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記述式 不動産登記の対策:司法書士試験の勉強法と答案構成の手順

不動産登記法 読了 約14分

司法書士試験の記述式・不動産登記の対策を、始める時期から本試験当日まで通しで解説。雛形は優先度をつけて白紙で書けるまで固め、得点は答案構成の手順で決まるのが結論です。枠ズレの型と過去問の使い方も扱います。

司法書士試験の記述式・不動産登記の対策は、頻出の雛形を白紙で書ける状態にしたうえで、答案構成の手順を毎回同じにすることに尽きます。得点を分けるのは欄の書き方ではなく、「何件の登記を、どの順番で申請するか」の判断だからです。記述式は令和6年度から不動産登記と商業登記の2問で140点満点になり、しかも独立した基準点があります。この記事は、記述式をいつどう始めればよいか分からない受験生と、雛形は覚えたのに枠ズレで点が伸びない受験生に向けて、出題形式・雛形の覚え方・添付情報の判断・答案構成・枠ズレの型・過去問の使い方・当日の時間配分を1本にまとめました。

出題形式と配点

問題の構成要素

問題冊子は、おおむね次の要素で構成されています。

要素 内容 読む順序の目安
答案作成上の注意事項 申請件数の扱い、記載方法の指定、判断の前提条件 最初に読む
別紙:登記記録 対象不動産の甲区・乙区 2番目
事実関係 依頼者からの聴取内容や、司法書士と補助者の会話 3番目
別紙:各種書面 遺産分割協議書、売買契約書、議事録、登記原因証明情報など 事実関係と照らしながら
解答欄 申請情報の記載欄と、理由を説明させる小問 —

注意事項を最初に読むことは極めて重要です。「登記の目的は登記記録に記録される文言で記載する」「登録免許税が課されない場合はその旨を記載する」といった、答案の形式を決める条件が書かれています。ここを読み飛ばすと、内容が合っていても形式で失点します。

解答欄に書く項目

項目 内容
登記の目的 所有権移転、甲某持分全部移転、抵当権設定など
登記原因及びその日付 令和8年5月1日売買など
申請人 権利者・義務者、持分、相続人の表示など
添付情報 登記識別情報、登記原因証明情報、印鑑証明書など
登録免許税 課税価格と税率から算出

近年は申請情報の記載に加えて、「なぜその登記を申請できないのか」「なぜその登記を申請するのか」を文章で説明させる小問も出ます。雛形の暗記だけでは対応できず、要件の理解が問われる部分です。

140点化で何が変わったか

区分 配点 全体に占める割合
午前の部 択一35問 105点 30%
午後の部 択一35問 105点 30%
午後の部 記述式2問 140点 40%

記述式は総合点の4割を占めます。そして午前択一・午後択一・記述式のそれぞれに基準点があり、1つでも下回れば不合格です。基準点の値は年度ごとに法務省が公表し、毎年動きます。仕組みは基準点と上乗せ点の仕組みで整理しています。

配点が大きくなったことで、白紙の枠が生む損失も大きくなりました。1つの枠を完璧に書くより、すべての枠の登記の目的と原因日付を埋めるほうが期待得点は高くなります。時間が足りないときに最後に削るのは添付情報の細部で、登記の目的と原因日付は空欄にしないでください。

記述式で測られている3つの力

  1. 事実から法律関係を確定する力 — 事実関係と登記記録を突き合わせ、現在の権利関係と、そこに生じた変動を把握する
  2. 登記手続に翻訳する力 — 確定した法律関係を、何件の、どの順序の、どの内容の申請に落とし込む
  3. 形式を正確に再現する力 — 目的の文言、原因日付、添付情報、登録免許税を様式どおりに書く

3は雛形の暗記、1は択一の知識で対応できます。合否を分けるのは2です。この工程を誤ると、以降の欄がすべて連鎖して外れます。

いつ始め、何を使うか

始める時期は「所有権と抵当権を学んだ直後」

記述式は、択一の知識が完成してから始めるものと思われがちですが、早く並行するほど効率が上がります。理由は2つです。申請書を書く作業は要件と効果を具体的な形で確認することなので、択一の理解が深まります。そして記述式は、雛形の暗記、答案構成の訓練、時間内に処理する慣れの3層を積み上げる必要があり、直前期の数か月では間に合いません。

目安は、不動産登記法の各論で所有権と抵当権を学び終えた段階です。そこから雛形の書き取りを始め、根抵当権と仮登記を学んだ頃に過去問を1問、時間無制限で解いてみてください。択一の学び方は不動産登記法の勉強法で扱っています。

教材は3種類

  • 雛形の一覧 — 登記の種類ごとに申請情報の形を並べたもの。自分で書き取り、優先度をつけて回します
  • 本試験の過去問 — 出題の形式・分量・難易度の基準は本試験にしかありません。演習の中心に置きます
  • 答練・模試 — 時間を計って初見の問題を解く機会として使います。過去問だけでは初見の事案への対応力が測れないからです

市販の演習書を何冊も増やすより、過去問を目的を変えて繰り返し使うほうが力になります。

雛形は優先度をつけて「書ける」まで

白紙に書ける状態が目標

雛形学習でよくある失敗は、「見れば分かる」で止めることです。記述式は手で書くので、白紙に、問題文を見ずに、申請情報一式を書き出せる状態を目標にします。ただしすべての雛形でこの水準を目指すと時間が足りないので、優先度を分けます。

優先度 雛形 到達目標
S 所有権移転(売買・相続・遺贈)、抵当権の設定・抹消、根抵当権の設定、所有権登記名義人の住所・氏名の変更 白紙に完全再現
A 持分移転、抵当権の移転・変更、根抵当権の変更・譲渡・元本確定、仮登記と本登記、買戻特約 目的・原因・申請人を再現
B 信託、代位、処分の制限、区分建物・敷地権 見て内容を説明できる

基準形と差分で覚える

最も基本となる売買による所有権移転の申請情報です。

登記の目的  所有権移転
原因      令和8年5月1日売買
権利者     甲野太郎
義務者     乙川花子
添付情報    登記識別情報 登記原因証明情報 印鑑証明書
        住所証明情報 代理権限証明情報
課税価格    金1,000万円
登録免許税   金20万円

登録免許税は本則の1000分の20で計算した例です。土地の売買には租税特別措置法による軽減税率があり、適用期限が定められているので、学習している年度の法令で確認してください。各申請の具体的な構造は売買による所有権移転登記と抵当権設定登記で解説しています。

相続による所有権移転では、相続人による単独申請になるため構造が変わります。

登記の目的  所有権移転
原因      令和8年3月10日相続
相続人     (被相続人 甲野一郎)
        甲野太郎
添付情報    登記原因証明情報 住所証明情報 代理権限証明情報
課税価格    金1,000万円
登録免許税   金4万円

登記識別情報と印鑑証明書が不要なのは、共同申請ではなく単独申請だからです。文字列を覚えるのではなく、なぜこの形になるのかを構造で理解すれば、ほかの単独申請にも応用が利きます。

抵当権設定は「令和8年5月1日金銭消費貸借同日設定」と被担保債権の発生原因を書き、根抵当権設定は「令和8年5月1日設定」とだけ書きます。根抵当権は特定の債権を担保するものではないからです。このように、制度の性質の違いがそのまま申請情報の違いに表れます。

対比の組で覚えると崩れにくい

対比の組 何が違うか
抵当権設定と根抵当権設定 原因の書き方、債権額か極度額・債権の範囲か
売買と相続の所有権移転 共同申請か単独申請か。添付情報と税率が連動して変わる
抵当権抹消と根抵当権抹消 根抵当権は元本確定の要否を先に判断する
仮登記と本登記 仮登記の税率、所有権に関する本登記での利害関係人の承諾
名変と更正 原因が「住所移転」などの変更か、「錯誤」「遺漏」か

持分の表記は丸暗記

場面 登記の目的
単独所有者が全部を移転する 所有権移転
単独所有者が一部を移転する 所有権一部移転
共有者の一人が自己の持分の全部を移転する 甲某持分全部移転
共有者の一人が自己の持分の一部を移転する 甲某持分一部移転
共有者全員が持分の全部を移転する 共有者全員持分全部移転

甲区を見て現在の所有形態を確認してから、この表を機械的に当てはめます。

登録免許税の主な税率

登記の種類 課税標準 本則の税率
所有権保存 不動産の価額 1000分の4
所有権移転:売買・贈与・遺贈等 不動産の価額 1000分の20
所有権移転:相続・合併、相続人に対する遺贈 不動産の価額 1000分の4
所有権移転請求権の仮登記:売買 不動産の価額 1000分の10
抵当権設定・根抵当権設定 債権額・極度額 1000分の4
抵当権移転:債権譲渡 債権額 1000分の2
抵当権移転:相続・合併 債権額 1000分の1
根抵当権の極度額の増額変更 増加額 1000分の4
抹消 不動産の個数 1個1,000円。同一申請で20個を超えると2万円
名変・変更・更正、元本確定 不動産の個数 1個1,000円

20個を超えると2万円になる上限は抹消の登記だけの規律です。課税価格は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てます。非課税・免税・軽減の整理は登録免許税の計算にまとめています。

書く雛形と見る雛形を分けて回す

段階 書く対象 見る対象 週あたり
導入期 優先度Sすべて — 3〜4時間
定着期 優先度Sのうち直近で間違えたもの 優先度S・A 2時間
維持期 週替わりで5〜8個 優先度S・A・B 1時間
直前期 優先度Sを週1回通しで 全体を毎日流し読み 2〜3時間

「見る」ときは、目的欄だけを見て原因・申請人・添付情報を頭の中で言えるかを確認します。言えなければ、その雛形を「書く」側に戻します。

添付情報は判断の順序で処理する

5つの基本情報

基本情報 必要になる条件 判断のポイント
登記原因証明情報 ほぼすべての登記 所有権保存の登記では原則不要。敷地権付き区分建物の74条2項保存は必要
登記識別情報 共同申請などで登記義務者が提供する 相続などの単独申請では原則不要
印鑑証明書 所有権の登記名義人が登記義務者となるとき(書面申請) 抵当権者が義務者なら原則不要
住所証明情報 新たに所有権の登記名義人となる者がいるとき 抵当権設定では不要
代理権限証明情報 代理人が申請するとき 記述式ではほぼ常に必要

登記識別情報は本人確認、印鑑証明書は意思確認、住所証明情報は実在の確認という趣旨が分かっていれば、初見の場面でも判断できます。各情報の意味は登記識別情報と添付情報で詳しく扱っています。

事実関係の「引き金」で追加する

場面 追加される添付情報
法人が申請人 会社法人等番号
利害関係人の承諾を要する抹消など 承諾を証する情報
農地の権利移転 農地法の許可を証する情報
会社と取締役の利益相反取引 承認をした取締役会・株主総会の議事録
成年被後見人の居住用不動産の処分 家庭裁判所の許可を証する情報
親権者と未成年者の利益相反 特別代理人の選任を証する情報

事実関係には「対象土地の地目は畑である」「Aは甲株式会社の代表取締役であり、買主でもある」といった引き金がさりげなく置かれています。読んだ瞬間に追加すべき情報が浮かぶようにしておきます。

承諾については、承諾がなければ登記そのものができないのか、承諾がなければ主登記でするだけなのかを区別します。根抵当権の極度額の変更は承諾が効力要件で、承諾がなければ登記できません。権利の変更・更正の多くは、承諾があれば付記登記、なければ主登記です。

答案構成の手順

記述式の得点は答案構成の段階でほぼ決まります。所要20分の標準手順を示します。事実関係の一覧表化と申請の順番を決めるルールは、記述式・不動産登記の答案構成で例題を使ってさらに掘り下げています。

標準手順

  1. 注意事項を読む(2分) — 記載方法の指定と判断の前提条件を確認し、線を引く
  2. 登記記録を図にする(4分) — 甲区・乙区の現在の権利関係を簡略図にし、所有権の登記名義人の住所・氏名に下線を引く
  3. 事実関係を時系列に並べる(5分) — 日付を拾い、発生順に並べ直す
  4. 各事実に登記が発生するか判定する(3分) — 登記できない事項、今回は申請しない登記を除く
  5. 枠を並べ、件数と順序を確定する(4分) — 前提登記を含めて申請の枠を並べる
  6. 各枠を埋める(残り時間) — 全枠の目的、次に全枠の原因日付、と1項目ずつ横断して埋める

6で1枠ずつ完成させず横断して埋めるのは、時間切れになったときの失点を最小にするためです。

手順の例

登記記録の甲区2番に所有権の登記名義人B(住所X市)、乙区1番にY銀行の抵当権があるとします。事実関係は次のとおりです。

令和7年10月1日  BがZ市へ住所を移転
令和8年5月1日   BがEに甲土地を売却し、同日代金完済
令和8年5月10日  BがY銀行に債務を全額弁済

枠は次のように並びます。

1件目  所有権登記名義人住所変更  原因 令和7年10月1日住所移転  申請人 B
2件目  所有権移転         原因 令和8年5月1日売買    権利者 E 義務者 B
3件目  抵当権抹消         原因 令和8年5月10日弁済   権利者 E 義務者 Y銀行

1件目は、2件目でBが登記義務者になるための前提登記です。登記記録上の住所と申請情報の住所が合致しなければ却下されます(不動産登記法25条7号)。3件目の登記権利者は、抹消の申請時点での所有権の登記名義人Eです。弁済したのがBでも、権利者はBではありません。所有権の登記名義人の住所変更は、2026年4月1日から変更の日から2年以内の申請が義務になりました。制度の概要は住所等変更登記の義務化で扱っています。

枠決めで必ず確認する5点

確認事項 見落とすと
登記義務者の住所・氏名は登記記録と一致するか 前提の名変が抜ける
登記義務者は生存しているか 前提の相続登記が抜ける
申請の順序は効力発生順と依存関係に合っているか 順序ズレで連鎖失点
一の申請でできるものを分けていないか、逆はないか 件数ズレ
申請できない登記を書いていないか 余分な枠で減点

枠ズレの型と防止策

1つの枠を誤ると以降の枠が連鎖して外れるのが「枠ズレ」です。型ごとに防止策を持っておきます。失点パターンを記録する方法は記述式でよくあるミスで詳しく扱っています。

前提登記の脱落

最も頻度が高い型です。登記義務者の住所が異なる、登記名義人が死亡している、法人の登記名義人が商号や本店を変えている、の3つが典型です。登記記録の図で名義人に下線を引き、事実関係で住所移転・氏名変更・死亡・商号変更が出たらその場で図に書き込む。これだけで大幅に減ります。

前提の名変が要らない場面もあります。抵当権の抹消で登記義務者となる抵当権者の住所が変わっている場合は、変更を証する情報を添付して前提の名変を省略できるとされています。相続による所有権移転で被相続人の登記記録上の住所と死亡時の住所が違っても、同一性を証する情報があれば被相続人の名変は要しません。相続の手続全体は相続登記の義務化で扱っています。

件数と順序のズレ

一括申請の原則は、登記の目的、登記原因及びその日付、当事者が同一であることです。原則を押さえたうえで例外を整理し、件数の指定があれば突き合わせて検算します。順序は効力発生の時系列が原則で、前提登記は必ず先に置きます。同日に複数の事実がある場合は、「その登記をするために直前の登記が完了している必要があるか」という依存関係で考えます。

登記原因日付のズレ

登記原因 日付 注意点
売買 契約の日 所有権移転時期の特約があれば、その時期
相続 被相続人の死亡の日 遺産分割協議の日ではない
遺贈 遺言者の死亡の日 停止条件付きなら条件成就の日
農地の売買 許可が到達した日 契約日ではない
時効取得 占有を開始した日 時効が完成した日ではない
財産分与 協議が成立した日 離婚前に協議した場合は離婚の日

遺産分割協議でCが単独取得した場合でも、相続登記をまだしていなければ登記原因は「年月日相続」、日付は被相続人の死亡日です。遺産分割は相続開始の時にさかのぼって効力を生じるからです。

申請人と登記できない事項

抹消登記では権利者と義務者が直感と逆になります。抵当権の抹消では抵当権者が義務者、所有権の登記名義人が権利者です。

事実関係には、あえて登記できない事案が混ぜられます。農地法の許可がない段階の所有権移転、元本確定前の根抵当権について被担保債権の譲渡を原因とする移転、などが典型です。不自然な要素、たとえば許可書がない、日付が前後している、当事者に制限がある、を見つけたら、意図的に置かれた論点だと考えてください。理由を説明させる小問の得点源にもなります。

理由を説明させる小問の書き方

小問の理由は、次の3文で書くと採点者に伝わります。

  1. ルール — 「元本の確定前の根抵当権は、被担保債権の譲渡に随伴しない」のように、適用される条文・要件を一文で書く
  2. あてはめ — 「本件の根抵当権は、債権譲渡の時点で元本が確定していない」と、事実関係の該当部分を示す
  3. 結論 — 「したがって、債権譲渡を原因とする根抵当権の移転の登記は申請できない」と締める

感想や推測の表現は不要です。字数に余裕があっても、ルール・あてはめ・結論の順を崩さないでください。演習では、登記できない事項に出会うたびにこの3文を書く練習をしておくと、本試験で書き出しに迷いません。

過去問の使い方と記録

同じ年度を目的を変えて3回使う

周回 時間 やること 目的
1周目 無制限 納得いくまで考え、解説を精読する 論点の把握と雛形の確認
2周目 本番と同じ 時間を計って通しで解く 時間内に処理する訓練
3周目 20分 答案構成までで止め、正解の枠と突き合わせる 答案構成の精度と速度

3周目が効きます。通しで解くと1問1時間かかりますが、答案構成だけなら20分で済み、1時間で3年分を回せます。失点の主因が答案構成である以上、鍛えるべきはここです。

古い年度は事案の作り方を学ぶ素材として有効ですが、記述式の配点変更(令和6年度から)、相続登記の申請義務化(2024年4月1日施行)、住所等変更登記の申請義務化(2026年4月1日施行)、共有に関する民法改正(2023年4月1日施行)の前後で前提が変わっている点に注意してください。

記録は枠ズレの型を残す

年度、解答日、正しく書けた枠の数と全枠数、枠ズレの型、所要時間の5項目だけを記録します。同じ型が3回続けば、それが自分の弱点です。前提の名変の脱落が続くなら、登記記録の名義人に下線を引く工程を意識的に強化します。

本試験当日の時間配分

午後の部は3時間で択一35問と記述式2問を解きます。記述式に110分前後を残すなら、択一は60分前後で抜ける必要があります。記述式1問の中は、答案構成20分、記入30分、見直し5分程度が目安です。

  • 択一を切り上げる時刻を事前に決める — 迷った問題に3分かけるより、記述の1枠を埋めるほうが得点への寄与が大きくなります
  • どちらの記述から解くかを事前に決める — 得点が安定しているほうからが無難です。ただし先の1問に時間を使いすぎず、片方に70分、もう片方に30分という展開を避けます
  • 終了予定時刻を問題用紙に書く — その時刻が来たら書きかけでも次に移ります
  • 最後の数分は記入漏れだけを確認する — すべての枠の目的・原因日付・申請人が埋まっているかを機械的に確認し、内容の再検討はしません

通過時刻の決め方と撤退ルールは午後の部の時間配分で、商業登記の記述式との配分は記述式(商業登記)の対策で扱っています。

まとめ

  • 記述式は2問で140点、総合点の4割で、独立した基準点がある。白紙の枠を作らない
  • 始める時期は、不動産登記法の所有権と抵当権を学び終えた直後
  • 雛形は優先度S・A・Bに分け、Sは白紙で完全に書けるまで固める
  • 添付情報は5つの基本情報と、事実関係の引き金による追加の2段階で判断する
  • 答案構成は注意事項、登記記録の図、時系列、登記の要否、枠の確定の順に固定する
  • 自分の枠ズレの型を記録し、繰り返す型に専用のチェックを設ける

よくある質問

記述式の不動産登記はいつから始めればよいですか

不動産登記法の各論で所有権と抵当権を学び終えた段階から、雛形の書き取りを始めてください。根抵当権と仮登記まで学んだら、過去問を1問、時間無制限で解いてみます。直前期に始めるのでは、雛形・答案構成・時間内処理の3つが間に合いません。

雛形はいくつ覚えればよいですか

数よりも優先度です。所有権移転(売買・相続・遺贈)、抵当権の設定・抹消、根抵当権の設定、所有権登記名義人の住所・氏名の変更は、白紙で完全に書けるまで固めてください。ほかは目的・原因・申請人を再現できる水準から始め、過去問で出会うたびに引き上げます。

雛形は書けるのに点が取れません。何が原因ですか

多くの場合、答案構成の段階で件数か順番を誤っています。過去問を答案構成だけ20分で解き、正解の枠と突き合わせる演習を増やしてください。前提登記の脱落、原因日付、登記できない事項のどこで外れているかを記録すると、直す場所が特定できます。

不動産登記と商業登記、どちらの記述から解くべきですか

得点が安定しているほうから解くのが無難です。どちらを先にする場合でも、1問目の終了予定時刻を問題用紙に書き、その時刻で次に移ってください。片方を完璧に仕上げてもう片方が途中答案になる展開が、記述式の基準点を割る最大の原因です。

記述式を解いてみる

不動産登記法の記述式(オリジナル再現)。別紙を読んで第1欄・第2欄を書き、模範と枠ごとに比べます。

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