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金銭以外の供託物の供託(自助売却)きんせんいがいのきょうたくぶつのきょうたく

供託 第2章 弁済供託 過去問で2肢

弁済の目的物が供託に適しない、滅失や損傷のおそれがある、保存に過分の費用を要するなどのときに、弁済者が裁判所の許可を得て目的物を競売し、その代金を供託する制度です。自助売却ができる事由と、金銭・有価証券以外の物を誰が保管するかが肢で突かれます。

自助売却は、民法497条により、弁済者が裁判所の許可を得て弁済の目的物を競売に付し、その代金を供託する制度です。目的物が供託に適しないとき、滅失や損傷のおそれがあるとき、保存に過分の費用を要するとき、その他供託が困難な事情があるときに使えます。弁済の目的物が金銭や有価証券でない場合、供託法5条により法務大臣が指定した倉庫営業者や銀行が保管します。法令に特別の定めが無ければ、民法495条2項により裁判所が供託所を指定して保管者を選任します。自助売却はこうした物の供託に代えて代金を供託する道で、代金の供託は弁済供託ですから、肢で突かれるのは、売却できる事由と手続、物品の供託先です。

民法 第497条

(供託に適しない物等)
弁済者は、次に掲げる場合には、裁判所の許可を得て、弁済の目的物を競売に付し、その代金を供託することができる。
一 その物が供託に適しないとき。
二 その物について滅失、損傷その他の事由による価格の低落のおそれがあるとき。
三 その物の保存について過分の費用を要するとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、その物を供託することが困難な事情があるとき。

裁判官に果物の籠を示す男性と、競り場で籠を競り落とす人物、代金の袋を受け取る職員
自助売却は、供託に適しない物などを裁判所の許可を得て競売し、その代金を供託する制度です
裁判所の許可事由は四つ物品は指定倉庫・銀行代金の供託は弁済供託

自助売却には裁判所の許可が要ります

弁済者が勝手に目的物を売って代金を供託することはできず、裁判所の許可を得て競売に付します。「弁済の目的物について損傷のおそれがあるときは,弁済者は,裁判所の許可を得て,これを競売に付し,その代金を供託することができる」という肢は正しい肢です。競売の代金を供託したときの供託は、目的物そのものの供託と同じ弁済供託で、供託の時に債務が消滅します。許可を得ずに売却した代金を供託しても、本旨に従った弁済にはなりません。

売却できる事由は四つに整理されています

令和2年4月1日施行の債権法改正で、民法497条は売却できる事由を四つ列挙しました。供託に適しないとき、滅失・損傷その他の事由による価格の低落のおそれがあるとき、保存に過分の費用を要するとき、その他の事情で供託が困難なときです。改正前は供託に適しない物と滅失・損傷のおそれがある物、保存に過分の費用を要する物が対象で、改正で「その他の事情」が加わって範囲が広がりました。生鮮品のように保管に向かない物、家畜のように保管費用がかさむ物が典型です。弁済者にとって供託の負担が大きいときに代金の供託へ切り替える制度です。

金銭と有価証券以外の物は指定倉庫や銀行が保管します

供託法5条により、法務大臣は金銭と有価証券以外の物品を保管する倉庫営業者または銀行を指定でき、指定を受けた者はその営業の部類に属する物を保管できる数量に限って保管します。法務局は金銭と有価証券の供託所で、物品は受け入れません。倉庫営業者や銀行は一般の保管料を請求できるので、物品の供託には費用がかかります。指定された保管者が無い物については、裁判所が弁済者の請求により供託所を指定して保管者を選任します。

代金の供託所は債務の履行地で、裁判所の指定とは別です

競売の代金は金銭なので、供託所は通常の弁済供託と同じく債務の履行地の供託所です。裁判所の許可は競売に付すことについての許可で、供託所を指定するものではありません。民法495条2項の裁判所による供託所の指定と保管者の選任は、物をそのまま供託するときに法令に特別の定めが無い場合の手続です。自助売却では物が代金に変わるので、指定や選任を経ずに法務局系の供託所に金銭を供託します。

代金の供託の還付には反対給付の証明が要ることがあります

自助売却の代金が供託されたときも、民法498条1項により債権者は供託物の還付を請求できます。債務者が債権者の給付に対して弁済をすべき場合には、債権者はその給付をしなければ代金を受け取れません。物の引渡債務が売買代金の支払と引換えのときは、供託者が作成した代金の受領を証する書面か、確定判決や公正証書などの公正の書面で代金の支払を証明します。自助売却の代金の供託も通常の弁済供託と同じ手続で払い渡されます。

供託法 第5条第1項

法務大臣ハ法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭又ハ有価証券ニ非サル物品ヲ保管スヘキ倉庫営業者又ハ銀行ヲ指定スルコトヲ得

試験ではこう問われる

  1. 自助売却に裁判所の許可は要るか(要る)
  2. 自助売却ができるのはどんなときか(供託に適しない・滅失損傷のおそれ・保存に過分の費用・その他の困難な事情)
  3. 金銭と有価証券以外の物品はどこに供託するか(法務大臣が指定する倉庫営業者や銀行。指定が無ければ裁判所が指定)
  4. 自助売却の代金の供託は弁済供託か(弁済供託。供託の時に債務が消滅)
供託を肢別で解く

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