司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ
記事 / 学習法 / 司法書士試験の1年合格スケジュール:月別の到達目標

司法書士試験の1年合格スケジュール:月別の到達目標

学習法 読了 約10分

司法書士試験に1年で合格を狙うスケジュールを、12か月の月別の到達目標と月末の判定方法で示します。4期の区切り、記述式を始める月、遅れたときの組み替え、開始が遅れた場合の圧縮まで。

司法書士試験に1年で合格を狙うなら、月ごとの到達目標を先に決め、月末に達したかどうかを判定しながら進めます。結論を先に言います。12か月を4期に分け、最初の4か月で民法と不動産登記法を一周し、8か月目までに主要4科目とマイナー科目を一周します。9か月目に全科目の一周を終え、残りの3か月を本番の型づくりに充てます。記述式は4か月目に始めます。

この記事は、学習に専念できる環境があり、次の本試験で合格を狙う人のためのものです。3,000時間という目安の内訳は司法書士試験に必要な勉強時間で、働きながらの2年計画は合格ロードマップで扱っています。ここでは1年という期間に絞り、月別に何ができていればよいかと、遅れたときの組み替え方を示します。

1年合格の前提を数字で確かめる

本試験の日から12か月を数える

1年の計画は、本試験の日から逆算して引きます。令和8年度の受験案内書に載っていた日程は次のとおりです。

段階 令和8年度の日付
受験申請書等一式の交付開始 4月1日
受験申請の受付 5月7日から5月18日まで
筆記試験 7月5日 日曜日
択一式の正解と基準点の公表 8月12日
筆記試験の合格発表 10月1日

次の年度の日程は、その年度の受験案内書で確かめてください。筆記試験は例年7月上旬の日曜日です。令和8年度の受験案内書は、4月1日に受験申請書等一式の交付が始まっています。手続の流れは司法書士試験の流れと日程にまとめています。

この記事では、本試験の翌月の7月に学習を始め、翌年7月上旬の本試験を迎える12か月を1か月目から12か月目と呼びます。開始が遅れた場合の圧縮は、最後の節で扱います。

1か月に250時間が要る

学習時間の目安を3,000時間とすると、12か月で割って1か月あたり250時間です。1日あたりでは約8時間になります。

単位 必要な時間
1年 3,000時間
1か月 250時間
1週間 約58時間
1日 約8.2時間

1週間に58時間は、週6日を9時間、1日を4時間の休養日にする形でようやく届く量です。休養日を1日も取らない計画は、体調を崩した1週間で全体がずれ、立て直しが利きません。週に1日は学習を半分以下に落とす日を組み込んだうえで、この数字に届くかを最初に確かめてください。届かないなら、1年ではなく1年半か2年の計画に切り替えるほうが合格に近づきます。

12か月を4期に分ける

12か月は、役割の違う4つの期に分けます。

期 月 役割 新規学習・復習・記述の比率の目安
基礎期 1〜4か月目 民法と不動産登記法の一周 7・3・0。4か月目から記述を足す
拡張期 5〜8か月目 会社法・商業登記法とマイナー科目の一周 5・3・2
完成期 9〜10か月目 全科目一周の完了と周回の加速 2・5・3
直前期 11〜12か月目 本番の型づくりと弱点の潰し込み 0・6・4

比率は、その期の学習時間を10としたときの配分です。2年計画と違い、1年計画では復習の比率を早く上げなければなりません。一周目を終えた科目は、次の科目を学んでいる間にも毎週回し続けます。

1〜4か月目:民法と不動産登記法を一周する

月別の到達目標

基礎期の4か月は、民法と不動産登記法に集中します。

月 主に学ぶ範囲 月末の到達目標 判定の方法
1か月目 民法の総則・物権・担保物権 財産法の前半を一周し、単元ごとに過去問を解いた 学んだ単元の肢別で6割
2か月目 民法の債権・親族・相続、民法二周目の開始 民法を一周し、肢別を一周した 民法の肢別全体で6割
3か月目 不動産登記法の総論と所有権 申請の構造と添付情報の基本を説明できる 総論の肢別で6割、民法の肢別で7割
4か月目 不動産登記法の担保権・仮登記ほか 不動産登記法を一周し、主要な雛形を書き写した 不動産登記法の肢別全体で6割

判定の数字は、肢別の過去問を一肢ずつ解いたときの正答率です。一周目の6割は低く見えますが、この時期はそれで十分です。二周目以降で上がっていきます。

1〜2か月目:民法を2か月で一周する

民法は、2か月で一周します。1か月目で総則・物権・担保物権、2か月目で債権と親族・相続です。この速度では、細かい論点で立ち止まる余裕はありません。分からない箇所は印をつけて先に進み、二周目で戻ります。

単元を読み終えたら、その日のうちにその単元の過去問を解きます。読む時間と解く時間は、1日の中でおおむね半々にします。2か月目の後半からは、民法の二周目を毎日1時間ずつ回し始めます。民法の進め方は民法の勉強法で扱っています。

3〜4か月目:不動産登記法と記述式の入口

3か月目は、不動産登記法の総論から入ります。申請の方法、共同申請と単独申請、登記識別情報、添付情報の基本です。総論が抽象的に感じられたら、各論の売買による所有権移転の申請書を先に見てください。総論の規定が申請書のどこに現れるかが分かります。

4か月目に不動産登記法の各論を一周し、同時に記述式の準備を始めます。この時点でやるのは、主要な登記の雛形を書き写すことです。所有権移転、抵当権設定、抵当権抹消、相続による所有権移転、登記名義人の住所変更の5つから始めます。雛形の覚え方は雛形の覚え方で扱っています。

5〜8か月目:会社法・商業登記法とマイナー科目

月別の到達目標

拡張期は、残りの主要科目とマイナー科目を一周しつつ、記述式を本格化させます。

月 主に学ぶ範囲 月末の到達目標 判定の方法
5か月目 会社法の設立・株式・機関 機関設計と決議要件、取締役と監査役の任期を言える 学んだ範囲の肢別で6割
6か月目 会社法の残り、商業登記法 会社法と商業登記法を一周した 両科目の肢別全体で6割
7か月目 民事訴訟法、商業登記法の記述式の入口 民事訴訟法を一周し、役員変更の雛形を書ける 民事訴訟法の肢別で6割
8か月目 民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法 マイナー科目を一周した 各科目の肢別で6割

5〜6か月目:会社法と商業登記法を続けて学ぶ

会社法は、機関から入ります。株主総会、取締役、取締役会、監査役の権限と決議要件、任期を先に固め、その後に株式と設立、組織再編へ広げます。6か月目の後半には商業登記法に入り、会社法で学んだ事項がどの添付書面で証明されるかを確かめます。会社法と商業登記法の進め方は会社法・商業登記法の勉強法で扱っています。

この2か月の間も、民法と不動産登記法の肢別は止めません。新規学習に時間の半分、民法と不動産登記法の周回に3割、不動産登記法の記述式に2割が目安です。

7〜8か月目:マイナー科目を2か月で一周する

民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法は、午後の択一で合計11問です。1問あたりの学習時間が少なくて済む科目なので、2か月で一周します。民事訴訟法に7か月目のほぼ1か月を使い、残りの4科目を8か月目に回します。科目ごとの割り切り方はマイナー科目の攻略法で扱っています。

7か月目からは、商業登記法の記述式も始めます。役員の就任・退任・重任、商号や目的の変更、本店移転の雛形を書き写すところからです。

記述式の週間枠を固定する

記述式は、週の中で時間を固定しないと後回しになります。拡張期からは、週あたり次の枠を確保してください。

期 不動産登記の記述 商業登記の記述 中身
4〜6か月目 週6時間 なし 雛形の書き写しと、易しい問題を見ながら組み立てる
7〜8か月目 週6時間 週4時間 不動産登記は一部を隠して書く。商業登記は雛形の書き写し
9か月目以降 週8時間 週6時間 両方とも白紙から時間を計って書く

記述式の段階的な進め方は不動産登記法の記述式対策で扱っています。

9〜12か月目:全科目の完成と本番の型

9か月目:憲法・刑法を加えて全科目を一周する

9か月目は、憲法と刑法を頻出分野に絞って一周します。それぞれ午前の択一で3問ずつです。2週間ずつ、合わせて1か月を超えないようにします。この月の終わりに、11科目すべての一周が終わっている状態を目指します。

同時に、年度別の過去問を1年分、本番の時間割で解きます。午前の部2時間、午後の部3時間です。点数より、時間内に解き切れたか、記述式に何分残ったかを記録してください。

10か月目:受験案内書を確かめ、周回を速める

10か月目は、4月にあたります。受験案内書が公表されたら、日程と、法令の適用日を確かめます。令和8年度の受験案内書は、解答に当たり適用すべき法令を令和8年4月1日現在で施行されているものと定めていました。この基準日までに施行された改正が、学習の対象に入っているかを確かめてください。確かめ方は法改正への対応で扱っています。

学習の中身は、全科目の肢別の周回です。一周目で×がついた肢を中心に、1周にかける日数を縮めていきます。民法と不動産登記法は3周目、会社法と商業登記法は2周目に入っている状態が目安です。

11か月目:受験申請と本番形式の演習

11か月目は、5月にあたります。受験申請を受付期間の早いうちに済ませます。受付期間を過ぎると、その年の試験は受けられません。

学習では、年度別の過去問か模試を、本番の時間割で週1回解きます。確かめるのは、午前・午後の択一と記述式の3つの部門のうち、どれが基準点を割りそうかです。模試の使い方は模試の活用法で扱っています。

12か月目:新しいことを増やさない

最後の1か月は、新しい教材にも新しい論点にも手を出しません。やることは3つです。肢別で2回以上間違えた肢の見直し、主要な雛形の白紙での再現、午後の部の時間配分の最終確認です。直前期の組み立ては直前期の基準点戦略で詳しく扱っています。

月末の到達判定と、遅れたときの組み替え

月末に確かめる3つのこと

月末には、次の3つを確かめます。所要は1時間ほどです。

  1. その月の学習時間の合計が、250時間にどれだけ届いたか
  2. その月の到達目標に達したか。判定の方法は上の表のとおり
  3. 前の月までに一周した科目の正答率が、落ちていないか

1だけを見て安心しないでください。時間が足りていても2が未達なら、時間の使い方に問題があります。3で正答率が落ちている科目があれば、翌月の復習の比率を上げます。

遅れが1か月以内なら翌月で吸収する

到達目標に届かなかった分が1か月以内なら、翌月の計画に組み込んで吸収します。吸収するときは、翌月の新規学習の範囲を削るのではなく、周回の対象を絞ります。たとえば、民法の二周目を全範囲で回す予定だったなら、一周目で×がついた単元だけに絞ります。

吸収の余地を作るために、9か月目と10か月目には最初から予備の時間を置いておきます。拡張期までの遅れは、この予備で受け止めます。

2か月以上遅れたら、1年半の計画に引き直す

遅れが2か月を超えたら、1年での合格にこだわるより、計画そのものを引き直すほうが合理的です。残りの期間で全科目を一周し、周回まで届かせるのは難しくなるからです。

引き直すときは、次の本試験を受験しないという意味ではありません。予定どおり受験して本番の時間感覚と自分の穴を確かめ、翌年の本試験を本命にする計画に切り替えます。未学習の科目を残したまま受けても、本番を経験する価値はあります。ただし、その年の最後の3か月は、配点の大きい民法・不動産登記法・商業登記法と記述式に寄せてください。

開始が遅れた場合の圧縮

7月ではなく秋から始める場合、本試験までの月数は9か月や10か月になります。このとき、圧縮するのは基礎期と拡張期の新規学習ではなく、完成期です。

開始 本試験までの月数 圧縮の仕方
7月 12か月 本記事の計画どおり
9月 10か月 完成期の2か月を1か月にし、予備の時間をなくす
10月 9か月 さらに拡張期の記述式の書き写しを基礎期に前倒しする
11月以降 8か月以下 1年での合格ではなく、翌年を本命にする計画を引く

8か月以下では、1か月250時間を守っても合計は2,000時間に届きません。この場合は、翌年を本命にして、最初の本試験は本番の経験と位置づけるのが現実的です。働きながら長期で進める場合の設計は働きながら合格するための設計で扱っています。

試験での出題ポイント

択一式ではこう問われる

1年の計画で気をつけたいのは、学習の順序と出題の配点のずれです。

  • 午前の部:民法20問と会社法・商法9問が中心です。民法を最初の2か月で一周し、以後も毎週回すことで、午前の部の土台が1年を通して崩れずに済みます
  • 午後の部:不動産登記法16問と商業登記法8問に、マイナー科目の11問が加わります。マイナー科目を8か月目までに一周しておかないと、午後の択一の基準点が危うくなります
  • 改正論点:受験案内書の基準日までに施行された改正が出題の前提になります。10か月目の確認を省かないでください

記述式との接続

記述式は2問で140点、総得点の4割です。1年の計画では、4か月目に不動産登記、7か月目に商業登記の雛形を始めます。これより遅れると、白紙から時間を計って書く練習に使える月が3か月を切ります。記述式の答案構成の手順は記述式 不動産登記の答案構成で扱っています。

まとめ

  • 1年で3,000時間なら、1か月250時間、1日約8時間。週に1日の休養日を入れてこの数字に届くかを最初に確かめる
  • 12か月を基礎期・拡張期・完成期・直前期の4期に分け、期ごとに新規学習・復習・記述の比率を変える
  • 最初の4か月で民法と不動産登記法、8か月目までに会社法・商業登記法とマイナー科目、9か月目に憲法・刑法を一周する
  • 記述式は4か月目に不動産登記、7か月目に商業登記を始め、週の枠を固定する
  • 月末に学習時間・到達目標・既習科目の正答率の3つを確かめる
  • 遅れが1か月以内なら翌月で吸収し、2か月を超えたら翌年を本命にする計画に引き直す
  • 日程と法令の基準日は、その年度の受験案内書で確かめる

よくある質問

法律の学習経験がなくても1年で合格できますか

不可能ではありませんが、条文や判例の読み方に慣れる時間が上乗せになります。最初の1か月で民法の財産法の前半に届かなかった場合は、その時点で計画を1年半に延ばすかを検討してください。無理に1年にこだわって全科目が中途半端になるより、期間を延ばして主要科目を固めるほうが合格に近づきます。

1年目に不合格だった場合、2年目は何から始めればよいですか

まず、択一の2つの部門と記述式のうち、どれが基準点に届かなかったかを確かめます。そのうえで、配点の大きい民法・不動産登記法・商業登記法と記述式の弱点に時間を寄せます。不合格の後の立て直しは司法書士試験に落ちたときの立て直し方で扱っています。

模試はいつから受ければよいですか

全科目の一周が終わる9か月目以降が目安です。一周が終わっていない段階で受けても、未学習の範囲で点を落とすだけで、時間配分の検証になりません。11か月目と12か月目に本番の時間割での演習を週1回入れ、そのうち何回かを模試に置き換える形が組みやすいでしょう。

読んだあとに、今日の1問を

過去問ベースの肢別演習で、読んだ内容をそのまま演習に移せます。

関連記事