支店の設置・移転・廃止してんのせっちいてんはいし
会社が支店を新しく設け、場所を移し、または閉じることと、本店の所在地でする支店の所在場所の変更の登記です。決定機関、移転の時期の定め方、設立時の支店を誰が決めるか、登録免許税の区分で肢が作られます。
支店の設置・移転・廃止は、会社が本店以外の営業の拠点である支店を設け、移し、または閉じることです。支店の所在場所は会社法911条3項3号の登記事項なので、本店の所在地で変更の登記を申請します。令和4年9月1日に支店の所在地における登記が廃止されたので、今は本店の登記記録に支店の所在場所を載せる登記だけです。設置・移転・廃止はいずれも業務執行の決定で、取締役会設置会社では取締役会が決め、定款変更は要りません。肢で突かれるのは、決定機関と決定の仕方、設立時の支店の扱い、登録免許税です。
会社法 第362条第4項第4号支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

取締役会設置会社は取締役会、非設置会社は取締役の過半数で決めます
支店その他の重要な組織の設置、変更および廃止は、取締役会が取締役に委任できない事項なので、通常の取締役会設置会社では取締役会の決議で決めます。監査等委員会設置会社では要件を満たせば取締役に、指名委員会等設置会社では執行役に委任できます。取締役会設置会社でない会社では、取締役の過半数の一致で決め、各取締役に委任することはできません。定款に支店の所在地を書いている会社でなければ、定款変更は要りません。申請書には取締役会議事録または取締役の過半数の一致を証する書面を添付します。
移転の時期は概括的に定めてよく、事後承認は要りません
取締役会は支店の移転先とともに移転の時期を決めますが、時期は特定の日でなくても一定の期間として概括的に定めることができます。その期間内に現実に移転したときは、決議に従った移転なので、移転後に改めて取締役会の承認を受ける必要はありません。取締役会で移転の時期を一週間の幅で概括的に定めた事例について、「その範囲内の日に現実に支店を移転した場合であっても,当該支店の移転の後に改めて取締役会で当該支店の移転を承認しなければ,支店移転の登記を申請することができない」という肢は誤りです。変更の年月日は現実に移転した日です。
設立時の支店は発起人、持分会社は業務執行社員の過半数が決めます
設立に際して支店を設けるときは、その所在場所を発起人が決め、設立時取締役の決定事項ではありません。「当該設立に際して支店の設置をするときは、設立の登記の申請書には、支店の具体的な所在場所の決定につき設立時取締役の過半数の一致があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。持分会社では業務執行社員が支店の設置を決め、業務執行社員が2人以上いれば過半数の一致によります。「業務執行社員が 2 人以上ある場合には、合名会社における支店の設置の登記の申請書には、業務執行社員の過半数の一致を証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。
登録免許税は設置と移転が支店ごと、廃止は申請1件につきです
支店の設置の登記は支店1か所につき6万円で、複数の支店を同時に設置すれば支店の数だけ掛かります。支店の移転の登記は移転する支店1か所につき3万円、支店の廃止は登記事項の変更として申請1件につき3万円です。支店の設置と廃止を一の申請書で申請するときは区分が違うので合算します。本店と同じ登記所の管轄区域内に支店があるかどうかで、登記の要否や税額が変わることはありません。
会社法 第348条第3項第2号支店の設置、移転及び廃止
試験ではこう問われる
- 支店の設置を決めるのは誰か(取締役会。非設置会社は取締役の過半数。委任できない)
- 概括的に定めた期間内に移転したとき事後承認は要るか(要らない)
- 設立時の支店の所在場所は誰が決めるか(発起人)
- 合名会社の支店設置に添付する書面は何か(業務執行社員の過半数の一致を証する書面)
- 支店設置の登録免許税はいくらか(支店1か所につき6万円。移転は1か所につき3万円、廃止は3万円)
この用語が問われた肢
株式会社の設立が発起設立であり、設立しようとする会社が取締役会設置会社である場合において、当該設立に際して支店の設置をするときは、設立の登記の申請書には、支店の具体的な所在場所の決定につき設立時取締役の過半数の一致があったことを証する書面を添付しなければならない。
業務執行社員が 2 人以上ある場合には、合名会社における支店の設置の登記の申請書には、業務執行社員の過半数の一致を証する書面を添付しなければならない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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