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司法書士試験の合格ロードマップ:何から始めるか・学習順序と2年計画

学習法 読了 約14分

司法書士試験の合格までの道筋を、何から始めるか・科目の学習順序・2年計画の月別スケジュール・最初の3か月の過ごし方で整理。これから勉強を始める人と、計画を立て直したい受験生向けです。

司法書士試験の勉強は、民法から始めてください。民法を一周したら不動産登記法へ、続けて会社法と商業登記法へ進みます。記述式は不動産登記法の択一を一周した時点で着手し、マイナー科目は主要科目の二周目と並走させます。学習時間の目安は3,000時間前後で、働きながらなら2年計画が現実的です。本試験の3か月前からは新しいことを増やさず、直前期の仕上げに切り替えます。

この記事は、これから司法書士試験の勉強を始める人と、進め方に迷って計画を立て直したい受験生のためのものです。試験の全体像、勉強時間と期間の決め方、科目の順序、最初の3か月、2年目の過ごし方、計画が崩れたときの立て直し方までを、一本の道筋として整理します。

司法書士試験の全体像:受験資格・日程・配点

受験資格はなく、筆記試験は年1回

司法書士試験には受験資格の制限がありません。学歴・年齢・実務経験・国籍を問われず、誰でも受験できます。一方で、筆記試験は年1回しかありません。失敗すると次の機会は1年後です。学習計画は、本試験の日から逆算した工程として組む必要があります。

段階 時期の目安 内容
受験申請 例年5月 受験案内書は法務局・地方法務局で交付
筆記試験 例年7月上旬の日曜 午前の部9時30分から、午後の部13時から
筆記試験の合格発表 秋 記述式の基準点と合格点もこのとき公表。択一式の基準点は8月に先に公表される
口述試験 筆記合格発表の後 筆記合格者が対象
最終合格発表 口述試験の後

令和8年度の筆記試験は7月5日の日曜に実施されました。正確な日程は、毎年法務省が公表する受験案内書で確認してください。口述試験は筆記合格者を対象に、不動産登記・商業登記に関する知識と、司法書士の業務を行うのに必要な知識について口頭で問われます。合否の実質は筆記試験で決まるので、学習計画は7月の筆記に照準を合わせます。

午前・午後の科目と配点

筆記試験は午前の部が2時間、午後の部が3時間です。出題数は例年の目安で、年度により動くことがあります。

部 科目 出題数 配点
午前 択一式 民法 20問 60点
午前 択一式 会社法・商法 9問 27点
午前 択一式 憲法・刑法 各3問 各9点
午後 択一式 不動産登記法 16問 48点
午後 択一式 商業登記法 8問 24点
午後 択一式 民事訴訟法 5問 15点
午後 択一式 供託法 3問 9点
午後 択一式 民事執行法・民事保全法・司法書士法 各1問 各3点
午後 記述式 不動産登記法・商業登記法 各1問 各70点

総得点は350点です。午前の択一105点、午後の択一105点、記述式140点で、記述式が全体の4割を占めます。記述式の配点は令和6年度から各35点が各70点に倍増しました。記述式を「最後に間に合わせるもの」として後回しにする計画は、現行の配点では成り立ちません。

配点の大きさで見ると、民法60点、不動産登記法118点(択一48点+記述70点)、商業登記法94点(択一24点+記述70点)、会社法・商法27点で、この4科目だけで約300点、全体の85%になります。学習時間の配分はこの構造に合わせます。

合否は3つの基準点と合格点で決まる

司法書士試験には基準点があります。午前の択一式・午後の択一式・記述式のそれぞれに基準点が置かれ、3つすべてを満たしたうえで、総得点が合格点に達して初めて合格です。1つでも基準点を下回れば、他がどれだけ良くても不合格になります。

基準点と合格点は事前に決まっておらず、筆記試験の後に法務省が公表します。年度ごとの具体的な値と、基準点の合計から合格点までの差である上乗せ点の考え方は基準点と上乗せ点の仕組みで詳しく扱っています。計画を立てる段階では、午前・午後の択一でそれぞれ8割前後を安定して取れる状態を目標にするのが現実的です。合格率の推移や受験者層は司法書士試験の合格率と難易度にまとめています。

午後の部は時間との戦いでもある

配点表からは見えにくい要素が、午後の部の時間制約です。3時間で択一35問と記述式2問を処理します。記述式は事実関係を読み解いて申請書を組み立てる作業で、1問あたりまとまった時間が要ります。そのため、択一35問を短時間で処理し、残りを記述に充てる配分が前提になります。

つまり午後の択一は「知っている」では足りず、「即座に判断できる」水準まで仕上げる必要があります。不動産登記法の肢を一つずつ考え込んでいたら、記述に手をつける時間がなくなります。この認識を学習の初期から持っているかどうかで、過去問の回し方が変わります。

合格に必要な勉強時間と期間の決め方

3,000時間を何年で消化するか

必要な学習時間は、一般に3,000時間前後が目安とされます。法律の学習経験や教材によって上下しますが、計画の基準としては使えます。大事なのは、それを何年で消化するかです。

学習期間 1日あたり平均 想定される受験者像
1年 約8時間 学習に専念できる人
1年半 約5.5時間 学生・時短勤務など時間に余裕がある人
2年 約4時間 平日2〜3時間と休日多めの社会人
3年 約2.7時間 育児・介護と両立する人

社会人なら2年計画が最も現実的です。1年合格は、学習に専念できる環境と初期の高い集中力が前提になります。3年を超えると、初期に学んだ内容の忘却が進み、復習コストが積み上がります。3,000時間の内訳と自分の見積もり方は司法書士試験に必要な勉強時間で扱っています。

総量より「毎日触る」連続性

週末に10時間まとめて平日はゼロ、という週16時間の学習よりも、毎日2時間半ずつの週17時間のほうが定着します。前者は5日間の空白で記憶が減衰し、毎週の再立ち上げに時間を取られるからです。計画は「週に何時間」ではなく「毎日最低何分」から設計してください。忙しい日でも30分は教材を開く、という下限を決めておくことが長期戦を支えます。

インプットとアウトプットの比率を変えていく

学習段階 インプット アウトプット 主な作業
初期(全体の20%程度) 7 3 テキスト通読と単元ごとの過去問
中期(全体の40%程度) 4 6 過去問演習、記述の型づくり
後期(全体の30%程度) 2 8 過去問反復、記述の量稽古
直前期(全体の10%程度) 3 7 弱点補強、答案練習、暗記の詰め

初学者が陥りやすいのは、初期のインプット比率を最後まで引きずることです。司法書士試験で問われるのは「判断できるか」であり、それは問題演習でしか鍛えられません。学習開始から数か月以内には、問題演習が学習時間の中心になっている状態を目指してください。

何から始めるか:科目の学習順序

推奨する学習順序

順序 科目 位置づけ
1 民法 すべての土台。最優先・最大投資
2 不動産登記法 民法の知識を前提に成り立つ。択一48点+記述70点
3 会社法・商法 第二の実体法。商業登記法の前提
4 商業登記法 会社法の知識を前提に成り立つ。択一24点+記述70点
5 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法 手続法グループ。まとめて処理
6 供託法・司法書士法 独立性が高く、短期間で仕上がる
7 憲法・刑法 配点が小さい。頻出分野に絞る

民法から始める理由

理由は3つあります。第一に、配点が最大です。午前の択一105点のうち60点を民法が占めます。第二に、他の科目の前提になります。不動産登記法は、物権変動・抵当権・相続といった民法の知識がなければ理解できません。第三に、範囲が広く習得に時間がかかります。最も時間のかかる科目を最初に置けば、以後の学習期間中ずっと復習を回し続けられます。民法の具体的な進め方は民法の勉強法を参照してください。

実体法と手続法をペアで学ぶ

順序表で大事なのは、民法と不動産登記法、会社法と商業登記法という対の構造です。登記法は、実体法で起きた権利変動を登記記録という形式に落とし込む手続を扱います。実体法で「何が起きたか」が分からなければ、登記法で「どう申請するか」は決められません。

たとえば、民法で177条の第三者を学ぶと「なぜ登記をしなければ対抗できないのか」が分かります。その直後に売買による所有権移転登記の申請書を見れば、抽象的だった民法の知識が申請書の形で定着します。両者を切り離して別の時期に学ぶと、この結びつきが生まれず二度手間になります。会社法と商業登記法も同じで、会社法で役員の選任や任期を学んだ直後に、その変更登記の申請構造を確認します。

マイナー科目と憲法・刑法の扱い

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法は、午後の択一で合計11問あります。1問あたりの学習コストが低く、午後の時間配分を支える科目なので、後回しにせず主要科目の二周目と並走させます。進め方はマイナー科目の攻略法にまとめています。

憲法と刑法は各3問で、範囲が広いわりに配点が小さい科目です。深追いせず、頻出分野に絞って学習期間の後半に取り組みます。

科目別の勉強のポイント

順序が決まったら、科目ごとに「何をもって勉強したことにするか」を揃えておきます。科目によって問われ方が違うので、同じ読み方では効率が落ちます。

民法:条文の要件と判例の結論をセットで

民法の択一は、条文の要件・効果と、判例の事案と結論を組み合わせて問います。判例は結論だけでなく「どういう事実関係で、どういう結論になったか」を一文で言える状態にします。2020年4月施行の債権法改正、2019年7月施行の相続法改正、2022年4月施行の成年年齢の引下げで結論が変わった論点があるので、古い過去問を解くときは現行法での結論を確認してください。

不動産登記法:申請書の構造から覚える

不動産登記法は、登記の目的・登記原因・申請人・添付情報・登録免許税という申請書の骨格に沿って知識を整理します。択一で問われる細かな知識も、「申請書のどの欄の話か」が分かると置き場所が決まります。相続登記の申請義務化は2024年4月1日、住所等変更登記の申請義務化は2026年4月1日に施行されており、新しい制度として出題の素材になりえます。

会社法・商業登記法:機関設計を軸にする

会社法は範囲が広いので、株主総会・取締役・取締役会・監査役といった機関設計を軸に、決議要件と任期を先に固めます。商業登記法は、会社法で決まった事項をどの添付書面で証明するかという視点で学ぶと、会社法の復習を兼ねられます。

民事訴訟法ほか手続法:手続の時系列にぶら下げる

民事訴訟法は、訴えの提起から判決・上訴までの時系列に論点を並べて理解します。民事執行法・民事保全法は各1問なので、頻出の論点に絞り、供託法の執行供託と合わせて学ぶと効率が上がります。

最初の3か月でやること

始める前に決めておく3つのこと

勉強を始める前に、次の3つだけは決めてください。ここが曖昧なまま走り出すと、途中で方針が揺れて時間を失います。

決めること 内容 決めないとどうなるか
受験する年 何年の7月に受けるかを決め、残り日数から1日の学習時間を逆算する 締切がなく、学習が「いつ終わるか分からない自習」になる
教材の構成 科目別テキスト、肢別の過去問集、記述式の問題集と雛形集、六法の4種類 教材が増え続け、どれも回し切れない
毎日の下限 忙しい日でも最低何分やるか 忙しい週に学習がゼロになり、再開に時間がかかる

教材は、全科目が同じシリーズで揃い、記述式まで射程に入っているものを選ぶと、科目間の接続が分かりやすくなります。選ぶのは最初の1回だけにして、以後は同じ教材の回転数を上げることに時間を使います。

1か月目:試験制度を覚え、民法の総則・物権に入る

  1. 科目別の配点、基準点、日程を頭に入れます。自分がいま350点のうちのどこを勉強しているかを意識できる状態にします。
  2. 民法の総則・物権に着手します。この段階では完璧な理解を目標にしません。
  3. 学習時間の記録を始めます。計画が実現できるかを検証するためです。

やってはいけないのは、細かい論点で立ち止まること、複数科目に同時に手を出すこと、教材を買い集めることです。法律の学習は、後の単元を学んでから前の単元の意味が分かることが頻繁にあります。初回は完璧を目指さず、全体を一周してください。

2か月目:民法を一周し、過去問に触れる

債権・親族・相続まで、質は問わず最後まで到達します。同時に民法の過去問に触れ始めます。テキストを完璧にしてから過去問へ、という順序は機能しません。過去問を見て初めて、どの論点がどの角度から問われるかが分かり、テキストの読み方が変わります。

この段階では、5肢の組み合わせを解くより、一肢ずつ正誤を判断する肢別形式のほうが負荷が適切で、知識の穴もはっきりします。回し方は肢別過去問の回し方で解説しています。

3か月目:民法の二周目と不動産登記法への接続

民法の二周目に入り、過去問で問われた箇所を意識して精度を上げます。同時に不動産登記法に着手します。民法が完璧でなくて構いません。民法の知識が新鮮なうちに登記法へ入るほうが、両者が結びつきます。1日の学習ルーティンも、朝は何を、夜は何をと時間帯ごとに固定します。

3か月で身につけたいのは知識より習慣です。

習慣 内容 なぜ必要か
毎日必ず触れる 忙しい日でも最低30分 連続性が定着の効率を決める
記録をつける 学習時間と進捗を残す 計画の検証と修正に使う
復習を組み込む 新規学習と復習をセットにする 忘却との戦いが本質だから
完璧主義を捨てる 分からない箇所は飛ばす 停滞が最大のリスクだから

とくに4つ目は、まじめな人ほど守れません。一つの論点を完全に理解するまで先に進まない進め方は、11科目を2年で仕上げる工程では致命的です。3か月で民法を一周し、不動産登記法に着手していれば、その時点の理解が浅くても計画は順調です。

2年計画のロードマップ:4か月目から本試験まで

月別の進行表

時期 主な学習内容 到達目標
1〜3か月 民法 民法一周と過去問への接触
4〜6か月 不動産登記法の択一 民法二周目と並行し、登記法を一周
7〜9か月 会社法・商法、記述式の入門 会社法一周、民法と不動産登記法の復習継続
10〜12か月 商業登記法の択一 主要4科目の一周完成
13〜15か月 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法、供託法 手続法グループ一周
16〜18か月 憲法・刑法、司法書士法、記述式の本格化 全科目一周完成
19〜21か月 過去問の反復、記述の量稽古 択一8割、記述の型を確立
22〜24か月 直前期 3つの基準点を安定して超える

各期間で挙げた科目に全時間を投じるわけではありません。学習時間の6〜7割を新規科目、3〜4割を既習科目の復習に充てます。この比率を守らないと、新しい科目を学んでいる間に前の科目が崩れ、いつまでも全科目が同時に仕上がりません。

記述式にいつ着手するか

目安は、不動産登記法の択一が一周した直後、学習開始から6〜8か月のあたりです。記述式は、事実関係の読み取り、申請する登記の組み立て、申請書の正確な記載、時間内の処理という択一とは別の能力を要求し、量稽古でしか身につきません。「択一が仕上がってから記述へ」では量稽古の時間が確保できません。

最初は白紙から書けなくて構いません。申請書の定型的な書式である雛形を覚え、模範答案を書き写し、構造を体に入れるところから始めます。申請書を書けることは、その登記の要件を理解していることでもあるので、択一の定着にも効きます。具体的な進め方は不動産登記法の記述式対策で解説しています。

科目ごとの「仕上がった」の目安

科目 一周完了の目安 仕上がりの目安
民法 通読し、過去問に一通り触れた 肢別で8割以上を安定、主要判例の結論を即答できる
不動産登記法 主要な登記の申請構造を説明できる 択一を即断でき、雛形を白紙から書ける
会社法・商法 機関設計と組織再編の全体像を把握した 頻出論点の条文操作が速く、商業登記法と接続できる
商業登記法 主要な登記事由の添付書面を挙げられる 役員変更などの記述を時間内に処理できる
民訴・民執・民保 手続の流れを図で描ける 過去問の頻出テーマを落とさない
供託法・司法書士法 供託の類型と払渡しを区別できる 供託3問中2問以上、司法書士法1問を確実に
憲法・刑法 頻出分野に絞って一周した 各3問中2問を狙える程度で止める

科目ごとに目指す高さを変えることが、11科目を回す前提です。すべての科目に同じ完成度を求めると、時間がいくらあっても足りません。

1年目の終わりのチェックと「回転数」の記録

1年目の終わりに、次の状態に到達しているかを確認してください。主要4科目を一周し過去問に一通り触れている。主要な雛形を書ける。学習ルーティンが定着している。累計学習時間が計画の半分程度に達している。

進捗は時間だけでなく回転数でも記録します。「民法の肢別は3周目まで完了」「不動産登記法の雛形は2周目」のように科目別・教材別に管理すると、半年前にやったきり放置している科目の劣化に気づけます。欠けている項目があれば、学習量を増やすのではなく、優先順位を配点順に切り直してください。

2年目:得点力への転換と直前期

「一周したのに解けない」の壁

2年目の前半に多くの人が「一周したのに正答率が上がらない」という壁に当たります。これは標準的な現象です。知識が「見たことがある」から「判断できる」に変わるには反復回数が必要です。ここで教材を変えると一からやり直しになります。教材を変えず、同じ教材の回転数を上げてください。

午後の部の時間戦略を作る

午後の部は3時間で択一35問と記述式2問を処理します。記述式に十分な時間を残すには、択一を即断できる水準まで仕上げる必要があります。2年目の後半には、次の4点を時間を計った演習で詰めます。

  1. 択一1問にかける時間の上限と、超えたら飛ばす判断
  2. 択一と記述のどちらから解くかの順序
  3. 不動産登記法と商業登記法の記述に割り当てる時間
  4. 完璧を捨てて部分点を拾う判断

時間配分の具体的な型は午後の部の時間配分で解説しています。知識が不完全な段階から、時間を計って解く経験を積んでください。

直前期は新しいことを増やさない

本試験の3か月前からは、新しい知識を入れる時期ではありません。持っている知識を確実に得点に変える時期です。

優先度 取り組み 理由
高 過去問で間違えた肢の潰し込み 間違えた肢を確実に取れる状態にする
高 記述式の答案作成訓練 配点140点。時間内の完成が必須
高 雛形・数値要件の総点検 直前期の記憶が最も本番に反映される
中 民法・登記法の総復習 配点の大きい科目の底上げ
低 未学習論点への新規着手 費用対効果が低い

直前期に新しい問題集へ手を出したくなる誘惑は強いものですが、見たことのない問題が解けずに自信を失い、積み上げた知識まで揺らぎます。直前3か月の組み立ては直前期の過ごし方と基準点戦略で詳しく整理しています。

模試は運用上の欠陥を洗い出す装置

学習が中盤以降に進んだら、時間を計った本番形式の演習を組み込みます。模試でも、過去問を本番の時間割で解く自主演習でも目的は同じで、次の3つを確かめます。

  1. 時間内に解き切れるか。とくに午後の部で、択一に時間を取られて記述が空欄になっていないか
  2. 3つの基準点のうち、どれが最も危ないか
  3. 知識としては知っているのに、時間や緊張で落とした問題はどこか

模試の後にまずやるべきは、間違えた問題の復習より時間配分の修正です。知識の穴は日々の演習で埋められますが、時間配分は本番形式でしか検証できません。時間切れで記述が書けなかったなら、それが翌日から手を打つべき最優先の課題です。模試の判定そのものを気にしすぎる必要はありません。

計画が崩れたときの立て直し方

立て直しの三原則

2年の計画が想定どおりに進むことはまずありません。崩れたときの対処を先に決めておきます。

  1. 進度ではなく優先順位を直します。遅れを取り戻そうと学習時間を倍にしても続きません。配点の大きい民法と登記法に集中し、憲法・刑法など配点の小さい科目は割り切って薄くします。
  2. 全科目の一周を最優先します。未学習の科目を残したまま試験を迎えるのが最悪です。基準点がある以上、1つの部門が崩れれば他が良くても不合格です。精度を落としてでも一周させてください。
  3. 受験の見送りは慎重に判断します。全科目を一周していれば、合格に届かなくても本番の時間感覚や自分の穴を知る価値があります。

学習が止まったときの再起動

数週間まったく手をつけられなかったときに、「今日から8時間やる」という反動は続きません。次の順で再開してください。まず15分だけ教材を開き、中断の連鎖を切ります。新しい単元ではなく既習範囲の復習から入ります。量は問わず3日連続で触ります。最後に、元の計画に戻そうとせず、残り時間で何ができるかを計算し直して計画を引き直します。

まとめ

  • 司法書士試験の勉強は民法から始め、民法と不動産登記法、会社法と商業登記法をペアで進める
  • 学習時間は3,000時間前後が目安。社会人は1日平均4時間の2年計画が現実的
  • 記述式は総得点350点の4割。不動産登記法の択一を一周した時点で雛形の書き写しから着手する
  • 合否は3つの基準点と合格点で決まる。得意を伸ばすより、割りそうな部門を底上げする
  • マイナー科目は主要科目の二周目と並走させ、憲法・刑法は頻出分野に絞る
  • 進捗は時間と回転数で記録し、崩れたら配点順に優先順位を切り直す

よくある質問

司法書士試験の勉強は何から始めればよいですか

民法から始めてください。午前の択一で最大の配点を持ち、不動産登記法の前提になる科目だからです。最初の1か月で総則・物権に入り、2か月目で親族・相続まで一周し、同時に過去問に触れ始めます。3か月目には民法の二周目と並行して不動産登記法に着手するのが目安です。

1年で合格することはできますか

不可能ではありませんが、1日平均8時間前後を1年間続けられる環境が前提になります。働きながらの場合は、1日平均4時間の2年計画のほうが現実的です。1年で目指す場合も、科目の順序と記述式への早期着手という骨格は同じです。

働きながらだと合格まで何年かかりますか

平日2〜3時間、休日に多めという学習量なら、2年を一つの目安にしてください。残業が多い、育児と両立するなど1日の学習時間が3時間を切る場合は、2年半から3年の計画になります。期間を延ばすほど初期の学習内容の忘却が増えるので、毎日触る連続性を重視してください。

独学でもこのロードマップで進められますか

進められます。ただし独学では、到達水準の自己判定と、記述式答案の自己採点が難所になります。独学で補うべき点と、教材の組み方は司法書士試験は独学で合格できるかで詳しく扱っています。

読んだあとに、今日の1問を

過去問ベースの肢別演習で、読んだ内容をそのまま演習に移せます。

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