供託の添付書類(資格証明書・代理権限証書)きょうたくのてんぷしょるい
供託規則14条が定める、法人の代表者の資格を証する書面と代理人の権限を証する書面の扱いです。登記された法人と代理人は提示で足り、登記のない法人や社団・財団は添付であること、官公署作成の証明書は作成後3か月以内であることが肢で突かれます。
供託の添付書類は、供託書に添えて提出または提示する書面で、中心になるのが供託規則14条の代表者の資格を証する書面と代理人の権限を証する書面です。供託は供託所から物が出ていく払渡しと違って預ける手続なので、多くの書面は添付ではなく提示で足り、供託官が確認して返します。登記のない法人や法人でない社団・財団は登記で確認できないので、資格を証する書面や定款を添付します。肢で突かれるのは、どの書面が提示でどの書面が添付か、書面の有効期間、オンライン申請での省略です。
供託規則 第14条第1項登記された法人が供託しようとするときは、代表者の資格を証する登記事項証明書を提示しなければならない。この場合においては、その記載された代表者の資格につき登記官の確認を受けた供託書を提出して、代表者の資格を証する登記事項証明書の提示に代えることができる。

登記された法人の資格証明書と代理権限証書は提示で足ります
登記された法人が供託するときは、供託規則14条1項により代表者の資格を証する登記事項証明書を提示します。代表者の資格について登記官の確認を受けた供託書を提出すれば、提示に代えることもできます。代理人によって供託するときも14条4項により権限を証する書面を提示すれば足り、添付は要りません。払渡しの請求では27条により代理権限証書を添付しなければならないので、供託と払渡しで提示と添付が入れ替わる点が問われます。
登記のない法人と社団・財団は資格を証する書面を添付します
登記されていない法人が供託するときは、供託規則14条2項により代表者の資格を証する書面を供託書に添付します。法人でない社団や財団で代表者や管理人の定めがあるものは、3項により定款または寄附行為と、代表者や管理人の資格を証する書面を添付します。登記簿で確認できない以上、供託所に書面を残して後の払渡しの審査に備える必要があるからです。添付した書面は9条の2により原本還付を請求でき、原本と相違ない旨を記載した謄本を併せて提出します。
官公署の資格証明書や印鑑証明書は作成後3か月以内に限ります
供託規則9条は、登記事項証明書その他の代表者や管理人の資格を証する書面、官公署が作成した代理人の権限を証する書面、印鑑証明書の有効期間を定めます。別段の定めがある場合を除き、作成後3か月以内のものに限られます。古い証明書では代表者が交代している可能性があり、供託所が現在の資格を確認できないからです。委任状のように私人が作成した代理権限証書には期間の制限がありません。払渡請求で利害関係人の承諾書に添える印鑑証明書は、24条2項が承諾書の作成前3か月以内か作成後のものと別に定めています。
供託の原因を証する書面は添付しません
供託書には、供託の原因たる事実を証明する書面を添付する定めがありません。執行供託で差押命令の謄本を添付させる規定もなく、「金銭債権が差し押さえられた場合において、第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託するときは、供託書に、執行裁判所の差押命令の謄本を添付しなければならない」という肢は誤りです。供託官は供託書の記載から要件を審査し、「供託官は、供託申請があった場合において、供託書に記載された供託の原因たる事実の存否について疑いがあるときは、申請者に対し、当該事実を証明する書面の提出を求めることができる」という肢は誤りです。供託通知書の発送を請求するときは供託規則16条2項により封筒を添付しますが、供託の原因を裏付ける書面ではなく、反対給付も供託書の記載で処理します。
オンライン申請では電子証明書の送信で資格証明の提示を省略できます
電子情報処理組織による供託では、登記された法人の代表者が申請書情報に電子署名をし、電子認証登記所の登記官の電子証明書を併せて送信する場面があります。電子証明書が送信されたときは供託規則39条の2第1項により14条1項の提示は要りません。「登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において,申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い,かつ,当該代表者に係る電子認証登記所の登記官が発行する電子証明書を当該申請書情報と併せて送信したときは,登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない」という肢は正しい肢です。会社法人等番号を送信して供託官が登記情報を直ちに確認できるときも、供託実務では同じ扱いです。「登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において,当該法人の会社法人等番号が申請書情報と併せて送信され,これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは,登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない」という肢は正しい肢です。
供託規則 第9条(資格証明書等の有効期間)
供託所に提出又は提示すべき登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下第十四条第一項及び第四項、第二十四条第二項、第二十七条第一項並びに第三十九条の二において同じ。)その他の代表者若しくは管理人の資格を証する書面又は代理人の権限を証する書面であつて官庁又は公署の作成に係るもの及び印鑑の証明書は、この規則に別段の定めがある場合を除き、その作成後三月以内のものに限る。
試験ではこう問われる
- 登記された法人の資格証明書や代理権限証書を添付に置き換える肢
- 登記のない法人や社団・財団の添付書類を提示で足りるとする肢
- 資格証明書や印鑑証明書の有効期間を6か月などにすり替える肢
- 供託の原因を証する書面や差押命令の謄本の添付を求める肢
- オンライン申請で電子証明書や会社法人等番号による省略を問う肢
この用語が問われた肢
金銭債権が差し押さえられた場合において、第三債務者が差押金額に相当する金銭を供託するときは、供託書に、執行裁判所の差押命令の謄本を添付しなければならない。
供託官は、供託申請があった場合において、供託書に記載された供託の原因たる事実の存否について疑いがあるときは、申請者に対し、当該事実を証明する書面の提出を求めることができる。
登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において,申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い,かつ,当該代表者に係る電子認証登記所の登記官が発行する電子証明書を当該申請書情報と併せて送信したときは,登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。
登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において,当該法人の会社法人等番号が申請書情報と併せて送信され,これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは,登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。