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供託通知きょうたくつうち

供託 第2章 弁済供託 過去問で11肢

弁済供託をした者が民法495条3項により遅滞なく債権者にしなければならない通知で、供託規則16条により供託官に通知書の発送を請求することもできます。通知の要否と効果、供託官への発送請求の仕組み、通知書の扱いが肢で突かれます。

供託通知は、民法495条3項により、弁済供託をした者が遅滞なく債権者にしなければならない供託の通知です。譲渡制限特約付き債権の供託では譲渡人と譲受人の両方に通知し、一部差押えで全額を供託した第三債務者は執行債務者に通知します。供託規則16条は、供託者が供託官に対して被供託者への供託通知書の発送を請求できる仕組みを置いています。通知は債権者に還付の機会を知らせるためのもので、供託の成立要件ではありません。肢で突かれるのは、通知の有無と供託の効力の関係、発送請求の仕組み、通知書の添付の要否です。

民法 第495条第3項

前条の規定により供託をした者は、遅滞なく、債権者に供託の通知をしなければならない。

封筒をポストに入れる職員と横で見る供託者、遠くで郵便受けを開ける女性
供託の通知は供託者の義務ですが効力要件ではなく、供託官に通知書の発送を請求することもできます
通知を欠いても有効発送請求は任意通知書は供託官が調製還付請求に通知書添付不要

通知を欠いても供託は無効になりません

供託の通知は供託者の義務ですが、通知を欠いても供託の効力は失われません。「供託者が被供託者に供託の通知をしなければならない場合において、これを欠くときは、供託は無効となる」という肢は誤りです。判例も通知を供託の効力要件とは見ていません。通知をしなかったことで債権者に損害が生じれば、供託者が損害賠償の責任を負う可能性があるにとどまるという理解です。

供託官への発送請求は任意で、供託者は封筒を添えます

供託規則16条1項により、供託者は供託官に供託通知書の発送を請求でき、請求するときはその旨を供託書に記載します。請求は義務ではなく、「供託者は,供託官に対し,被供託者に供託通知書を発送することを請求しなければならない」という肢は誤りです。請求するときは、被供託者の数に応じて郵便切手を付けた封筒を供託書に添付し、通知書そのものは供託官が供託規則16条4項により調製します。やむを得ない事情で正副二通の供託書を提出する特則の場合に限り、供託者が被供託者の数に応じた通知書を添付します。「供託者は,被供託者の数に応じて,供託書に供託通知書を添付しなければならない」という肢は誤りです。

供託官の通知書の発送は行政処分ではありません

供託官が供託者の請求を受けて行う通知書の発送は、供託の受理という処分の後に行う事実上の行為にあたります。「供託者からの請求を受けて供託官が行う供託通知書の発送は,行政訴訟の対象となる処分ではない」という肢は正しい肢です。発送の時期は、日本銀行から供託物受領の証書の送付を受けた後、または供託所で供託金を受領した後です。供託官の処分に不服があるときの審査請求で争えるのは、受理や払渡しの認可といった処分に限られます。

還付請求に供託通知書の添付は要りません

被供託者が還付を請求するとき、供託通知書を払渡請求書に添付する必要はありません。「被供託者は,供託官から供託通知書の送付を受けていた場合であっても,当該供託の供託物の還付請求をするに当たっては,供託物払渡請求書に当該供託通知書を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。同じ場面で「供託物払渡請求書に当該供託通知書を添付しなければならない」とした肢は誤りです。還付を受ける権利を証する書面は原則として添付しますが、副本ファイルの記録で権利が明らかなら省略でき、通知書はその証明には使いません。

全額供託をした第三債務者と譲渡制限特約の債務者も通知します

金銭債権の一部が差し押さえられて全額を供託した第三債務者は、差押金額を超える部分について執行債務者を被供託者とする弁済供託をしたことになるので、執行債務者に供託の通知をします。「第三債務者は,執行債務者に供託の通知をしなければならない」という肢は正しい肢です。譲渡制限の意思表示がされた金銭債権の供託では、民法466条の2第2項により譲渡人と譲受人の両方に通知します。「その債権の全額に相当する金銭を供託した債務者は、譲渡人に供託の通知をすることを要しない」という肢は誤りです。

供託規則 第16条第1項

供託者が被供託者(民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百六十六条の二第一項又は第四百六十六条の三の規定による供託をした場合にあつては、譲渡人を含む。以下この条、次条第四項、第十八条第三項及び第二十条第二項において同じ。)に供託の通知をしなければならない場合には、供託者は、供託官に対し、被供託者に供託通知書を発送することを請求することができる。この場合においては、その旨を供託書に記載しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 供託の通知を欠くと供託は無効か(無効にならない)
  2. 供託官への通知書発送請求は義務か(任意。請求するときは供託書に記載)
  3. 供託通知書は誰が作るか(供託官。供託者は封筒と切手を添付)
  4. 還付請求に供託通知書の添付は要るか(要らない)
  5. 一部差押えで全額供託した第三債務者は誰に通知するか(執行債務者。譲渡制限特約の供託は譲渡人と譲受人)

この用語が問われた肢

R5 問10 ア誤り

供託者が被供託者に供託の通知をしなければならない場合において、これを欠くときは、供託は無効となる。

R2 問10 イ誤り

受領拒絶を原因とする弁済供託をする場合には,供託者は,供託官に対し,被供託者に供託通知書を発送することを請求しなければならない。

R5 問10 エ誤り

供託官に対し、被供託者に供託通知書を発送することを請求するときは、供託者は、被供託者の数に応じて、供託書に供託通知書を添付しなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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