審査請求しんさせいきゅう
登記官の処分に不服がある者や、申請に対して登記官が何もしない不作為について、登記官を監督する法務局長または地方法務局長に不服を申し立てる手続です。誰が、何を、どこに、どの経路で申し立てるかが肢で突かれます。
審査請求は、登記官の処分に不服がある者または登記官の不作為に係る処分を申請した者が、その登記官を監督する法務局または地方法務局の長に対してする不服申立てです。商業登記法142条が定め、申請の却下だけでなく登記事項証明書の交付や附属書類の閲覧の拒否、職権抹消の異議の却下なども処分に含まれます。審査請求は登記官を経由してし、登記官は理由があると認めれば自ら相当の処分をし、認めなければ3日以内に意見を付して事件を法務局長に送付します。肢で突かれるのは、対象となる処分の範囲、経由の仕組み、不作為に対する請求、職権抹消との関係です。
商業登記法 第142条(審査請求)
登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。

審査請求は登記官を経由して監督法務局長にします
審査請求の相手方は登記官を監督する法務局または地方法務局の長ですが、請求は登記官を経由してしなければなりません。「審査請求は,登記官を経由してしなければならない」という肢は正しい肢です。登記官は審査請求に理由があると認めるときは相当の処分をし、認めないときは審査請求の日から3日以内に意見を付して事件を法務局長に送付します。法務局長は理由があると認めれば登記官に相当の処分を命じ、審査請求人と登記上の利害関係人に通知します。行政不服審査法の審査請求期間の制限は適用されないので、期間の経過を理由に却下されることはありません。
処分には申請の却下だけでなく閲覧や証明書の拒否も含まれます
審査請求の対象になる登記官の処分は、登記の申請の却下に限られません。登記簿の附属書類の閲覧の請求を却下した処分も対象で、「登記簿の附属書類の閲覧を請求した者は,当該請求を却下した処分に対して審査請求をすることができない」という肢は誤りです。登記事項証明書や印鑑証明書の交付を拒否した処分、職権抹消の手続で異議を却下した処分も対象です。登記が完了した後にその登記の是正を求める審査請求もでき、登記官が職権で抹消できる場合でも審査請求は妨げられません。
不作為に対しても審査請求ができます
登記の申請をしたのに登記官が登記も却下もしないまま放置しているときは、不作為に係る処分を申請した者として審査請求ができます。「当該登記がされないまま 6 か月が経過した場合であっても,当該申請が却下されていないときには,申請人は審査請求をすることができない」という肢は誤りです。不作為の審査請求で法務局長が申請を却下すべきと認めるときは、登記官に却下の処分を命じます。登記官は不作為に係る処分をすべきと認めるときは、登記や却下などの相当の処分をします。
審査請求と登記の抹消、訴訟は別の道です
審査請求は登記官の処分の是正を行政内部で求める手続で、登記の抹消の申請や職権抹消と並行してできます。「登記官が職権により当該登記を抹消することができるときは,当該登記に関する審査請求をすることはできない」という肢は誤りです。審査請求の裁決に不服があれば取消訴訟に進めますが、審査請求を経なくても処分の取消しの訴えを提起することはできます。審査請求で争えるのは登記官の処分の当否で、登記された事項の実体上の無効を確定させるには、会社の組織に関する訴えや役員の地位の不存在確認の訴えなど、争う事項に応じた民事訴訟によります。審査請求の手続には行政不服審査法が適用され、審理員による審理も行われますが、審査請求期間の制限など一部の規定は商業登記法で除かれています。
商業登記法 第143条審査請求は、登記官を経由してしなければならない。
試験ではこう問われる
- 審査請求は誰に、どの経路でするか(監督法務局長または地方法務局長に、登記官を経由して)
- 附属書類の閲覧の却下に審査請求できるか(できる)
- 申請が放置されている不作為に審査請求できるか(できる)
- 職権抹消ができる登記について審査請求できるか(できる)
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