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不動産競売の流れ:差押えから売却許可決定・配当まで

民事執行法 読了 約12分

不動産競売の流れを条文順に整理。強制競売と担保不動産競売の違い、差押えの登記、配当要求、売却基準価額と無剰余措置、売却不許可事由(71条)、消除主義と引受主義(59条)、代金納付・引渡命令・配当まで司法書士試験向けに解説します。

不動産競売の流れ:差押えから売却許可決定・配当まで

不動産競売は、開始決定と差押えの登記で始まり、現況調査・評価を経て売却基準価額が決まり、入札、売却決定期日での売却許可決定、代金納付、配当と進みます。試験で問われるのは、各段階を「誰が」行い、「いつ」効力が生じるかです。たとえば売却許可決定は確定しなければ効力を生じず、買受人は代金を納付した時に不動産を取得します。売却で抵当権は消え、留置権は買受人が引き受けます。

この記事は、強制執行の種類で全体像をつかんだ司法書士試験の受験生向けに、不動産競売の手続を一段深く、条文の順に追ったものです。売却不許可事由や消除主義と引受主義のように、択一で肢になりやすい箇所を中心に整理します。

強制競売と担保不動産競売:入口だけが違う

強制競売は債務名義から始まる

強制競売は、確定判決や執行証書などの債務名義に基づく不動産執行です。管轄は不動産の所在地を管轄する地方裁判所で、執行裁判所として手続を進めます(民事執行法44条1項)。債権者は、執行文の付された債務名義の正本を出して申し立てます。

担保不動産競売は担保権そのものから始まる

抵当権の実行としての競売は、担保不動産競売と呼ばれます。不動産担保権の実行は、担保権の登記(仮登記を除く)がされた不動産について申立てがあったとき、または担保権の存在を証する確定判決や公正証書の謄本などが提出されたときに限り開始します(民事執行法181条1項)。

債務名義も執行文も要りません。抵当権者は、登記事項証明書で抵当権の登記を示せば申し立てられます。開始後の手続には強制競売の規定が準用されます(民事執行法188条)。準用から外れているのは法定地上権の81条で、担保不動産競売の法定地上権は民法388条によります。

担保不動産競売だけの規定

入口が違うため、担保不動産競売には独自の規定が2つあります。

規定 内容 根拠
担保権の不存在・消滅の主張 開始決定に対する執行抗告・執行異議で、債務者や所有者は担保権の不存在または消滅を理由にできる 民事執行法182条
代金納付の効果 買受人の不動産の取得は、担保権の不存在または消滅により妨げられない 民事執行法184条

債務名義がない分、開始決定への不服申立ての中で担保権の存否を争えるようにしています。その代わり、代金が納付されれば、後から担保権がなかったと分かっても買受人は所有権を失いません。抵当権の基本は抵当権と根抵当権の違いで確認してください。

開始決定と差押えの登記:配当要求の終期まで

開始決定・送達・差押えの登記

執行裁判所は、強制競売の開始決定をし、その中で債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言します。開始決定は債務者に送達します(民事執行法45条1項・2項)。申立てを却下する裁判には執行抗告ができます(同条3項)。開始決定そのものには執行抗告の定めがないので、不服は執行異議によります(民事執行法11条)。

開始決定がされると、裁判所書記官は直ちに差押えの登記を嘱託します(民事執行法48条1項)。差押えの効力は、開始決定が債務者に送達された時に生じます。ただし差押えの登記が送達より前にされたときは、登記の時に生じます(民事執行法46条1項)。差押え後も、債務者は通常の用法に従って不動産を使用・収益できます(同条2項)。

差押えの効力は、開始決定の送達と差押えの登記のうち早い時に生じる。

配当要求の終期と債権届出の催告

差押えの効力が生じると、裁判所書記官は配当要求の終期を定め、開始決定がされた旨と終期を公告します(民事執行法49条1項・2項)。あわせて、次の者に債権の存否・原因・額を終期までに届け出るよう催告します。

  • 差押えの登記前に登記された仮差押えの債権者
  • 差押えの登記前に登記された抵当権などで、売却により消滅する担保権を持つ債権者
  • 租税その他の公課を所管する官庁または公署

催告を受けた仮差押債権者と担保権者は届出義務を負い、故意または過失で怠ると損害賠償責任を負います(民事執行法50条1項・3項)。届出は義務ですが、届出をしなくても配当を受ける地位そのものは失いません。登記された担保権者は、届出の有無にかかわらず配当を受けるべき債権者に入るからです(民事執行法87条1項4号)。

配当要求ができる債権者

自分から配当に加わるには、配当要求をします。配当要求ができるのは次の3者です(民事執行法51条1項)。

配当要求ができる者 注意点
執行力のある債務名義の正本を有する債権者 判決を持っているだけでは足りず、執行文の付された正本が必要
差押えの登記後に登記された仮差押債権者 差押えの登記前の仮差押債権者は、要求しなくても配当を受ける
一般の先取特権を有することを文書で証明した債権者 証明の方法は民事執行法181条1項各号の文書

債務名義のない一般債権者は配当要求ができません(却下には執行抗告可。民事執行法51条2項)。配当要求の終期を過ぎると、原則として配当には加われません。

売却の準備:現況調査・評価・売却基準価額と無剰余措置

3点セットは担当者がそれぞれ違う

売却の前に、実務で「3点セット」と呼ばれる現況調査報告書・評価書・物件明細書が作られます。作成者がそれぞれ違う点が、択一のひっかけになります。

手続 担当 内容 根拠
現況調査 執行官 不動産の形状・占有関係などの調査。立入り、質問、文書の提示を求めることができる 民事執行法57条
評価 評価人 執行裁判所が選任する。競売による売却のための評価であることを考慮する 民事執行法58条
物件明細書 裁判所書記官 売却で効力を失わない権利や、売却により設定されたとみなされる地上権の概要などを記載 民事執行法62条
売却基準価額 執行裁判所 評価人の評価に基づいて定める 民事執行法60条1項

売却基準価額と買受可能価額

執行裁判所は、評価人の評価に基づいて、売却の額の基準となる売却基準価額を定めます(民事執行法60条1項)。

買受けの申出の額は、売却基準価額からその10分の2を控除した額以上でなければなりません。この下限を買受可能価額といいます(民事執行法60条3項)。売却基準価額が1,000万円なら、買受可能価額は800万円です。800万円未満の額では買受けの申出ができません。

売却基準価額が1,000万円なら、800万円未満では買受けの申出ができない。

無剰余措置:民事執行法63条

売っても差押債権者に1円も回らない無益な競売を防ぐのが、無剰余措置です。

執行裁判所は、次のいずれかに当たると認めるときは、その旨を差押債権者に通知しなければなりません(民事執行法63条1項)。

  1. 優先債権がない場合に、買受可能価額が手続費用の見込額を超えないとき
  2. 優先債権がある場合に、買受可能価額が手続費用と優先債権の見込額の合計額に満たないとき

通知を受けた差押債権者は、1週間以内に、優先債権があるなら手続費用と優先債権の見込額の合計額以上の額を定めて、自らその額で買い受ける旨の申出と保証の提供をします。差押債権者が買受人になれない場合は、差額を負担する旨の申出と保証の提供です。これをしないと、執行裁判所は手続を取り消します(民事執行法63条2項)。

ただし、期間内に無剰余に当たらないことを証明したときは取り消されません。また2の場合で、買受可能価額が手続費用の見込額を超えるときは、優先債権者の同意を得たことを証明すれば手続を続けられます(同項ただし書)。後順位抵当権者が申し立てた競売で、先順位抵当権者の債権額が大きいときに問題になる場面です。

消除主義と引受主義:売却で何が消えるか

消除主義:担保権は売却で消える

不動産が売却されると、その上の権利の扱いが問題になります。民事執行法59条は、担保権を原則として消滅させる消除主義をとっています。

権利 売却による扱い 根拠
先取特権・抵当権・使用及び収益をしない旨の定めのある質権 消滅する 民事執行法59条1項
上記の消滅する権利を有する者、差押債権者、仮差押債権者に対抗できない権利の取得 効力を失う 民事執行法59条2項
差押え・仮差押えの執行、上記の者に対抗できない仮処分の執行 効力を失う 民事執行法59条3項
留置権・使用及び収益をしない旨の定めのない質権で、2項の適用がないもの 消滅せず、買受人が被担保債権を弁済する責任を負う 民事執行法59条4項

抵当権は、順位にかかわらず売却で消えます。1番抵当権者が競売を申し立てていなくても、後順位抵当権者の申立てによる競売で1番抵当権も消滅し、売却代金から配当を受けます。消えた抵当権の登記は、後で見るとおり裁判所書記官の嘱託で抹消されます。登記の抹消手続の一般論は抵当権抹消登記で扱っています。

引受主義:買受人が引き受ける権利

59条4項の留置権と、使用及び収益をしない旨の定めのない質権は、売却で消えません。買受人がその被担保債権を弁済する責任を負います。

用益権も、最先の担保権・差押え・仮差押えのいずれよりも先に対抗要件を備えていれば、59条2項の対象にならず、買受人が引き受けます。たとえば抵当権設定登記より前に登記された賃借権や、抵当権設定登記より前に引渡しを受けた建物の賃借権は、買受人に対抗できます。反対に、抵当権の登記に後れる賃借権は売却で効力を失います。

整理すると、担保権は消除が原則で留置権などが例外、用益権は最先の担保権などとの先後で決まる、という二本立てです。

留置権と使用及び収益をしない旨の定めのない質権は売却で消えず、買受人が弁済責任を負う。

物件明細書と法定地上権

買受人が何を引き受けるかは、物件明細書に記載されます。物件明細書には、売却によって効力を失わない権利の取得や仮処分の執行、売却により設定されたものとみなされる地上権の概要が記載されます(民事執行法62条1項)。

売却により設定されたとみなされる地上権とは、法定地上権です。強制競売では、土地とその上の建物が債務者の所有に属する場合に、どちらかが差し押さえられ、売却により所有者を異にするに至ったときは、建物について地上権が設定されたものとみなされます(民事執行法81条)。担保不動産競売では、先に見たとおり民法388条によります。

売却の実施と売却許可決定

売却の方法:期間入札が中心

不動産の売却は、裁判所書記官が定める売却の方法によります(民事執行法64条1項)。方法は入札または競り売りのほか、最高裁判所規則で定めます(同条2項)。入札には期日入札と期間入札があり、実務の中心は一定の期間内に入札を受け付けて開札する期間入札です。

入札や競り売りで売却するときは、裁判所書記官が売却の日時と場所を定めて執行官に実施させ、同時に売却決定期日を指定します(民事執行法64条3項・4項)。あわせて、売却基準価額や売却の日時・場所などを公告します(同条5項)。

買受けの申出をする者は、執行裁判所が定める額と方法による保証を提供します(民事執行法66条)。債務者は買受けの申出ができません(民事執行法68条)。

売却決定期日と売却不許可事由:民事執行法71条

執行裁判所は売却決定期日を開き、売却の許可または不許可を言い渡します(民事執行法69条)。利害関係を有する者は、71条各号の事由で自己の権利に影響のあるものについて、意見を陳述できます(民事執行法70条)。

執行裁判所は、次の事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければなりません(民事執行法71条)。

号 売却不許可事由
1号 強制競売の手続の開始または続行をすべきでないこと
2号 最高価買受申出人が買い受ける資格・能力を有しないこと、またはその代理人が権限を有しないこと
3号 最高価買受申出人が、買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること
4号 最高価買受申出人などが、その手続で売却の適正な実施を妨げる行為をした者、代金を納付しなかった者などに当たること
5号 最高価買受申出人などが暴力団員等であること、または役員に暴力団員等がいる法人であること
6号 天災などによる不動産の損傷を理由とする売却の不許可の申出があること
7号 売却基準価額・一括売却の決定、物件明細書の作成、またはこれらの手続に重大な誤りがあること
8号 売却の手続に重大な誤りがあること

6号は、買受けの申出後に天災などで不動産が損傷した場合に、最高価買受申出人がする不許可の申出です。損傷が軽微なときは除かれます(民事執行法75条1項)。

売却許可決定に対する執行抗告

売却の許可または不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告ができます(民事執行法74条1項)。売却許可決定に対する執行抗告は、71条各号の事由があること、または売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければなりません(同条2項)。

執行抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出してします(民事執行法10条2項)。そして売却の許可または不許可の決定は、確定しなければ効力を生じません(民事執行法74条5項)。執行抗告がされている間は、買受人は代金を納付できないということです。

売却の許可または不許可の決定は確定しなければ効力を生じず、抗告中は代金を納付できない。

代金納付から配当まで

代金納付と所有権移転:民事執行法79条

売却許可決定が確定すると、買受人は裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付します(民事執行法78条1項)。提供した保証が金銭なら代金に充てられます(同条2項)。

買受人は、代金を納付した時に不動産を取得します(民事執行法79条)。売却許可決定の時でも、所有権移転の登記の時でもありません。

買受人が代金を納付しないときは、売却許可決定は効力を失い、買受人は保証の返還を請求できません(民事執行法80条1項)。次順位買受けの申出(民事執行法67条)があれば、その申出について売却の許否を決定します(同条2項)。

買受人が不動産を取得するのは、売却許可決定や所有権移転登記ではなく代金納付の時である。

嘱託登記と引渡命令:民事執行法82条・83条

代金が納付されると、裁判所書記官は次の登記と抹消を嘱託します(民事執行法82条1項)。

  1. 買受人の取得した権利の移転の登記
  2. 売却により消滅した権利、または売却により効力を失った権利の取得や仮処分に係る登記の抹消
  3. 差押えまたは仮差押えの登記の抹消

融資を受けて買う場合のために、買受人と抵当権の設定を受けようとする者が申し出れば、申出人の指定する登記の申請の代理を業とすることができる者に嘱託情報を提供させる方法もあります(民事執行法82条2項)。

買受人は、代金を納付した後、債務者や不動産の占有者に対して不動産を引き渡すよう命じる引渡命令を申し立てられます。ただし、事件の記録上、買受人に対抗できる権原により占有していると認められる者は対象外です(民事執行法83条1項)。

項目 内容 根拠
申立期間 代金納付の日から6月。民法395条1項の抵当建物使用者が占有していた建物は9月 民事執行法83条2項
審尋 債務者以外の占有者に対しては原則として審尋が必要 民事執行法83条3項
不服申立て 執行抗告ができる 民事執行法83条4項
効力 確定しなければ効力を生じない 民事執行法83条5項

9月に延びるのは、民法395条1項が抵当建物使用者に買受けの時から6か月の引渡猶予を認めているからです。

配当:配当表と配当異議

代金の納付があると、執行裁判所は配当表に基づいて配当を実施します。債権者が1人の場合や、売却代金で全債権者の債権と執行費用を全額弁済できる場合は、配当表を作らずに弁済金を交付し、剰余金は債務者に交付します(民事執行法84条1項・2項)。

配当を受けるべき債権者は、民事執行法87条1項に列挙されています。

  • 配当要求の終期までに強制競売または一般の先取特権の実行としての競売を申し立てた差押債権者
  • 配当要求の終期までに配当要求をした債権者
  • 最初の差押えの登記前に登記された仮差押えの債権者
  • 差押えの登記前に登記された先取特権・質権・抵当権で、売却により消滅するものを有する債権者

配当の順位と額は、民法その他の法律の定めによって決まります(民事執行法85条2項)。仮差押債権者の債権などは、配当額が供託されます(民事執行法91条1項)。配当表に不服のある債権者と債務者は、配当期日に配当異議の申出ができ、執行裁判所は異議のない部分に限り配当を実施します(民事執行法89条)。異議を申し出た債権者は配当異議の訴えを提起し、配当期日から1週間以内にその証明をしないと、異議の申出を取り下げたものとみなされます(民事執行法90条1項・6項)。供託の側から見た整理は執行供託を参照してください。

試験での出題ポイント

択一式ではこう問われる

民事執行法は午後の部で例年1問です。不動産競売からは、次のような対応関係の肢が繰り返し出ます。

  • 担保不動産競売は、担保権の登記がされた不動産について申し立てれば開始し、債務名義は要らない
  • 現況調査は執行官、評価は評価人、物件明細書は裁判所書記官、売却基準価額は執行裁判所
  • 買受可能価額は、売却基準価額から10分の2を控除した額
  • 債務者は買受けの申出ができない
  • 売却許可決定は確定しなければ効力を生じず、買受人は代金納付の時に不動産を取得する
  • 抵当権は順位を問わず売却で消滅し、留置権は買受人が引き受ける
  • 引渡命令の申立ては代金納付から6月以内、抵当建物使用者が占有していた建物は9月以内

民事執行法にどれだけ時間を配分するかは、マイナー科目の攻略法で全体の設計を示しています。

不動産登記法との接続

登記記録の上では、不動産競売は嘱託登記の連続です。差押えの登記も、買受人への所有権移転登記も、消滅した抵当権や差押えの登記の抹消も、裁判所書記官の嘱託でされます。

仮差押えの登記も同じ処分の制限の登記です。保全側の仕組みは仮差押えと仮処分で整理しています。

まとめ

  • 強制競売は債務名義から、担保不動産競売は担保権の登記などから始まり、開始後の手続はほぼ共通
  • 差押えの効力は、開始決定の送達と差押えの登記のいずれか早い時に生じる
  • 配当要求ができるのは、執行力のある債務名義の正本を持つ債権者、差押登記後の仮差押債権者、文書で証明した一般の先取特権者
  • 売却基準価額は執行裁判所が定め、買受可能価額はその10分の8。無剰余なら差押債権者に通知し、1週間以内の申出と保証がなければ手続取消し
  • 売却不許可事由は民事執行法71条の8号。売却許可決定は確定しなければ効力を生じない
  • 買受人は代金納付の時に不動産を取得し、引渡命令は代金納付から6月以内に申し立てる
  • 担保権は売却で消える消除主義が原則で、留置権などと先に対抗要件を備えた用益権は引受け

よくある質問

売却許可決定が出れば、買受人はすぐ所有者になりますか

なりません。売却許可決定は確定しなければ効力を生じず(民事執行法74条5項)、確定後に代金を納付した時に初めて不動産を取得します(民事執行法79条)。登記の時でもありません。

抵当権が付いた不動産を競売で買うと、その抵当権も引き継ぐのですか

引き継ぎません。抵当権は、順位にかかわらず売却によって消滅し(民事執行法59条1項)、抵当権者は売却代金から配当を受けます。買受人が引き受けるのは、留置権や使用及び収益をしない旨の定めのない質権の被担保債権、最先の担保権などより先に対抗要件を備えた賃借権などの用益権です。

無剰余措置の通知を受けたら、必ず手続は取り消されるのですか

必ずではありません。差押債権者は、通知を受けた日から1週間以内に、手続費用と優先債権の見込額の合計額以上の額で自ら買い受ける旨の申出と保証の提供をすれば、手続を続けられます。無剰余に当たらないことの証明や、一定の場合の優先債権者の同意の証明でも、取消しを避けられます(民事執行法63条2項)。

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