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供託を有効と宣告した判決きょうたくをゆうこうとせんこくしたはんけつ

供託 第4章 払渡し(還付と取戻し) 過去問で2肢

弁済供託が有効であることを裁判で確定させた判決で、民法496条1項により受諾と並んで供託者の取戻しを封じる事由です。判決の謄本をどう供託所に出すか、質権や抵当権が消滅した場合との関係で肢が作られます。

供託を有効と宣告した判決は、弁済供託が有効に成立していることを裁判所が認めた判決で、民法496条1項は受諾とともに、判決が確定すると供託者が供託物を取り戻せなくなると定めます。債権者が供託の効力を争って訴えを起こし、裁判所が供託を有効と判断して確定すれば、供託者が後から供託をなかったことにする余地を残すべきでないからです。供託規則47条は、債権者が確定判決の謄本か、裁判所書記官が判決の内容と同一であることを証明した書面を供託所に提出できると定めます。肢で突かれるのは、取戻しを封じる事由としての位置づけと、供託所への提出の方式です。

民法 第496条第1項

債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、弁済者は、供託物を取り戻すことができる。この場合においては、供託をしなかったものとみなす。

裁判官が壇上で木槌を打ち、家主が判決書を受け取って供託所の窓口に持ち込み、職員が金庫の扉に鍵を掛けている
供託を有効と宣告した判決が確定すると、受諾と同じく供託者の取戻しができなくなります
受諾と並ぶ取戻しを封じる事由謄本か書記官の証明書面を提出質権消滅の場面は判決と無関係

受諾と有効判決の確定が取戻しを封じる二つの事由です

民法496条1項は「債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は」取り戻せると定めます。裏返せば、受諾があるか有効判決が確定すれば取戻しはできません。受諾は債権者の意思表示で、有効判決は裁判所の判断という違いがありますが、供託を確定的に有効にする効果は同じです。債権者が供託の無効を主張して訴えたのに敗れた判決も、供託者が原告になって供託の有効確認を求めた判決も、供託を有効と宣告した判決に当たる扱いです。判決は供託所へ提出されるまで供託官が確定の事実を知る手がかりを持たない点で、供託所に書面を出す受諾と違う点です。提出が遅れると取戻しが認可されてしまう危険が残ります。

供託所には判決の謄本か書記官の証明書面を提出します

供託規則47条により、弁済供託の債権者は供託を有効と宣告した確定判決の謄本を供託所に提出できます。判決の内容を記載した書面に、裁判所書記官が確定判決の内容と同一であることを証明したものでも足ります。提出を受けた供託官は譲渡通知書等つづり込帳に編てつし、以後は供託者の取戻請求を認可しません。判決が確定していることが要るので、確定証明書を併せて提出するのが供託実務の扱いです。判決の主文で供託の有効が宣言されている必要はなく、理由中で供託が有効と判断されて債権者の請求が退けられた判決も含まれます。提出は被供託者がするのが通常ですが、供託者が提出しても供託所の記録に入り、以後の取戻しは認可されません。

質権や抵当権が消滅した供託は、判決がなくても取り戻せません

民法496条2項は、供託によって質権や抵当権が消滅した場合には1項を適用しないと定めます。受諾も有効判決もなくても、担保権が消えた以上は供託者が取り戻して担保権を復活させることを認めないからです。「弁済者は、供託によって質権が消滅した場合であっても、債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、供託物を取り戻すことができる」という肢は誤りです。供託書には供託により消滅する質権や抵当権の表示を記載するので、供託官は副本ファイルで消滅の事実を把握できます。

管轄違いの供託も受諾や判決で有効なものとして扱われます

管轄外の供託所にされた弁済供託は本来無効ですが、被供託者が受諾したり還付請求をしたりすれば、供託実務では有効な供託として扱われます。「管轄外の供託所にされた弁済供託が誤って受理された場合には,当該弁済供託は無効であり,たとえ被供託者が当該弁済供託を受諾したとしても,当該弁済供託を有効なものとして取り扱うことはできない」という肢は誤りです。供託を有効と宣告した判決が確定した場合も同じく有効になります。管轄の誤りを理由に供託者が取り戻すことは、受諾や判決の確定がない間は錯誤取戻しとしてできます。

供託規則 第47条

(受諾書等の提出)
弁済供託の債権者は、供託所に対し供託を受諾する旨を記載した書面又は供託を有効と宣告した確定判決の謄本若しくは当該確定判決の内容を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該確定判決の内容と同一であることを証明したものを提出することができる。

試験ではこう問われる

  1. 受諾と有効判決の確定のどちらかがあれば取戻しができなくなることを問う肢
  2. 判決の謄本に代えて書記官の証明書面を提出できるかを問う肢
  3. 質権や抵当権が消滅した供託で、受諾や判決がない間は取り戻せるとする肢
  4. 管轄違いの供託が受諾によって有効なものとして扱われることを問う肢

この用語が問われた肢

R8 問9 ウ誤り

弁済者は、供託によって質権が消滅した場合であっても、債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、供託物を取り戻すことができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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