供託の受理と供託書正本の交付きょうたくのじゅりときょうたくしょしょうほんのこうふ
供託官が供託書を審査して受理し、供託番号を付した供託書正本を供託者に交付して供託が成立するまでの流れです。受理と納入の順序、納入しないと受理の決定が失効すること、受理が誤っても無効な供託は有効にならないことが肢で突かれます。
供託の受理と供託書正本の交付は、供託官が供託書を審査して供託を受け入れ、供託者に供託書正本を渡すまでの手続です。供託規則18条1項は、受理すべきと認めるときに供託書正本に受理する旨、供託番号、納入期日を記載して記名押印し、保管金払込書とともに供託者に交付すると定めます。供託者が納入期日までに日本銀行に供託物を納入しないと受理の決定は効力を失い、納入されて初めて供託が成立します。肢で突かれるのは、受理と納入の順序、失効の仕組み、受理されても無効な供託があること、却下の方式です。
供託規則 第18条第1項供託官は、金銭又は有価証券の供託を受理すべきものと認めるときは、供託書正本に、供託を受理する旨、供託番号、一定の納入期日までに供託物を日本銀行に納入すべき旨及びその期日までに供託物を納入しないときは受理の決定は効力を失う旨を記載して記名押印し、これを、財務大臣の定める保管金払込事務等の取扱いに関する規定又は供託有価証券の取扱いに関する規定に従い作成した保管金払込書又は供託有価証券寄託書とともに供託者に交付しなければならない。

受理の決定の後に納入し、納入期日を過ぎると受理は失効します
供託官は供託書と添付書類を審査し、受理すべきと認めると供託書正本に受理の旨と供託番号を記載して交付する流れです。供託者はその正本と保管金払込書を日本銀行に持参して供託金を納入し、納入があって初めて供託が成立する仕組みです。供託規則18条2項により、納入期日までに納入しないときは受理の決定は効力を失い、供託は初めからなかったことになります。供託金の受入れを取り扱う供託所では、20条により供託書とともに供託金を提出し、供託官が正本に受領の旨を記載して交付するので、受理と納入が同時に進みます。
郵送で供託するときは振込みか納付情報によります
供託金の受入れを取り扱う供託所に供託書を郵送して供託するときは、窓口で供託金を提出できないので、20条の2の振込みか20条の3の納付情報による納付を申し出ます。供託所から正本と保管金払込書の送付を受けて日本銀行に納入するという18条の方式は、受入れを取り扱わない供託所の方式です。「供託金の受入れを取り扱う供託所に対して供託書を送付して金銭の供託をする場合には、供託所から送付を受けた供託書正本と保管金払込書を日本銀行の本店、支店又は代理店に提出して供託金の納入をすることができる」という肢は誤りです。納付情報による納付は書面の申請でも申出によって使えます。「電子情報処理組織を使用してする供託以外の供託の場合であっても、申出をすることにより、供託官の告知した納付情報により供託金の納付をすることができる」という肢は正しい肢です。
受理されても要件を欠く供託は無効で、受諾で有効扱いになります
供託官の審査は書面の範囲で行われるので、管轄違いや要件を欠く供託が誤って受理されることがあります。受理されても無効な供託は有効になりませんが、管轄違いの弁済供託は被供託者が受諾すると供託実務では有効なものとして扱われます。「管轄外の供託所にされた弁済供託が誤って受理された場合には,当該弁済供託は無効であり,たとえ被供託者が当該弁済供託を受諾したとしても,当該弁済供託を有効なものとして取り扱うことはできない」という肢は誤りです。受諾がなければ、供託者が錯誤を理由に取り戻して供託し直す流れです。
受理すべきでないときは却下決定書を作成して交付します
供託官が供託を受理すべきでないと認めるときは、供託規則21条の7により却下決定書を作成して供託者に交付します。口頭で受け付けないのではなく、書面の処分として却下するので、供託者は供託法1条の4の審査請求や行政訴訟で争える形です。供託の原因たる事実の存否に疑いがあっても証明書面の提出を求めることはできないので、供託官は書面から判断できる範囲で受理か却下かを決める形です。却下されたときは供託による債務消滅の効果が生じませんが、適法な弁済の提供があれば民法492条によりその時から不履行の責任は免れています。
オンライン供託では電磁的記録の正本とみなし正本があります
電子情報処理組織による金銭の供託では、供託規則40条2項により、供託者が求めれば供託書正本に係る電磁的記録がオンラインで提供されます。供託者は42条1項により、その電磁的記録の事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求でき、同条4項によりこの書面は供託書正本とみなされます。「電子情報処理組織により金銭の供託をする供託者は,供託書正本に係る電磁的記録の提供を求める場合,既に書面による交付を受けているときを除き,供託官に対し,当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することができる」という肢は正しい肢です。「供託者は,供託書正本に係る電磁的記録の提供を求めた場合には,供託官に対し,当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することはできない」という肢は誤りです。
供託規則 第18条第2項供託者が前項の納入期日までに供託物を納入しないときは、受理の決定は効力を失う。
試験ではこう問われる
- 納入期日を過ぎても受理の決定が残るとする肢
- 受入れを取り扱う供託所への郵送供託で日本銀行への納入方式を使わせる肢
- 管轄違いの供託が受理された後に受諾があっても無効のままとする肢
- 却下を口頭で済ませられるかのように書く肢や、証明書面の提出を求められるとする肢
- みなし供託書正本の交付を請求できないとする肢
この用語が問われた肢
供託金の受入れを取り扱う供託所に対して供託書を送付して金銭の供託をする場合には、供託所から送付を受けた供託書正本と保管金払込書を日本銀行の本店、支店又は代理店に提出して供託金の納入をすることができる。
電子情報処理組織を使用してする供託以外の供託の場合であっても、申出をすることにより、供託官の告知した納付情報により供託金の納付をすることができる。
電子情報処理組織により金銭の供託をする供託者は,供託書正本に係る電磁的記録の提供を求める場合,既に書面による交付を受けているときを除き,供託官に対し,当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することができる。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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