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土地家屋調査士とちかおくちょうさし

不動産登記 第11章 表示に関する登記

不動産の表示に関する登記に必要な調査・測量と申請手続の代理、筆界特定手続の代理を業とする国家資格者です。司法書士との業務の分かれ目と、調査報告書があれば登記官が実地調査を省略できることが肢で突かれます。

土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記について必要な土地や家屋の調査・測量、表示に関する登記の申請手続の代理、筆界特定手続の代理などを業とする国家資格者です。土地家屋調査士法3条が業務を列挙し、他の法律に別段の定めがある場合を除いて、調査士でない者が調査・測量と申請手続の代理を業とすることを同法が禁じています。司法書士が権利に関する登記を担い、調査士が表示に関する登記を担うという分業は、不動産登記法が表示に関する登記と権利に関する登記を分けていることに対応しています。肢で突かれるのは、どちらの資格者がどの登記を代理できるか、調査士の調査報告が登記官の実地調査にどう響くかです。

不動産登記規則 第93条

(実地調査)
登記官は、表示に関する登記をする場合には、法第二十九条の規定により実地調査を行わなければならない。ただし、申請に係る不動産の調査に関する報告(土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が代理人として登記を申請する場合において、当該土地家屋調査士(土地家屋調査士法人の場合にあっては、その代表者)が作成したものに限る。)その他の申請情報と併せて提供された情報又は公知の事実若しくは登記官が職務上知り得た事実により登記官が実地調査をする必要がないと認めたときは、この限りでない。

測量機を覗く調査士と図面を抱える司法書士。新築の家の持ち主の前で調査士が境界杭を指している
土地家屋調査士は表示に関する登記の調査・測量と申請代理、筆界特定手続の代理を業とします
表示の登記は調査士権利の登記は司法書士調査報告で実地調査省略

調査士の業務は表示に関する登記の調査・測量と申請代理です

土地家屋調査士の業務の中心は、表示に関する登記に必要な土地や家屋の調査・測量と、表示に関する登記の申請手続の代理です。表題登記、地目の変更、分筆・合筆、建物の滅失といった表題部に関する申請を依頼者に代わって行い、その前提として現地で境界や床面積を測るのが仕事です。表示に関する登記の申請を却下された場合の審査請求の代理と、これらに関する相談も業務に含まれます。土地家屋調査士法人を設立して法人として業務を行うこともできます。調査士になるには土地家屋調査士試験に合格するか法務大臣の認定を受け、調査士会を経由して日本土地家屋調査士会連合会の名簿に登録する必要があります。資格の仕組みは司法書士と同じ型で、どちらも登記所の窓口に最も近い専門家です。

筆界特定手続の代理と、認定調査士の紛争解決手続の代理も業務です

筆界特定の申請やその手続についての代理は調査士の業務です。法務大臣の認定を受けた調査士は、筆界が明らかでないことを原因とする民事紛争について、弁護士と共同で依頼者を代理することもできます。代理できるのは法務大臣が指定する団体が行う民間の紛争解決手続に限られます。筆界は所有権の範囲と違って公法上の境界なので、測量と登記の専門家である調査士がその特定の手続を担います。所有権の範囲を争う訴訟の代理は調査士の業務ではなく、境界の争いが所有権の帰属に及ぶときは弁護士の領域です。筆界特定手続の代理は、対象土地の価額を基準とする上限の範囲で認定司法書士にも認められています。

司法書士は権利の登記、調査士は表示の登記を代理します

司法書士法は司法書士の業務として登記の申請手続の代理を定めています。ただし表示に関する登記の調査・測量と申請代理は土地家屋調査士法が調査士の独占業務としているので、司法書士が業として行うことはできないと扱われています。逆に、所有権の保存や移転、抵当権の設定といった権利に関する登記の申請代理は調査士の業務ではありません。新築の住宅では、調査士が表題登記を申請し、続けて司法書士が保存の登記と抵当権の設定の登記を申請する流れです。

調査士の調査報告書が付けば登記官の実地調査を省略できます

登記官は表示に関する登記をするときに原則として実地調査を行います。調査士が代理人として申請し、その調査士が作成した不動産の調査に関する報告が提供されたときは、実地調査をしないことができます。省略するかどうかは登記官が実地調査の必要がないと認めるかによりますが、調査士の調査と測量の結果を登記官が信頼する仕組みで、申請の処理が早まるのが利点です。報告は申請代理人である調査士本人が作成したものに限られ、調査士法人の場合はその代表者が作成します。調査報告は調査士が現地を確認した証拠として登記所に残り、虚偽の報告は懲戒の対象になります。司法書士が権利の登記で登記原因証明情報を作るのと同じく、専門家が事実を確かめた責任を書面で引き受ける仕組みです。

不動産登記法 第29条

(登記官による調査)
登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。
登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 表示に関する登記の調査・測量と申請代理を業とできるのは誰か(土地家屋調査士。司法書士は業とできない)
  2. 調査士は権利に関する登記の申請を代理できるか(できない)
  3. 筆界特定手続の代理は誰の業務か(土地家屋調査士。価額の上限内なら認定司法書士も)
  4. 調査士の調査報告書が提供されたとき登記官の実地調査はどうなるか(必要がないと認めれば省略できる)
  5. 筆界の民間紛争解決手続を代理できる調査士の要件は何か(法務大臣の認定。弁護士と共同)
不動産登記を肢別で解く

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