司法書士の過去問の勉強法:肢別の回し方・周回数・間違えた肢の管理
司法書士試験の過去問は、肢別で1肢ずつ理由まで判断し、1周3〜4週間のサイクルで回すのが基本です。5肢択一との使い分け、周回ごとの時間、間違えた肢の4段階管理、科目別の優先度まで解説します。
司法書士試験の過去問は、本試験の5肢択一を1肢ずつに分解した「肢別」で回すのが択一対策の中心になります。やり方の要点は3つです。答えを見る前に正誤と理由を自分で確定させること。周回数より「1周を何日で回すか」を管理し、1周を3〜4週間以内に収めること。正解したかではなく理由を言えたかで記録し、間違えた肢を型ごとに潰すことです。肢別だけでは時間配分や組み合わせ問題の処理が鍛えられないので、中期からは5肢択一の通し演習も混ぜます。
この記事は、司法書士試験の過去問の使い方に迷っている受験生と、肢別を回しているのに点が伸びない人のためのものです。肢別と5肢択一の使い分け、何年分・何周やるか、周回の設計、間違えた肢の管理、科目別の優先度と1日の量、よくある失敗までを具体的な数字で整理します。
肢別過去問とは:5肢択一との違いと使い分け
なぜ「肢」の単位で回すのか
肢別過去問は、「アからオのうち誤っているものの組み合わせはどれか」という本試験の外枠を外して、記述そのものの正誤だけを問う一問一答形式の教材です。
択一式は年に70問、各5肢なので、1年で350肢が出題されます。10年分で3,500肢の規模です。本試験で出る肢には、過去に問われた論点の言い換えや角度違いが少なくありません。しかも再利用は「問題」ではなく「肢」の単位で起きます。ある年の問題の2肢は過去のA年度から、残りの3肢は別の年度から、ということが普通にあります。問題単位で覚えていると、この組み替えに対応できません。
まぐれ正解を遮断し、回転を速める
5肢択一では、知らない肢があっても正解できてしまいます。「アとイが明らかに正しいから、消去法で答えは3番」という解き方です。本番では有効な技術ですが、学習段階でこれをやると、判断できなかった肢がそのまま残ります。肢別は1肢ずつ他の肢の助けなしに正誤を決めるので、知識の穴がはっきり見えます。
もう1つの価値は速度です。5肢択一を1問解いて解説を読むと3〜5分かかりますが、肢別なら1肢20〜30秒で処理できます。同じ1時間で、5肢択一なら60〜100肢、肢別なら120〜180肢を通過できます。11科目を忘れる前に何度も回す試験では、この周回速度が合格までの期間を左右します。
5肢択一でしか鍛えられないもの
| 比較 | 肢別過去問 | 5肢択一 年度別・分野別 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 知識を入れて保つ | 本番での処理力と時間感覚 |
| 測る能力 | 個別論点の正誤判断 | 肢の相対比較、取捨選択、時間配分 |
| 1肢あたりの時間 | 20〜30秒 | 40〜60秒 |
| 弱点 | 比較の視点が落ちる | 消去法でごまかせる、回転が遅い |
| 記録 | 肢ごとに残せる | 問題単位になりやすい |
本試験には、肢別では代わりにならない要素が3つあります。1つは組み合わせ問題と個数問題への対応です。個数問題は5肢すべての正誤を確定させないと正解できません。2つ目は肢の相対評価で、完全には自信がない肢を含んだまま正解にたどり着く判断です。3つ目は時間感覚で、午後の部は3時間で択一35問と記述式2問を処理するため、択一には1問2分弱しか使えません。本試験での肢の切り方は択一の解き方で、午後の時間の割り振りは午後の部の時間配分で扱っています。
時期別の配分の目安
| 学習段階 | 肢別 | 5肢択一 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 入門期 初回のインプット中 | 90% | 10% | 単元ごとに肢別で即確認 |
| 基礎完成期 | 80% | 20% | 分野別の5肢択一を混ぜ始める |
| 応用期 | 60% | 40% | 年度別を時間を計って解く |
| 直前期 2〜3か月前 | 50% | 50% | 午前・午後の通し演習を定期的に |
| 試験前の2週間 | 70% | 30% | 間違えた肢の最終確認に戻す |
最後の2週間に肢別の比率を戻すのは、この時期にやるべきことが新しい問題を解くことではなく、間違えた肢を潰し切ることだからです。直前期の組み立ては直前期の過ごし方と基準点戦略で扱っています。
過去問は何年分・何周やるか
年数の目安と改正の扱い
主要科目は多めの年数を、マイナー科目は出題の蓄積が少ないので範囲いっぱいを回すのが基本です。科目別の年数の目安と、法改正で結論が変わった肢の扱いは過去問は何年分やるかで詳しく扱っています。
古い過去問には、2020年4月施行の債権法改正、2019年7月施行の相続法改正などで現在は結論が変わった肢が含まれます。年度で機械的に捨てるのではなく、その分野に改正があったかで判断します。改正の影響がない基本論点は、古い年度の肢でも十分に価値があります。
周回数より「1周の日数」を管理する
「何周すればよいか」への答えは、周回数ではなく間隔で考えるほうが正確です。目安としては、全肢を3周したあとに、間違えた肢と迷った肢を中心に4周目以降を回し、直前期に間違えた肢だけを数日で回す形になります。ただし、1周に2か月かかるなら何周しても毎回が初回学習に近くなります。次の章で扱う「1周は最大3〜4週間」の原則を先に守ってください。
周回の設計:忘却曲線と1周3〜4週間の原則
読むより思い出す
忘却曲線で知られるエビングハウスの研究が示したのは、学習直後の数日で保持率が急に落ちること、そして一度学んだ内容は再学習の時間が初回より短くて済むことです。1周目に10時間かかった範囲は、2周目、3周目と所要時間が短くなります。初回に負荷が集中するので、序盤の遅れで焦って計画を崩さないでください。
記憶研究で繰り返し確認されているのが、読み返すより思い出す練習のほうが長期の定着に効くというテスト効果です。肢別は構造上、常に思い出すことを強制します。逆に、肢を読んですぐ解説を読むと、この利点を捨てることになります。答えを見る前に、必ず正誤と理由を頭の中で確定させてください。
三段階の周回モデル
完全に覚えている状態で復習しても記憶はほとんど強化されず、完全に忘れてから復習すると初回と同じコストがかかります。思い出せそうで思い出せない時点で再テストするのが最も効きます。ただし学習範囲は毎週増えるので、単元ごとに日付で復習を管理すると復習だけで1日が終わります。そこで、期間を3つに分けて周回の間隔を調整します。
| 段階 | 時期 | 間隔 | やること |
|---|---|---|---|
| 導入期 | 単元を学んだ直後 | 密 | 当日に該当範囲の肢別、翌日に間違えた肢、週末に単元全体 |
| 維持期 | 一通りのインプット後 | 疎 | 全科目を1周3〜4週間のサイクルで回す |
| 収束期 | 本試験の2〜3か月前から | 再び密 | 1周を2週間、1週間と縮め、最後は間違えた肢を3日で回す |
維持期に1周3〜4週間のサイクルを組めば、どの肢も3〜4週間おきに自動で再テストされます。1周がこれを超えそうなら、範囲を絞るか、1肢の処理時間を削るか、回す肢を減らして調整します。「全科目を丁寧に、1周2か月」より「重要度で絞って、1周3週間」のほうが確実に定着します。
周回ごとの運用ルール
| 周回 | 対象 | 1肢あたり | 解説の読み方 | 1周の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1周目 | 全肢 | 60〜90秒 | 全肢の解説を読み、条文も引く | 科目ごとにインプット直後 |
| 2周目 | 全肢 | 40秒 | 間違えた肢と迷った肢だけ読む | 4〜6週間 |
| 3周目 | 全肢 | 25秒 | 間違えた肢だけ、理由を口に出して再現 | 3〜4週間 |
| 4周目以降 | 迷った肢と間違えた肢が中心 | 20秒 | 判断根拠を1行確認 | 2〜3週間 |
| 直前期 | 間違えた肢のみ | 15秒 | 見た瞬間に理由が出るか | 3〜7日 |
1周目に時間がかかるのは当然です。逆に、3周目以降も1肢60秒かけているなら、それは解いているのではなく読んでいる状態です。判断が即座に出ない肢は、間違えた肢として記録して先に進みます。
科目を混ぜて回す
初めて単元を学ぶ段階では、1科目を続けて学ぶほうが体系を理解しやすくなります。維持期と収束期は、複数の科目を日ごとに切り替えて回すほうが有利です。民法を3週間続けると、その間は不動産登記法に一切触れず忘却が進みます。また本試験では民法の直後に刑法、その後に会社法が来ます。日常的に科目を切り替えておくと、この切り替えのコストも下がります。
| 曜日 | 平日の夜 | 休日 |
|---|---|---|
| 月 | 不動産登記法 肢別120肢 | |
| 火 | 民法 肢別140肢 | |
| 水 | 商業登記法 肢別100肢 | |
| 木 | 会社法・商法 肢別120肢 | |
| 金 | マイナー科目 肢別140肢 | |
| 土 | 記述式と分野別の5肢択一 | |
| 日 | 週内に間違えた肢の総ざらい、憲法・刑法 |
平日2時間・休日6時間の維持期の一例です。日曜に間違えた肢の総ざらいを固定しておくと、間違えた肢を放置したまま翌週へ進む事態を防げます。
間違えた肢の管理法
4段階で記録する
正誤の2段階ではなく、4段階で記録してください。
| 記号 | 状態 | 次回の扱い |
|---|---|---|
| ◎ | 理由まで即答できた | 2回続けば次の周回から外す候補 |
| ○ | 正解したが理由が曖昧、または迷った | 次の周回も必ず解く |
| △ | 勘で当てた、半分しか説明できない | ×と同じ扱い |
| × | 誤答した | 最優先。その週のうちに再テスト |
基準は「正解したか」ではなく「理由を言えたか」です。正誤だけで管理すると、勘で当てた肢が「できた肢」として周回から外れます。これが「何周もしたのに本試験で解けない」の主な原因です。判断に迷った肢は本番でも迷うので、△は×と同じに扱います。
間違えた理由を3つに分ける
間違えた肢は、理由によって対処が変わります。
- 知識の欠落。その論点を知らなかった場合です。テキストや条文で確認し、次の周回で再テストします。周回とともに自然に減ります。
- 条文の読み違い。知識はあったのに、要件や効果の語尾を落とした場合です。「できる」と「しなければならない」、「対抗できない」と「無効である」の差が典型です。条文を引いて、要件と効果を分けて書き出します。
- 比較知識の混線。似た制度の結論を取り違えた場合で、最も厄介です。
混線の例を挙げます。抵当権と根抵当権で譲渡や変更の扱いを混同する。時効の完成猶予と更新の事由を取り違える。仮登記の1号と2号の区別と本登記の要件を混ぜる。民事訴訟と民事執行で不服申立ての方法を取り違える。どれも単独では「知っている」ので、個別に覚え直しても効きません。自分で対比表を作るのが対策です。論点ごとの整理は、抵当権と根抵当権の違い、取得時効と消滅時効、完成猶予と更新、1号仮登記と2号仮登記の各記事で扱っています。
対比表は混線した項目だけ自分で作る
対比表は、市販のまとめを眺めるのではなく、自分が混線した項目だけを自分の手で書くことに意味があります。比較の軸を左の列に置くと使いやすくなります。
| 比較の軸 | 抵当権 | 元本確定前の根抵当権 |
|---|---|---|
| 被担保債権 | 特定の債権 | 一定の範囲に属する不特定の債権 |
| 被担保債権が譲渡されたとき | 抵当権も移転する | 根抵当権は移転しない。民法398条の7第1項 |
| 極度額の変更 | 概念がない | 利害関係を有する者の承諾が必要。民法398条の5 |
| 被担保債権の範囲・債務者の変更 | 概念がない | 後順位抵当権者等の承諾は不要。民法398条の4第2項 |
混線した瞬間に1枚作り、以後の周回ではこの表を見返すだけにします。溜まった表が直前期に最も使える教材になります。
間違いノートは作らず、卒業の基準を決める
肢の全文を書き写す間違いノートは、作らないほうが現実的です。1肢の転記に1分かかれば、間違えた肢が500肢で8時間以上が転記に消えます。その時間を周回に回したほうが点は伸びます。作るなら1肢1行、論点名と結論だけ、混線型の肢だけに限ります。書き込みの集約先はテキストか六法のどちらか1か所に決め、途中で変えないでください。
間違えた肢をいつ周回から外すかも決めておきます。基準は「2回続けて、答えを見る前に正誤と理由を即答できたら卒業」です。1回できただけで外すと、直前期に取りこぼします。
科目別の優先度と1日の学習量
出題数と肢別との相性
| 科目 | 出題数 | 優先度 | 相性の理由 |
|---|---|---|---|
| 民法 | 20問 | S | 出題数最大。判例の射程は5肢でも確認する |
| 不動産登記法 | 16問 | S | 手続の細部が肢単位で問われる |
| 民事訴訟法 | 5問 | S | 手続の細部が問われ、費用対効果が高い |
| 供託法 | 3問 | S | 範囲が狭く、反復がそのまま得点になる |
| 民事執行法・民事保全法・司法書士法 | 各1問 | S | 範囲が狭く落とせない |
| 商業登記法 | 8問 | A | 添付書面や登記事項が肢で完結しやすい |
| 会社法・商法 | 9問 | A | 範囲が広く、条文の確認と併用する |
| 憲法・刑法 | 各3問 | B | 判例の射程や事例の処理は5肢での検討も要る |
民法と不動産登記法の2科目で70問中36問です。周回のなかで週1回以上必ず触れる設計にしてください。不動産登記法の択一の進め方は不動産登記法の勉強法で扱っています。
見落とされがちなのがマイナー科目の費用対効果です。民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法で11問あり、会社法・商法の9問を上回ります。範囲が狭く論点がほぼ固定されているので、肢別との相性は抜群です。午後の択一35問のうち登記法の24問を除いた11問を落とすと、基準点が遠くなります。扱い方はマイナー科目の攻略法にまとめています。
処理速度から1日の量を逆算する
| 習熟段階 | 1肢あたり | 1時間あたり |
|---|---|---|
| 1周目 | 60〜90秒 | 40〜60肢 |
| 2周目 | 40秒 | 90肢 |
| 3周目 | 25秒 | 140肢 |
| 4周目以降 | 20秒 | 180肢 |
| 直前期 間違えた肢のみ | 15秒 | 240肢 |
全科目で5,000肢あり、3周目の速度で回すなら1周に約36時間です。週22時間の学習のうち11時間を肢別に充てれば、1周は約3.3週間で、「1周3〜4週間」に収まります。
働きながら週22時間なら、肢別10時間、記述式5時間、5肢択一と答練4時間、テキストと条文3時間が一つの配分です。専業で週50時間なら、肢別20時間、記述式15時間、5肢択一8時間、テキストと条文7時間です。どちらも肢別は全体の4割強に止めます。記述式は2問140点で独立した基準点があるので、肢別に時間を吸われて記述が手薄になるのは致命的です。
「今日何肢やったか」ではなく×の数で管理する
科目ごとに、総肢数、各周回を終えた日付、現在の×の肢数を1枚の表にして、周回のたびに更新してください。数字は記入の一例です。
| 科目 | 総肢数 | 1周目終了 | 2周目終了 | 3周目終了 | 現在の×の肢数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 民法 | 1,200 | 3月10日 | 5月2日 | 6月8日 | 180 |
| 不動産登記法 | 950 | 3月28日 | 5月15日 | 6月20日 | 210 |
| 会社法・商法 | 700 | 4月12日 | 5月28日 | 未 | 240 |
| 商業登記法 | 520 | 4月25日 | 6月5日 | 未 | 160 |
| 民事訴訟法ほか | 480 | 5月8日 | 6月15日 | 未 | 95 |
| 供託法 | 220 | 5月14日 | 6月18日 | 未 | 30 |
見るべきは「現在の×の肢数」が減っているかです。回しているのに減らないなら、解説の読み方や対比表の作り方に問題があると判断できます。
条文・テキストとの連動
条文に戻る肢と戻らない肢
間違えた肢のすべてで条文を引くと、周回速度が保てません。条文に戻る価値が高いのは、要件と効果が条文に明記され文言の差が正誤を分ける肢、期間や数値が問われる肢、登記事項や決議要件のような列挙事項が問われる肢です。判例の結論や先例の細部を問う肢は、条文には答えが書いていないので、テキストと解説で結論と理由を確認します。
条文の素読は、肢別で×がついた条文に印をつけ、その前後の条文をまとめて読む形にすると、負荷のわりに得点に効きます。民法177条で×がついたら周辺の物権変動の条文を、不動産登記法の添付情報で×がついたら不動産登記令の該当条文を読みます。
インプットの途中から単元ごとに並行する
テキストを一通り終えてから肢別に入るのではなく、単元ごとに並行してください。民法の代理を読み終えたら、その日のうちに代理の肢別を解きます。正答率は低くて構いません。どの部分が試験で問われるかを体感すると、次の単元の読み方が変わります。全科目を読み終えてから肢別に入ると、最初に読んだ民法を忘れているうえ、読み方の精度も上がっていません。
答練や模試は、時間制約の中での意思決定の訓練です。復習では、知識の穴より「なぜその時間配分になったか」「どれを捨てるべきだったか」を振り返り、知識の穴は肢別の周回に戻して潰します。3時間の答練なら、復習は1.5〜2時間までを目安にします。
よくある失敗と修正法
| 失敗 | 修正法 |
|---|---|
| 正答率100%を目指して周回が遅くなる | 重要度の高い肢を確実に取り、細かい肢は割り切る |
| 間違えた肢だけを回し続け、正解した肢が劣化する | 4週間間違えた肢だけを回したら、次の1周は全肢を回す |
| 2周目以降も全肢の解説を読んで進まない | 解説を読む条件を決める。間違えた肢と迷った肢だけ、1肢30秒まで |
| 1周目から高速で流して理由が身につかない | 1周目は遅くてよい。理由の言語化を飛ばさない |
| 直前期に評判の良い別の肢別本へ乗り換える | 教材は変えない。学習履歴の蓄積のほうが得点に効く |
| 肢別に時間を取られ記述式が手薄になる | 肢別に充てる時間の上限を週単位で決める |
最も深刻なのは最後の失敗です。肢別は成果が見えやすく気持ちよく進みますが、記述式は1問に1時間かかり最初は書けないので、後回しになりがちです。記述式の基準点に届かなければ、択一がどれだけ高くても不合格です。
紙かアプリかで悩む必要はありません。紙は書き込みの自由度と一覧性に優れ、アプリは履歴の自動記録と隙間時間での利用に優れます。大事なのは、4段階の記録と間違えた肢の抽出ができていることです。
まとめ
- 肢別は答えを見る前に正誤と理由を確定させる。読むのではなく思い出す
- 管理するのは周回数より1周の日数。維持期は1周3〜4週間以内に収める
- 記録は4段階で、基準は「理由を言えたか」。迷った肢は間違えた肢と同じに扱う
- 間違えた理由を知識の欠落・条文の読み違い・比較の混線に分け、混線には対比表を作る
- 民法と不動産登記法は週1回以上、マイナー科目も週1回は回す
- 中期からは5肢択一の通し演習を混ぜ、肢別の時間に上限を置いて記述式の時間を守る
よくある質問
肢別過去問だけで合格できますか
肢別だけでは足りません。肢別は知識を入れて保つための教材で、組み合わせ問題や個数問題の処理、肢の相対評価、午後の部の時間配分は、5肢択一を時間を計って解く演習でしか鍛えられません。学習の中期からは、年度別の5肢択一を本番と同じ時間で解く機会を定期的に入れてください。
過去問は何周すればよいですか
全肢を3周したあと、迷った肢と間違えた肢を中心に回し、直前期は間違えた肢だけを数日で回すのが一つの目安です。ただし周回数より、1周を3〜4週間以内に収めることを優先してください。1周に2か月かかると、何周しても毎回が初回学習に近くなります。
過去問の正答率は何割を目指せばよいですか
択一の基準点は年度ごとに法務省が公表し、その年の得点分布で上下します。具体的な値と合格点の関係は基準点と上乗せ点の仕組みを参照してください。肢別で目指すのは全肢の完璧ではなく、重要度の高い肢を理由まで即答できる状態です。本番では5肢択一で8割前後を安定して取れることを一つの目標にします。
いつから過去問を始めればよいですか
テキストで最初の単元を読み終えたその日から始めてください。テキストを全科目読み終えてから始めると、最初に読んだ科目を忘れているうえ、どこが問われるかを知らないまま読むことになります。学習全体の順序と時期は司法書士試験の合格ロードマップにまとめています。
過去問ベースの肢別演習で、読んだ内容をそのまま演習に移せます。