四 鉱害賠償登録令(昭和三十年政令第二十七号)第二十六条に規定する鉱害賠償登録に関する登記であって、鉱害賠償登録規則(昭和三十年法務省令第四十七号)第二条に規定する登録番号が同一のもの
試験ではこう問われる
- 地目が違う土地、地番区域が違う土地は合筆できるか(できない)
- 所有者が同じでも持分が違う共有地は合筆できるか(できない)
- 同じ抵当権者の抵当権がある二筆は合筆できるか(登記の目的・受付番号・原因日付が同一で他の制限にも当たらなければ可。違えば不可)
- 承役地の地役権の登記がある土地は合筆できるか(できる)
- 建物の合併の制限で地役権の例外はあるか(ない。担保権と信託だけ)
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